地元北海道では全道大会と呼ばれる、第40回北海道高等学校秋季テニス大会 兼 第41回全国選抜高校テニス大会北海道地区大会が、北海道胆振東部地震の震源地に程近い、苫小牧市緑ケ丘公園庭球場(砂入り人工芝コート20面)を会場に、10月9日の開会式…

地元北海道では全道大会と呼ばれる、第40回北海道高等学校秋季テニス大会 兼 第41回全国選抜高校テニス大会北海道地区大会が、北海道胆振東部地震の震源地に程近い、苫小牧市緑ケ丘公園庭球場(砂入り人工芝コート20面)を会場に、10月9日の開会式から12日までの4日間、開催された。

大会期間中も余震と思われる体に感じる揺れがある中、熱くそして溌溂としたプレーが繰り広げられた。

球威が吸収されるのでラリーが続き易いサーフェス。

長い試合が多くなるとの見方が、1日目の試合から証明される展開となり、予想通り、選抜大会予選ならではのチーム総力戦となった。

 男子は、2シード・4シードがQFで敗れる混戦となり、どの対戦も最後までもつれる戦いとなった。

SFの一方は、インターハイ出場の札幌藻岩を破った札幌南と昨年度全国選抜出場の札幌西を破って上がった立命館慶祥の戦い。

立命館のエース藤川がつけた流れをダブルス2つが受け継ぎ、3-1で決勝進出を決める。

もう一方では、シード校を破り勢いに乗る北海道科学大と、札幌支部予選優勝の力をここでも十分発揮して勝ち上がる札幌開成中等の対戦。開成中等はS1を落としD2もビハインドの中、D1・S2・S3を取り決勝進出を決めた。

 決勝は開成中等と立命館の対戦。S1対決は立命館が力で押し切り6-1。しかし、S2・S3は開成中等が取り、並行して行われているダブルス2つの行方に注目が集まる。D1・D2どちらも一進一退の戦い。

途中までリードを許していた立命館。しかし、終盤精度の高いプレー、思い切りのいいプレーが決まり、逆転逃げ切りを果たし、北海道初制覇を達成した。

 女子はシード4校が勝ち上がる順当な戦いに。絶対エース照井を擁する札幌啓成は、必死に食い下がる立命館慶祥を力で振り切り3-0で決勝へ。

3年ぶり全国出場を目指す北星学園女子は、札幌西を相手にS2・S3を落とすも、エース澤田がチームを引っ張り3-2で決勝へ勝ち上がった。

 札幌啓成と北星女子の決勝戦。北星女子はここまでS1で勝ち進んできた澤田をダブルスに起用するというオーダーでダブルス2つを取るが、啓成の照井・松山・濱野の3本柱を崩すことはできなかった。札幌啓成は高校総体予選に続き、選抜予選北海道初制覇を果たした。

力を持つ選手が分散し、どのチームも戦力を揃えることに苦労、オーダーを工夫して戦い抜いてきた印象が残った。

それは、団体戦は総力戦となる試合が多かったこと、個人戦は全ての種目において同一校の入賞が無かったことに表れた。

そんな中、安定感を持った選手・攻め機を逃さない選手を擁するチームが団体戦を制した大会であったといえる。

また、昨年度1年生で個人戦シングルスを制した札幌啓成 照井が、インターハイベスト8の実力を発揮。決勝で爆発的な力を見せ、連覇を達成。

全国で再び活躍してくれることを期待してしまう。

全国高等学校体育連盟 テニス専門部

長永 勝利 常任委員

※写真は全国選抜高校テニス大会北海道地区大会の様子(©全国選抜高校テニス大会実行委員会)