東日本男子個人選手権、東日本女子個人選手権、東日本大学新人戦が同時に開催された今大会。早大からは男子個人の部に小坂怜亜(教3=大阪・関西福祉科学大高)が、大学新人戦には団体戦デビューを飾る選手が多数含まれる1、2年生が参加した。昨年は優勝し…

東日本男子個人選手権、東日本女子個人選手権、東日本大学新人戦が同時に開催された今大会。早大からは男子個人の部に小坂怜亜(教3=大阪・関西福祉科学大高)が、大学新人戦には団体戦デビューを飾る選手が多数含まれる1、2年生が参加した。昨年は優勝した新人戦。1、2年生のみが出場資格を持つこの大会で、今年も優勝杯を手にするべく挑んだ。

男子個人選手権は今年から無差別級での開催となった。また今大会は学生の枠を超えての大会となるため社会人も参加し18~40歳までの幅広い年代が集まることとなった男子一部。小坂は1回戦の相手が棄権したため不戦勝で2回戦からの出場となった。対戦したのは9月に行われた全・総合選手権でも1回戦で対戦した清水直人(第1普通科連隊)。今大会においてもその体格差に苦しめられ二本負け。しかし前大会よりも上手く抑え込まれる前に間合いを切る場面が見られるなど内容は充実していたように見受けられた。


デビュー戦であったものの実力を遺憾なく発揮した森田

 注目の大学新人戦。今年度はエントリーしている全員が大学から日本拳法を始めたというフレッシュな顔ぶれで臨んだ。早大は2回戦からトーナメント戦に出場、最初の試合は東洋大学との対戦となったが4勝1分けで危なげなく勝利。続く3回戦は準決勝であり、宿敵慶大との対決。慶大は全員が段位持ちと万全の布陣を敷いて今大会に挑んできた。先鋒、次鋒と下され後がない早大。この展開は2週間前の早慶戦本戦と全く同じ状況。「こないだと同じ!勝てる!勝つぞ!」そんな応援の声が飛ぶ中で中堅は今大会で団体戦デビューを果たした森田良樹(スポ2=東京・富士)。開始から相手を圧倒し、開始13秒で押え込み面を奪うとこの試合初めての得点だったこともあり大きな歓声が上がる。そのまま押して2本目の面突きを奪うと悪い流れを断ち切る1勝を挙げた。続く副将・福留尚典(人1=静岡・浜松南)も格上の相手に善戦。何度もヒヤリとする場面が訪れるものの、その度に決定打を打たせない気迫を見せる。ラスト30秒。お互いの陣営からそんな声が飛ぶと両者とも猛攻をしかけるが、ここはやはり経験値の差か。胴蹴りが決まり、ここで早大は三位決定戦へ進むことに決まった。しかしこのままで終われない。大将戦では毛利公名士(商2=東京・つばさ総合)が出場。互いに一歩踏み込めば間合いに入るようなラインで攻防が続く試合となる。展開が動いたのは残り45秒。毛利は胴突きを奪われてしまう。しかしその直後に好機が。「相手の動きは動画で見て、予想がついていたし狙えると思っていた」その言葉のとおり豪快な面蹴りで勝負を振り出しに戻す。最後の10秒は押さえ込まれかけるピンチを迎え必死の抵抗を見せたが、攻勢に繋げることはできず。1勝3敗1分けで慶大に敗れることとなった。
連覇の夢が絶たれた早大、しかし三位入賞を目指すべく駒澤大学との試合に挑む。先鋒から副将までの対戦を終え結果は2勝2敗、三位の座を賭けた決戦に挑むのは、今回のチームで唯一昨年の優勝を知っている田中照将(商2=東京・麻布学園)。重圧のかかるこの場面で慎重に相手を攻め、好機をうかがう。ラスト1分!このような声が応援の声に混じった時、ついに念願の1本が。田中は胴突きを奪い、勝負を決めるべく攻撃の圧を強める。途中相手の蹴りが田中を襲ったが旗は上がらず、この1本を守り切りついに決着。昨年の成績こそ超えられなかったものの、三位入賞となった。


着実な勝利を挙げた田中

今年は全員が大学から日本拳法を始めたメンバーで挑むことになった新人戦。三段以上の2年生も出場ができないため下級生のフルメンバーで挑むことができなかった中で、戦果としては実力の成長を感じられるものになったであろう。来年度以降は誰がワセダの拳法部を盛り上げていくことになるのか。新戦力の台頭を感じさせる、期待の高まる新人戦であったに違いない。

