イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日〜7月10日)の第12日。 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は、2つの優勝杯を手にウィンブルドンから去ることになった。彼女は女子シングルス決勝の3時間程あとに…

 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(6月27日〜7月10日)の第12日。

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は、2つの優勝杯を手にウィンブルドンから去ることになった。彼女は女子シングルス決勝の3時間程あとに始まった女子ダブルス決勝で姉ビーナスとペアを組み、第5シードのティメア・バボス(ハンガリー)/ヤロスラーワ・シュウェドワ(カザフスタン)を6-3 6-4で倒して、姉妹で6度目(グランドスラム大会で14度目)のタイトルを勝ち獲った。

 「着替えて、足首のテーピングをやり直すくらいの時間はあったけど」と、セレナはシングルスからダブルスへの移行時間をこう言い、「でもアドレナリンがすごく高くなっていたから、あまりクールダウンしたくはなかったの」と続けた。

 一方、家族席でセレナのシングルス決勝を見ていたビーナスは、「セレナの試合は本当に素晴らしかった。すごく入れ込んで応援していたから、そのあと『今度は試合がある。勝つように努めなきゃ』というふうに自分に言い聞かせて、気持ちを切り替えなければならなかった」と言った。

 ビーナスはダブルスで優勝した直後のBBCのインタビューでは、「セレナは試合に一からエネルギーを持ち込み、私を高めてくれた」とも話している。

 ウイリアムズ姉妹は、2000、2002、2008、2009、2012年にもウィンブルドンで女子ダブルスに優勝し、そのつど2人のどちらかがシングルスでも優勝してきた。セレナは今年だけでなく、2002、2009、2012年にも2冠を果たしている。

 これで彼女たちのグランドスラム大会ダブルス決勝での戦績は14勝0敗となった。しかしここ最近は、2人はダブルスを稀にしかプレーしておらず、今回はシードがついていない。姉妹で獲ったこれ以前のグランドスラム・ダブルスのタイトルは、4年前のウィンブルドンでのものだ。2014年以降、今年5月の全仏オープンのダブルスでプレーするまで、2人はどのグランドスラム大会でもダブルスにはエントリーしていなかった。

 来月ブラジルで行われるリオジャネイロ五輪で、セレナとビーナスはシングルスだけでなく、ダブルスも予定している。2人は2000、2008、2012年の五輪のダブルスで優勝し、すでに3つの金メダルを獲得している。

 ダブルスをプレーするときはどちらがリーダーかと聞かれたセレナは、すぐにビーナスを指さし、「間違いなくボスは彼女よ」と笑いながら言った。それを受けてビーナスはこう返した。

 「そうね、私が姉だからそういうことになっているわね。でもコート上では、場合によって双方が(リーダー役を)引き継ぎ合っている。チームに必要なことは何であれ、自然に起こるのよ。それが最良のチームだわ」とビーナス。

 シングルス準々決勝でビーナスに敗れていたシュウェドワは、2010年のウインブルドンと全米オープンで、バニア・キング(アメリカ)とペアを組んで優勝したあと、今回3度目のグランドスラム優勝を目指していた。

 また、バボスはまだ一度もグランドスラムのダブルスで優勝したことがなく、初優勝は叶わなかった。彼女は2014年のウィンブルドンで、クリスティーナ・ムラデノビッチ(フランス)と組み、準優勝している。(C)AP