*写真:ビクトリーマッチを制したチョンヨンシク(T.T彩たま)/ラリーズ編集部<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 11月20日(火)サイデン化学アリーナ>20日、卓球・Tリーグ男子のホームアウェイマッチがサイデン化学アリーナで開催され…

*写真:ビクトリーマッチを制したチョンヨンシク(T.T彩たま)/ラリーズ編集部

<Tプレミアリーグ2018/19シーズン 11月20日(火)サイデン化学アリーナ>

20日、卓球・Tリーグ男子のホームアウェイマッチがサイデン化学アリーナで開催され、T.T彩たまが岡山リベッツ(以下、岡山)を下し、初となるホーム戦で勝利を収めた。最終戦のビクトリーマッチでは彩たまのチョン・ヨンシクがイ・サンスとの韓国代表対決を制し、勝負を決めた。

会場は平日にも関わらず、1000人を超える幅広い年代の卓球ファンで観客席が埋まり、T.T彩たまのダンサーチーム「TERRA」によるクールなダンスパフォーマンスと応援のリードにより、会場は熱気と一体感に包まれた。

T.T彩たまvs岡山リベッツ各マッチの解説

1番:黄鎮廷/吉村真晴 2-1 上田仁/森薗政崇



黄鎮廷・左/吉村真晴(T.T彩たま)

第1ゲームはTリーグで無敗を誇る上田/森薗ペア(岡山)が順調な滑り出しを見せ、前半からリードを広げると最後は森薗の強烈なフォアストレートへの攻撃で岡山ペアが11-4で先取した。

第2ゲーム序盤、この試合で初めて組んだ黄/吉村ペアも除々に歯車が噛み合い出す。吉村が豪快なカウンター攻撃で得点すると、観客の応援にも力が入り、勢いづいた彩たまペアは5連続ポイントで一気に差を広げる。最後は吉村のフリックが決まり、彩たまが2ゲーム目を取り返した。

実は、彩たまペアは、この2ゲーム目から、レシーブの方針を大きく変えていた。得点力も高いがミスも出やすいリスキーなチキータレシーブを極力減らし、安定したストップレシーブに切り替えることで自滅による失点を減らした。この戦術転換が試合の流れを変える。

Tリーグ特別ルールで6-6から始まった第3ゲーム。黄があえて緩いボールを送り森薗の強打を封じるテクニックを見せ、彩たまが8-7とリードすると岡山はたまらずタイムアウトを取る。岡山も上田のフットワークを活かしたフォアハンドなどで9-9の同点へ持ち込むも、最後は黄が世界ランク8位の実力を見せつけ、強烈なカウンターで連続ポイント。ホーム初戦をゲームカウント2-1の勝利で飾った。

2番:チョンヨンシク 3-2 吉村和弘

背番号20番のパワーヒッター同士となったこの対戦。第1ゲームは吉村のペースとなった。吉村は、チョンヨンシク得意のバックハンド連打を交わすと、安定性の高い台上テクニックからのフォアハンド攻撃のコンビネーションを要所で決める。最後は回転量の多いサーブで決め、1ゲームを先取した。

第2ゲームでは、チョンヨンシクが終始得意のバックハンド攻撃で得点を重ね吉村を追い詰める。粘る吉村に対し、最後もチョンヨンシクがバックハンドでのカウンター攻撃を決め、第2ゲームを取り返す。

1-1となった第3ゲームでは、吉村が序盤から積極的に攻撃を仕掛け、バックハンドの強打で相手を翻弄する。一方のチョンヨンシクも負けじと食らいつき、得意のバックハンドに加え、巧みな台上技術を駆使し、先にゲームポイントを握る。しかし、その後6-10から吉村が粘り強さを見せ6点連取し、第3ゲームを逆転で奪取した。

続く第4ゲームでは、両者一点も譲らず、積極的にフォアで攻撃する吉村と、それをバックハンドで対処チョンヨンシク。吉村がチョンヨンシクの硬いバックブロックを破り得点を重ねるシーンが多く見られる。しかしバックハンド同士のラリーではチョンヨンシクが吉村を上回り、11-7とこのゲームを制す。で最終ゲームへと持ち込んだ。

