全日本大学選手権(全日本インカレ)の初戦まであと3日となったきょう、早大と関学大の第70回早関定期戦が行われた。本戦に先立ってBチーム戦が行われ、熊野秀人主務(スポ4=大阪・河南)や杉原紘平(先理2=茨城・土浦日大)ら普段選手として出場し…

 全日本大学選手権(全日本インカレ)の初戦まであと3日となったきょう、早大と関学大の第70回早関定期戦が行われた。本戦に先立ってBチーム戦が行われ、熊野秀人主務(スポ4=大阪・河南)や杉原紘平(先理2=茨城・土浦日大)ら普段選手として出場しない選手が揃って出場した。序盤からブロックを連発して大差で第1セットを先取すると、第2セットは控え選手を全員コートに送り込んだ。サービスエースやナイスレシーブなど好プレーを連発し、一時関学大の追い上げを許すも早大が逃げ切った。セットカウント2-0(25-15、25-23)でストレート勝利を収め、層の厚さを見せつける結果となった。また、続けて行われた本戦では、Bチーム戦同様に序盤からブロックポイントがさく裂。全員がバランス良く得点を決め、終始相手に主導権を握らせない圧巻のバレーボールを見せた。セットカウント3-0(25-17、25-14、25-19)でこちらもストレート勝利。定期戦38連覇を飾り、3日後に初戦を控える全日本インカレに向けて弾みのつく結果となった。

 リベロとしてコートに立った熊野がいきなり相手のスパイクを好レシーブ。つないだボールを中野博貴(教4=東京・早実)がクロスに決め、早大陣営が一気に盛り上がった。その後も中野、前田真治(政経4=京都・洛南)ら頼れる4年生コンビがブロックやスパイクを立て続けに決め、11-7と4点リードをリード。ルーキーの上條レイモンド(スポ1=千葉・習志野)、吉田悠眞(スポ1=京都・洛南)も要所でスパイクを決め、ブレークに貢献した。試合終盤になると吉田に代わり平田康隆(スポ1=宮崎・日南振徳)がコートへ。中村駿介(スポ2=大阪・大塚)の丁寧なトスからスパイクを決めた。また、ピンチサーバーとして同じく1年の鈴木隆人(社1=東京・早稲田)も出場し、25-15と大差をつけて第1セットを先取した。第2セットは吉田に代わり寺石周防(政経3=埼玉・早大本庄)がコートに立った。相手コートの穴をねらったサーブでポイントを奪うと、今度は杉原や上條が連続でクイックを決めてブレークに成功し、14-8と大幅にリードを奪い試合終盤へ。しかし、関学大の力強いスパイクやサービスエースなどで連続得点を複数回許し、20点に到達するまでに2点差にまで詰め寄られてしまう。しかし、安定した決定率を残した杉原のスパイクや中村のサービスエースで再度関学大を突き放し、そのまま逃げ切って勝利を収めた。


サーブを打つ中野

セットカウント
早大25-15
25-23
関学大
スタメン
レフト 前田真治(政経4=京都・洛南)
レフト 吉田悠眞(スポ1=京都・洛南)
センター 杉原紘平(先理2=茨城・土浦日大)
センター 上條レイモンド(スポ1=千葉・習志野)
ライト 中野博貴(教4=東京・早実)
セッター 中村駿介(スポ2=大阪・大塚)
リベロ 熊野秀人(スポ4=大阪・河南)

 

 続けて行われた早関定期戦本戦。全日本インカレ前最後の公式戦となるため、手ごたえをつかんでおきたいところ。藤中優斗主将(スポ4=山口・宇部商)のサーブで相手のレシーブ陣形を揺さぶり、宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)が目の覚めるようなスパイクを打ちつけると、今度は関学大のスパイクを武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)とともにシャットアウト。幸先の良いスタートを切った。村山豪(スポ2=東京・駿台学園)のスパイクやブロックでブレークを重ねると、8-3と5点差まで広げる。鵜野幸也(スポ4=東京・早実)や藤中主将がコートのぎりぎりまで走ってボールを繋ぎ、持ち味の粘り強さも体現。試合終盤には宮下諒大(社4=東京・早実)がピンチサーバーとしてコートに立ち、攻めたサーブから村山、宮浦が連続ブロック。第1セットを難なく先取した。

 第2セットも序盤から早大ペース。第1セットに8本のブロックポイントを献上したからか、関学大はブロックを避けるスパイクを打とうとしてスパイクミスが増え始めた。ミスの増える関学大とは対照的に、早大は細かいミスを見逃さずに質の高いバレーを展開。11点差をつけて第2セットも奪取。第3セットも鵜野のサーブから3連続得点で3-0とすると、村本涼平(法3=京都・洛南)のナイスジャッジや藤中主将の技のあるスパイクで8-4。ここから関学大の力強い攻めに押されて一時2点差まで詰め寄られるも動じず、すぐさま村山のクイックや鵜野のバックアタックで点差を広げていく。試合終盤に宮浦に代わり中野、藤中に代わり前田、小林に代わり中村、武藤に代わり上條、村本に代わり北川諒(教1=東京・早実)と大幅にメンバーチェンジ。最後は前田らのブロックポイントでこのセットも勝ち取り、今年度の早関定期戦も勝利で締めくくった。


トスを上げる小林副将

 全日本インカレの初戦まで、あと3日。優勝候補の筆頭に挙げられているため、緊張や重圧を感じているかもしれない。しかし、選手たちはたくさんの笑顔を見せていた。仲間がスパイクを決めたときは笑顔で喜びを共有し、仲間がミスをしたときは笑顔で励ます。このチームは強い、と確信させてくれる。目指すは日本一のみ。どのチームよりも長くコートに立てるよう、全員バレーで突き進む。


集合写真

 

セットカウント
早大25-17
25-14
25-19
関学大
スタメン
レフト 藤中優斗(スポ4=山口・宇部商)
レフト 鵜野幸也(スポ4=東京・早実)
センター 武藤鉄也(スポ3=東京・東亜学園)
センター 村山豪(スポ2=東京・駿台学園)
ライト 宮浦健人(スポ2=熊本・鎮西)
セッター 小林光輝(スポ4=長野・創造学園)
リベロ 村本涼平(法3=京都・洛南)

(記事、写真 松谷果林)