万全でなくても抑えるのがエースだ。楽天・則本昂大投手が8日、ソフトバンク戦に先発し、8回2失点の好投でリーグトップタイの9勝目。「野手の皆さんに感謝したい」と、お立ち台でファンの歓声を浴びた。■リーグトップタイ9勝目、すべての回で走者を許す…

万全でなくても抑えるのがエースだ。楽天・則本昂大投手が8日、ソフトバンク戦に先発し、8回2失点の好投でリーグトップタイの9勝目。「野手の皆さんに感謝したい」と、お立ち台でファンの歓声を浴びた。

■リーグトップタイ9勝目、すべての回で走者を許すも粘りの投球

 万全でなくても抑えるのがエースだ。楽天・則本昂大投手が8日、ソフトバンク戦に先発し、8回2失点の好投でリーグトップタイの9勝目。「野手の皆さんに感謝したい」と、お立ち台でファンの歓声を浴びた。

 3者凡退は2回のみ。それ以外は全ての回で走者を許す展開。だが、随所に粘りの投球を見せた。

 6回1死一、三塁、中村晃に対して0ストライク3ボール。併殺打が簡単に取れる相手ではない。しかも三塁に走者がいることで、捕球の難易度が高いフォークボールは投げづらい。だが、歩かせて満塁策を取り、鶴岡と勝負という選択肢は選ばなかった。フルカウントから投じたのは、決め球でもある渾身のフォークボール。二塁手の正面で併殺打という最高の結果に終わった。

 最終回は守護神の松井裕にマウンドを託したが、勝ち越し点が入るまではベンチ横でキャッチボール。8回で121球を投じていたものの、同点の場面なら9回も、と責任感を最後まで貫いた。

■「技術が凄い選手」と意識する長谷川からは3奪三振

 そんな気迫のエースを打線も援護。同点の9回1死二塁、5番の銀次が中堅へ勝ち越しの適時打。4回無死一塁、犠打を試みるも痛恨のゲッツーに終わってていたが、その汚名を晴らすかのような一撃が決勝点となった。

 既に前半戦の首位ターンを決めている常勝軍団のソフトバンク。その強力打線の中でも、則本が特に意識する打者が長谷川だ。「対戦していて楽しい。個人と個人の対戦をしている雰囲気になる。技術が凄い選手です」。その警戒する相手にこの日は4打数無安打3奪三振。6回無死一塁から奪った空振り三振も、結果的にその回を無失点に封じる大きなアウトとなった。

 すでにAクラスの3チームとは10ゲーム差以上離される苦しいペナントレース。だが、後半戦の巻き返しに一つ一つ白星を狙う姿勢はどんな状況でも変わらない。「今日勝って、いい感じで明日に臨めると思う」。エースが価値ある1勝のバトンを、次へつなげた。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

「パ・リーグ インサイト」編集部●文