(記事 柴田侑佳 写真 堤春嘉、鈴木隆太郎)

※掲載が遅くなり大変申し訳ございません。

結果

▽男子個人一部

1回戦

不戦勝 小坂怜亜(教3=大阪・関西福祉科学大高)

 2回戦敗退

小坂怜亜

▽大学新人戦

2回戦 対東洋大学

先鋒 〇森田良樹(スポ2=東京・富士)

次鋒 〇毛利公名士(商2=東京・つばさ総合)

中堅 △太田翔一朗(先理=愛知・海陽学園)

副将 〇来代進(国教1=千葉・渋谷教育学園幕張)

大将 〇田中照将(商2=東京・麻布学園)



準決勝 対慶応大学

先鋒 ●田中

次鋒 ●来代

中堅 〇森田

副将 ●福留尚典(人1=静岡・浜松南)

大将 △毛利



三位決定戦 対駒澤大学

先鋒 ●森田

次鋒 〇太田

中堅 〇毛利

副将 ●来代

大将 〇田中


小坂怜亜(教3=大阪・関西福祉科学大高)

――夏の大会とよく似た結果になりましたが、試合を振り返ってみていかがでしたか

こんなに早くまた当たると思っていなかったのでゆっくり対策を考えたかったんですけど、結果何も出来ないまま終わってしまいました。次はいい勝負をできるようになりたいです。

――トーナメント表を見た時はどう思われましたか

1回戦の相手は棄権されたんですけど、その人とも4回目になるくらい今まで対戦してて、清水さんも2回目だったんで同じ相手とよく当たるなって印象でした。

――きょうは1、2年生の新人戦もありました。初めて新人戦をコートの外から見守る立場になったと思いますがいかがでしたか

感動しました。みんな練習だったら成果を実感しにくいと思うんですけど、試合でみんなが自分が強くなったってことを感じてくれたんじゃないかなぁと。

――来週はついに府立大会になります、意気込みをお願いします

僕自身が府立前の大会を負けで終わることになってしまったんですけど、自分の中で流れを断ち切るって意味でもしっかり攻めて勝ち切れるようになりたいです。

田中照将(商2=東京・麻布学園)

――きょうの試合を振り返っていかがでしょうか

三試合で二回勝てたので良かったと思います。戦力的に早稲田は3位くらいと言われている中で、それを超えられはしませんでしたが下馬評通りにはなったので良かったです。

――新人戦ということで3,4年生のいないチームはどのような雰囲気でしたか

1,2年で仲良くやってました。そこまで厳しくなく上下関係もゆるく、のびのびとしてましたね。

――きょうの1,2年生のチームでにおいて、ご自身の役割はどのようなものとお考えでしょうか

2年生は三人いるのですが僕以外の2人途中入部だったこともあり、負けてはいけない立場にいたと思っています。

――駒大戦の大将戦はどのような気持ちで挑まれましたか

特に緊張することもなくできました。普段通りいこうという感じでした。

――これからの意気込みをお願いします

今シーズンはあと一週間で終わってしまいますが、試合に出ることがあればしっかりと役割を果たしていきたいです。

毛利公名士(商2=東京・つばさ総合)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしたか

全員がやって来たことというか、持っている力を出せた結果じゃないかなと思います。

――普段とは違い3年、4年生がいない団体戦となりましたがご自身の役割はどのようなものだと考えていましたか

5人制の団体戦で2年生は3人だったので自分は負けちゃいけないと意識していました。

――敢闘賞受賞おめでとうございます、どのようなお気持ちですか

素直に嬉しいです。

――来週になりました府立大会への意気込みをお願いします

この調子で頑張ります。

森田良樹(スポ2=都立富士)

――公式戦は初めてかと思いますが、どのような心境で試合に臨まれましたか。

初めてというのはあったんですけど、新人戦は2年は3人しかいないので自分が勝たないといけない試合が絶対あると思っていたので、あんまり緊張せずに挑むようにリラックスしていきました。

――試合を振り返っていただけますか。

準決勝の慶應戦が山場だったと思うんですけど、相手もかなり実力があった中で自分は一応中堅戦で勝つことができて役割を果たすことができたので、個人的には満足しています。

――どのような目標持って臨まれましたか。

同期の推薦の森川(晋平、スポ2=奈良・青翔)が今大会には出られなかったんですけど、それでもやっぱり去年優勝というのがあったので今年も優勝を目標にやってきました。

――これからの意気込みをお願いします。

これからは正規の団体戦でしっかりメンバー7人に入って3年4年で勝てる選手になっていきたいと思います。