決勝ラウンドに入り、世界ナンバー1が存在感を示した。昨年のエビアン選手権でメジャー初優勝、今季メジャー初戦のANAインスピレーションでメジャー2連勝。先月のKPMG全米女子プロでメジャー3連勝こそ逃したものの2位。圧倒的な強さを見せるリディ…

決勝ラウンドに入り、世界ナンバー1が存在感を示した。昨年のエビアン選手権でメジャー初優勝、今季メジャー初戦のANAインスピレーションでメジャー2連勝。先月のKPMG全米女子プロでメジャー3連勝こそ逃したものの2位。圧倒的な強さを見せるリディア・コ(ニュージーランド)がスコアを二つ伸ばし、通算7アンダーの単独トップに立った。

米ツアー通算13勝のコ。3番でバーディが先行したが、9番でボギー。ハーフターン後は二つのバーディを奪い、手堅くスコアをまとめた。このまま逃げ切れば、同大会史上最年少優勝でメジャー3勝目。偉業達成まであとわずかだ。

日本勢の注目は上位争いに食い込んでいる野村敏京とリオ五輪出場権争いの真っただ中にいる渡邉彩香。野村はこの日、2バーディ、5ボギーでスコアを3つ落とし、通算2アンダーの8位タイに後退したが、依然トップテン圏内をキープ。首位とも5打差と、メジャー制覇の望みは消えていない。

一方の渡邉は、前日に続きスコアを一つ伸ばした。通算イーブンパーは20位タイまで上昇。五輪出場権争い2番手の大山志保、3番手の宮里美香がともに予選落ちしているため、自身の成績次第で出場権が動くことになる。計算上ではこのままの順位でギリギリ大山を抜くが、ほかの出場選手の動向次第で変動する可能性もあるため、最終日は自力で大きく順位を上げておきたい。

そのほかの日本人選手では、横峯さくらが通算3オーバー、44位タイ。原江里奈は8オーバー、66位タイ。また、コと1打差の通算6アンダー、2位タイにジ・ウンヒ(韓国)、パク・ソンヒョン(韓国)。ブリタニー・ラング(アメリカ)とエイミー・ヤン(韓国)が通算5アンダー、4位タイ。アンジェラ・スタンフォード(アメリカ)がさらに1打差の通算4アンダーで単独6位。通算3アンダーにダニエル・カン(アメリカ)。野村と同じ8位タイにアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)、ガビー・ロペス(メキシコ)らが続く

コに待ったをかけるのは誰なのか? そのままコの逃げ切りか? 野村の逆転はあるのか。リオ五輪の切符は誰の手に? 注目の最終日は大いに盛り上がりそうだ。

■渡邉彩香が連日のアンダーパーで
リオ五輪日本代表の座に近づく

リオ五輪の日本代表争いがいよいよクライマックスを迎える。1番手の野村は当確。2番手の大山、3番手の宮里が予選落ちとなったため、4番手で唯一決勝ラウンドに進んだ渡邉の成績次第となった。何位以上なら二人を抜くのかという試算を試みるが、他選手の成績によっても変動するため。はっきりとした答えが出ない。そんな中、渡邉はひたすらスコアを伸ばすことに集中している。「今週は初日から五輪というのを意識していますが、コースに入ってからは1ホールずつに集中しています」と、ここまでは結果を出している。泣いても笑っても残すは18ホールのみ。「あまり試合で順位の目標は立てていないので、今は設定していません。アンダーパーで終われるようにスコアにこだわっていきたいです」。最終決戦まであとわずかだ。

■首位と5打差の日本のエース
「まだまだチャンスはある」

スコアを3つ落とした野村敏京だが、まだまだ栄冠を諦めていない。「こういうコースでは4打差、5打差あってもわかりません」と野村の心の火は消えていない。首位は若きナンバー1のリディア・コだが、今年の野村にも勢いはある。初優勝時はそのコを振り切っての優勝。「風も強いですし、今の2アンダーをキープしてもトップ5には入れると思います。3つくらい伸ばせたらわかりませんね」。日本勢一番手の意地とプライドで、明日は逆転Ⅴを目指す。