日本学生氷上選手権(インカレ)の予選となる東日本学生選手権。東大和スケートセンターで2日間にわたり開催され、早大からは10日女子6級に佐々木風珠(政経1=東京・早実)、11日女子4級に安藤美裕(教3=東京・早実)、3級に谷川栞理(人2=岡…

 日本学生氷上選手権(インカレ)の予選となる東日本学生選手権。東大和スケートセンターで2日間にわたり開催され、早大からは10日女子6級に佐々木風珠(政経1=東京・早実)、11日女子4級に安藤美裕(教3=東京・早実)、3級に谷川栞理(人2=岡山一宮)、安井ゆり主将(政経4=東京・豊島岡女学園)の3選手が出場。それぞれの選手が実力を存分に発揮した。

★佐々木、豊かな表現でプログラムをダイナミックに魅せる

 大会初日女子6級最終グループ。ワセダの仲間たちの声援に送り出され登場したのはシンクロナイズドスケートでも活躍する佐々木。6分間練習では、腰の痛みが再発し、気にする様子が見られたが、リンクに再び登場した佐々木はそれを感じさせない演技を披露した。ジャンプは、ダブルフリップが途中で開いてしまう場面や、回転不足は見られたものの、1つも転倒することなくまとめ上げる。演技後半でみせる情緒的なイーグルが印象的なこのプログラム。表現面では、高身長を生かしたダイナミックなスケーティングに加え、持ち前の豊かな表現力でドラマチックにレミゼラブルの音楽を体現した。今大会ではインカレ出場を決めることはできなかったが、来年、さらに成長した佐々木の姿に期待したい。


ダイナミックに表現する佐々木

(記事 尾崎彩、写真 糸賀日向子)

★満足のいく演技を見せた安藤

 女子4級に出場した安藤。冒頭のダブルトゥループを華麗に着氷させ流れにのると、ジャンプを次々と成功させる。「キックアウトされないのを目標としてきた」というスピンではわずかにミスが見られたものの納得のいく出来を披露。両腕を大きく使った表現で見る者を魅了すると、1つ1つの音を丁寧に拾いながら最後まで優雅に滑りきった。得点は前大会より5点以上高い31.95。試合後に「今までの中で一番良かった」と語ったその表情は充実した笑顔に溢れていた。


躍動感あふれる安藤

(記事 望月清香、写真 糸賀日向子)

★谷川、女子3級1位に咲く

「新しいジャンプをやってみたかった」という3級の谷川は演技冒頭に基礎点の高いダブルサルコウーシングルアクセルの連続ジャンプを予定。見事に成功させた。続くジャンプでは回転不足やエッジエラーがあったもののなんとか着氷。基礎点が1.1倍になる後半には加点のつくジャンプを披露し、得点を伸ばした。また、ジャンプだけでなくスピンやステップで魅せられるのも谷川の大きな武器だ。演技中盤のレイバックスピンは今大会の3級出場者の中でトップのレベル3。スピン後半にビールマンポジションに移行するなどの工夫が見られた。軽快な音楽にのせて表情豊かに滑ったステップは見る者が自然と笑顔になるような生き生きとしたものだった。1位という最高の形で今大会を終えた谷川。今後の活躍にますます目が離せない。

(記事 望月清香、写真 尾崎彩)

★安井、念願の3級で出場

 3級に出場した安井は「緊張していることに気づかないほど緊張していた」という。しかし、演技開始後はしっとりとした音楽にのせ、落ち着いた滑りを披露。冒頭のシングルアクセルは「今までで一番綺麗に降りれた」と本人も納得の出来だった。続く連続ジャンプも見事着氷。3級を取得したのがわずか1ヶ月前のため、十分に滑り込めていない中で迎えた今大会であったが、大きなミスなくプログラム全体をまとめ上げた。試合後に「悔いはない」と語ったその表情には確かな手応えが伺えた。


印象的な青をまとって演技する安井

(記事 望月清香、写真 尾崎彩)

 4選手それぞれが自身の持ち味を生かしたプログラムを披露し、納得のいく形で終えることができた今大会。それぞれ今後もますますの活躍が期待される。谷川は来年1月に開催される日本学生氷上競技選手権(インカレ)に出場が決まり、その演技に期待がかかる。

