猫好きな方はご存知かもしれませんが、日本にはいくつもの“猫島”が存在します。今回はその1つとして知られる、香川県の「男…

 猫好きな方はご存知かもしれませんが、日本にはいくつもの“猫島”が存在します。今回はその1つとして知られる、香川県の「男木島(おぎじま)」を訪れました。男木島では、以前に島内すべての猫を対象として不妊手術を実施。しかし、現在も多くの猫が島民と共存しています。走りながら、たまに猫と戯れて癒される。そんな島ランに興味のある方は、ぜひご覧ください。

男木島灯台から山の中へ

 男木島は高松港からフェリーで約40km。港にある芸術的な建物は、待合所を兼ねた「男木交流館」です。瀬戸内では3年に1度「瀬戸内国際芸術祭」が開催されており、ここ男木島も開催地の1つ。そのため、島内には開催年以外でも、アーティスティックなスポットが点在しています。

 走る準備を整えて、ふと周りを見ると、道のど真ん中で休んでいる猫を発見! これは幸先のいいスタートです。きっと走っている間にも、たくさんの猫と出会えることでしょう。期待に胸を躍らせつつ、まずは男木島灯台を目指して走り始めます。

 集落を抜けて灯台へ向かいますが、いきなりビックリするような坂道です。走り慣れていない方は、早くも歩いてしまうかもしれません。先は長いので、無理せず進みましょう。

 ほどなくしてひと気のない場所へ。道は整備されていますが、森の中を走っているような感覚です。大自然を満喫しながら走っていると、途中で何人か観光客らしき方々とすれ違いました。おそらく、これから目指す灯台へ歩いて行ってきたのでしょう。

 港から約2kmで到着するのが、こちらの男木島灯台。歴史を感じさせる佇まいです。後ろには海が広がり、近くにはバーベキューやキャンプファイヤーのできる設備もありました。

山へと続く道が……

 多くの観光客は灯台から折り返して戻るようですが、なにやら山へと続く道がありました。

 この道を進むと、自然の作り出したスポット「ジイの穴」「タンク岩」などがあります。ちなみに「ジイの穴」は、桃太郎に退治された鬼が逃げ込んだ場所なのだとか。お時間のある方は、せっかくなので走りがてら立ち寄ってみてください。

 山道には階段も設けられており、しっかり整備されているので走りやすいでしょう。ただし階段は木なので、雨の後など濡れている際は滑らないよう注意してください。また、たまに歩いて回っている観光客がいるので、譲り合って通りましょう。

 たまには振り返ってみるのもいいですね。思いがけず絶景に出会えるかもしれません。どこまでも広がる海を眺めていると、疲れなんて一気に吹き飛んでしまいます。

 ちなみに、「ジイの穴」はこちら。まさに岩穴といった雰囲気で、中は大きな空洞になっています。

 たしかに、これなら鬼も入れるかもしれません。中に入ることは可能ですが、足場が悪いので転倒などに気をつけてください。

 山道は、やがて最初に灯台へ向けて走った道と繋がります。あとは道を戻って港へ。ここまでは周辺に人が住んでいないため、猫には出会えませんでした。やはり、猫たちは集落にいるのでしょう。

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猫たちが多く住む、港周辺の集落を散策

 港に戻ってから、集落を散策してみることにしました。集落内は細い道が枝分かれしているので、迷わないように注意しましょう。しかも、かなり急な坂道ばかりです。

 間を置かず猫に出会えました。「観光スポットより猫だ!」という方は、集落周辺をぐるぐる走るのもよいでしょう。アップダウンが激しいので、それでも十分な運動になります。

 漁港で休む猫。どことなく哀愁が漂っています。島内の猫たちは人馴れしているので、近づいても逃げません。むしろ手を差し伸べると、すり寄ってくる猫すらいました。まさに至福の時間ですね。

 もう、人に対してどれだけ心を許しているのだろう……というポーズ。なんなら、「写真を撮れ」と言われているような気さえします。

 ただし男木島では、猫に餌を与えることを禁止しています。ちゃんとルールを守り、戯れるだけに留めましょう。また、猫を追いかけるあまり個人宅の敷地内などへ入る人がいるようですが、これも迷惑行為ですので注意しましょう。

神社やアートも見どころポイント

 ちなみに集落付近にも、ぜひ見ておきたいスポットが満載です。豊玉姫神社や加茂神社、路地に施された壁画など。

 写真は漁港付近にあるアート作品『歩く方舟』です。本物の足と比べてどうでしょうか。なんだか、今にも動き出しそうな雰囲気を醸し出していました。

 走れば1時間ほどで周ることができる男木島は、はじめての島ランにもオススメ。豊かな自然、そしてかわいい猫たちが迎えてくれて、非日常的な時間が過ごせます。体力に余裕のある方は、お隣の「女木島」とセットで走ってみるのもよいでしょう。香川県を訪れた際には、男木島で島ランを楽しんでみてください。

関連記事:桃太郎伝説の鬼ヶ島をトレイルラン。香川県「女木島」を巡る│島ランへGO #6

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>