ダブルスに続き6-6からのスタートとなった最終ゲームは、お互い一歩も譲らぬシーソーゲームに。9-8でチョンヨンシクが1点リードしたところで岡山がすかさずタイムアウトを取る。ホーム戦ならではの観客からの熱い応援を背にチョンヨンシクがサーブからの3球目を決め、セットカウント3-2でこのゲームを制した。

T.T彩たまは黄/吉村ペアの逆転勝利と、チョンヨンシクの粘り強い勝利で、ホーム戦初勝利に王手をかけた。

3番:平野友樹 0-3 李尚洙



李尚洙(岡山リベッツ)

前節の木下マイスター東京戦で松平健太を破った実績と、ファイティングスピリッツあふれるプレーが買われ、連続出場となった平野友樹。台上ドライブで順調な滑り出しを見せ、9-8と岡山のエースのイ・サンスをリードする。この追い込まれた場面から、イ・サンスは回転の効いたツッツキで平野のミスを誘い、3本を連取し、11-9で第1ゲームを先取した。

第2ゲームは強烈なバックハンドで絶妙なコースを攻める、イ・サンス。平野の速攻スマッシュも確実に止める。一方ここで諦めない平野。ラリー戦を確実に制し、カウンターでイ・サンスのドライブを封じる。しかし、より粘り強差を見せたのはイ・サンス。最後は回転量の多いドライブで得点を重ね、2ゲーム目も11-9の接戦を制した。

続く第3ゲームでは、両者台から離れてのロングラリーが展開される。試合の流れを左右するこのラリーを制したイ・サンスは、5-5から怒涛の6本連取を見せ、平野に勝利し、岡山リベッツのエースとして意地を見せた。

4番:黄鎮廷 2-3 上田仁



上田仁(岡山リベッツ)

第1ゲームは黄が安定したバックハンドドライブを見せ、上田からリードを奪う。一方の上田も負けじとフットワークを活かした粘り強いプレーで9-9の同点に追いつくが、黄もミスの少ない冷静なプレーで11-9と第1ゲームを先取した。

第2ゲームも流れは黄に傾く。上田の積極的なドライブ攻撃を確実に止める黄。さらに巧みな台上処理、回転サーブで上田のミスを誘う。流れを変えたい岡山ベンチは8-6となったところで、早めにタイムアウトを取る。このタイムアウトが功を奏し、デュースまで持ち込むが、黄の勢いは止まらず、12-10で黄がゲームカウント2-0とした。

第3ゲームは後がなくなった上田が開き直り、序盤から積極的に攻めていく。台上でのコンパクトなスイングのバックドライブで得点を積み重ねる。食らいつく黄に対し、上田が攻撃を封じ込み、第3ゲームを取り返した。

第4ゲーム、勢いにのった上田は厳しいコースへの攻撃を確実に決めていく。ロングラリーも制した上田に思わず会場も拍手。ここで粘りを見せたい黄も、積極的にドライブ攻撃を仕掛けるも、上田が流れを終始キープし、第4ゲームを取る。最終ゲームへともつれ込んだ。

この日3度目の6-6スタートとなった第5ゲームは、上田の強烈なチキータを連発し、4連続ポイントでスタートダッシュすると。見事逆転勝利。岡山リベッツのキャプテンとして、勝負強さをみせた。

5番:チョンヨンシク 1-0 李尚洙(イ・サンス)

国際大会ではダブルスのペアを組むこの二人。お互いに手の打ちがわかっている注目の一戦だったが、チョンヨンシクが順調な滑り出しを見せる。確実な台上プレーでリードをキープ。地元T.T彩たまの応援にもより一層力が入る。一方5-3で流れを変えたい岡山はタイムアウトを取るも、チョンヨンシクの勢いは止まらない。最後は得意のバックハンドでイ・サンスの攻撃を封じ、T.T彩たまがホーム戦初試合を勝利で飾った。

11/20Tリーグ T.T彩たま vs 岡山リベッツ

◯黄鎮廷/吉村真晴 2-1 上田仁/森薗政崇
4-11/11-7/11-9

◯チョンヨンシク 3-2 吉村和弘
8-11/11-6/10-12/11-7/11-8

平野友樹 0-3 ◯李尚洙
9-11/9-11/5-11

黄鎮廷 2-3 ◯上田仁
11-9/12-10/9-11/8-11/7-11

◯チョンヨンシク 1-0 李 尚洙
11-3 

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文・ラリーズ編集部