結果

▽女子6級

佐々木風珠 30位 47.23点

▽女子4級

安藤美裕 11位 31.95点

▽女子3級

谷川栞理 1位 41.58点

安井ゆり 21位 23.46点

コメント

佐々木風珠(政経1=東京・早実)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

転びはしなかったので頑張れたかなと思います。回転は足りないと思うのですが締めれたので自分的には良かったです。

――どのような意気込みで臨まれましたか。

6級は人数が多いのでインカレは厳しいと思ったので、自分の演技をすることを心がけました。

――6分間練習で何度か腰を触る場面が見られたのですが

そうですね、前回もだったのですが腰を痛めてしまって、試合前に練習してるときに再発してしまったので痛かったのですが、試合中は全く痛みはなかったので大丈夫でした。

――ジャンプ、今回すべて着氷されたのですがどのように練習されてきましたか

6級に合わせてダブルアクセル中心に練習していました。あとはフリップやルッツが苦手で今日もフリップが途中で開いてしまったのですが、降りれればいいという気持ちで滑ってました。

――今日一番よかった点は何ですか

ジャンプを転ばなかったこととスピンです。コンビネーションスピンがうまくいったと思います。

――この演技で一番のお気に入りは?

サルコウ・トーの前のイーグルです。最後疲れてるのですがそこを表現するのは頑張りました。

――今後の目標を教えてください

今年はインカレ厳しいと思うので、来年はしっかりインカレに出られるように、東インカレまでに体調やコンディションを整えて、しっかり練習して調整して、いい演技をしてインカレ出れるように頑張ります。

安藤美裕(教3=東京・早実)

――今日の演技を振り返っていかがでしたか

今日のこのプログラムが練習していた中でも1番うまくできたと思っていて、スピンのキックアウトはあったのですがそれ以外はできたかなと思います。公式練習ではほんとに何も跳べていなくて、まさかここまでうまくいくとは自分でも思っていなくて、みなさんの応援席からの応援があったからかなと思います。

――今日1番良かった点は。

このプログラムの波に乗るか乗らないかは最初のダブルトーループにかかっているので、それが降りれたことが1番大きいと思います。

――ジャンプはどのように練習せてこられましたか。

調子に波があるのですが、毎日練習を重ねて自分の跳びやすいタイミングや手の持っていきかたを考えながらやってきました。

――春と比べていかがでしたか。

春は自分史上最悪で、練習内容が悪かったことや詰められていなかったことなどが原因でした。今回は出場できる枠が少ないのでインカレに出れるかわからないのですが、このプログラム最後になるかもしれないので出し切れるように練習してきました。

――今後に向けて一言お願いします。

とりあえずこの結果がいい方に出ることを祈るばかりです。個人的には満足しています。

谷川栞理(人2=岡山一宮)

――今日の演技を振り返っていかがですか。

全体的にはよかったのですが最後のシーンが回転が足りなくておそらくノーカウントなのでそこが悔しいです。

――今日1番良かったのは何ですか。

まず最初のダブルサルコーシングルアクセルがきちんと入ったこととその流れでダブルフリップきちんと降りれたことです。

――ジャンプ、春から強化してきたことはありますか

いつもとは違うジャンプを入れようと思って、ダブルサルコーシングルアクセルを練習しました。

――その成果が出た?

はい。詳細はまだ分かりませんが、降りれただけで嬉しいです。

――春に比べて成長した部分は?

春はスピンの回転不足が多かったですが、今回は気をつけて回ることができました。

――今後に向けて一言お願いします。

まだインカレに出れるか分からないのですが、これからのジャンプの構成をもっとレベルの高いものにして、スピンのノーバリューをなくすことができたらいいなと思います。

安井ゆり主将(政経4=東京・豊島岡女学園)

――今日の試合を振り返っていかがですか

公式練習では自分で緊張してることに気づかないくらい緊張していて、でもそこで緊張していることに気づけて、本番ではそこに気をつけられました。本番の演技については部分部分を見るともっといい演技をしていたことはあったと思うのですが、全体としては1番まとまった演技ができて、最初で最後の東インカレが悔いのない気持ちいい感情出終われて良かったです。

――今回3級として迎えた東インカレでしたがどうでしたか。

このプログラムをつくってから1ヶ月ないくらいで出場しないといけなくて、滑り込めてないし、もともとそんなに上手いわけではないので自分がどういう演技をするかっていうのはすごい考えてて、3級とったときに、3級に恥じないようにもっとうまくなって、ここがスタート地点だよって言われて、さらにモチベーションが上がって頑張ったかなと思います。

――春と比べて1番成長したことは?

どんどん難易度が上がっていったり、コンディションが悪い中でも、自分の中で満足いく演技ができるようになったことです。

――今日の演技で1番褒めてあげたい点は?

最初のアクセルですかね。今までで1番良かったと思います。

――今後に向けて一言お願いします。

引退まで3ヶ月切っているのですが、引退前に急にできるようになったりすることもあるので、目標やゴールをきちんときめて、それをできるようになりたいです。