早田ひな、伊藤美誠 写真:アフロ

 2018ITTFワールドツアーの最終戦、プラチナ大会の「オーストリアオープン」が11月11日、男女シングルスおよびダブルスの決勝を行い、日本の森薗政崇(FPC)/大島祐哉(木下グループ)ペア、早田ひな(日本生命/希望が丘高校)/伊藤美誠(スターツSC)ペアが男女ダブルスでアベック優勝を果たした。



 この結果を受け、来月、韓国・仁川で開催されるシーズン締めくくりのグランドファイナル(12月13~16日)に両ペアの出場が確定。特にオーストリアオープンの優勝で今シーズン3勝目となった早田/伊藤の「みまひな」ペアは今季の獲得ポイントが1050ポイントに達し、938ポイント獲得の陳幸同/孫穎莎(ともに中国)ペアを抑えて女子ダブルス世界ランク1位に立っている。

 オーストリアオープンでもこの2強による決勝となった。当然のことながら接戦が予想されたが、蓋を開けてみれば第1ゲームから伊藤が変化のあるボールでチャンスを作り、早田が武器であるパワードライブでポイントするパターンが炸裂。また、伊藤の得意なサーブが随所で決まって主導権を握った早田/伊藤ペアが続く第2、3ゲームも制し、終わってみればまさかのストレート勝ち(11-6/11-7/11-8)で勝負がついた。

 東京2020五輪を見据えた場合、ダブルスで中国を退けた意義は大きいと言えるだろう。東京2020五輪の団体戦では1試合目にダブルスが行われるため、日本女子代表チームの馬場美香監督も常々、試合の流れを作るダブルスの重要性を口にしている。



 東京2020五輪の代表選考基準については日本卓球協会が今年9月、シングルスの候補選手は「2020年1月発表の世界ランキング日本人上位2名をJOCに推薦する」とし、団体戦のダブルス候補選手については「(シングルスの)代表候補選手とダブルスが組め、団体戦でシングルス及びダブルスにて活躍が期待できる選手1名を強化本部が決定し理事会に報告及びJOCに推薦する」と発表しているが、今シーズンのみまひなダブルスの実績は2019年シーズンから激化する代表争いに影響してきそうだ。

 ちなみに女子シングルスの最新世界ランクは石川佳純(全農)が3位で日本人トップ。これに7位の伊藤、9位の平野美宇(日本生命)が続き、早田は30位と上位3人に大きく水をあけられている。

(文=高樹ミナ)