雨が降ったり止んだりと曖昧な天候の中、関東大学対抗戦第5戦が東京・秩父宮ラグビー場で行われた。ここまで4戦無敗である明大の今回の相手は、昨年わずか2点差で惜敗した宿敵慶大。前半、敵陣に攻めることができていたものの、22メートルラインからゴ…

 雨が降ったり止んだりと曖昧な天候の中、関東大学対抗戦第5戦が東京・秩父宮ラグビー場で行われた。ここまで4戦無敗である明大の今回の相手は、昨年わずか2点差で惜敗した宿敵慶大。前半、敵陣に攻めることができていたものの、22メートルラインからゴールラインの間でのフェーズの場面でノックオンやパスミスをしてしまいインゴールまでなかなかたどり着けない。また、慶大のグラウンドを広く使った攻撃がトライを着実に獲得して12-19で終える。後半12得点を獲得したが、最後に得点を許してしまい、24-28で惜敗を喫した。

 明大ボールで前半が始まった。先に主導権を握ったのは慶大。7分ラインアウトの明大のスローイングのミスからボールを獲得され、そのままグラウンディング。先制点を奪われてしまう。しかしここで明大はスクラムの強さを見せる。圧巻の3連続ターンオーバー。そこからボール保持すると、15分プロップ安昌豪が密集からボールをインゴールにねじ込む。しかし、コンバージョンキックを失敗してしまい追いつくことができない。そしてすぐさま反撃され20分失トライし、さらに点差を広げられてしまった。ところが、31分CTB森勇登の空いたスペースへの巧みなキックをFB山沢京平がインゴールで押さえ、得点。攻撃の流れが生まれる。このまま流れに乗っていきたい明大。だが、敵陣へ攻めこんでもノックオンなど多くのミスをしてしまい、得点に繋げることができない。38分には明大の反則によってボールを失い、トライを献上。12-19で前半を終える。


安のトライが起点となった

 なんとしても逆転したい後半。互いが互いの攻撃に耐え、決定的場面をつくることができず、長い均衡状態が続く。しかし、20分SH福田健太が持ち出してサインプレー。WTB髙橋汰地が抜け出し独走トライ。均衡を破った。さらに、28分敵陣での連続攻撃の中で髙橋がゲインして山沢にパス。外から山沢がインゴールに飛び込む。ついに逆転に成功した。しかし、コンバージョンキックをまたも失敗してしまい点差を広げることはできなかった。前半に比べてミスも減り、相手の攻撃にも対応できてきたが、36分明大のラックアンプレアブルの反則からゴールライン5メートル手前で慶大ボールのスクラムとなる。今まで強さを見せてきたスクラムだったが、相手FWの攻撃にSO射場大輔が必死に食らいつくも押しきられ、痛恨の失トライ。最後の最後でひっくり返されてしまい、24-28で試合を終えた。


2トライの活躍を見せた山沢

 またしてもわずかな点差で慶大に敗れてしまった。しかしながら、トライ数自体は互いに4トライと等しい。つまり、この4点差はコンバージョンキックの成否でついてしまった。明大は2回失敗している一方、慶大は全て成功した。この失敗が最終的に結果に大きく響いてしまったのである。今回昨年の対抗戦のリベンジを果たすことは叶わなかった。明大はこれで初黒星。早大と慶大に並ぶ状況である。上位でいるためにはこれからの帝京大戦、早大戦ともに負けることは許されない。今試合の課題をしっかり修正し、次の王者帝京大との大勝負へ臨みたい。

(記事 北崎麗、写真 石名遥)

関東大学対抗戦
明大スコア慶大
前半後半得点前半後半
121221
24合計28
【得点】▽トライ 山沢2、安、髙橋 ▽ゴール 忽那(2G)
※得点者は明大のみ記載

 

関東大学対抗戦Aグループ星取表
 帝京大明大慶大早大筑波大日体大青学大成蹊大
帝京大11/18 14:00秩父宮〇24-19〇45-2812/1 14:00熊谷〇90-7〇141-7〇113-7
明大11/18 14:00秩父宮●24-2812/2 14:00秩父宮〇66-21〇31-17〇88-0〇110-0
慶大●19‐24〇28-2411/23 14:00秩父宮〇35-24〇84-1712/1 11:30熊谷〇68-14
早大●28-4512/2 14:00秩父宮11/23 14:00秩父宮〇55-10〇68-10〇123-0〇99-5
筑波大12/1 14:00熊谷●21-66●24-35●10-5511/18 14:00敷島○73-31○101-0日体大●7-90●17-31●17-84●10-6811/18 14:00敷島●23-2612/2 14:00熊谷B
青学大●7-141●0-8812/1 11:30熊谷●0-123●31-73○26-2311/18 11:30敷島
成蹊大●7-113●0-110●14-68●5-99●0-10112/2 14:00熊谷B11/18 11:30敷島
※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、足利は足利市総合運動公園陸上競技場、江戸川は江戸川区陸上競技場、秋葉台は秋葉台公園球技場、明大Gは明大八幡山グラウンド、慶大Gは慶大日吉グラウンド、三郷はセナリオハウスフィールド三郷(三郷市陸上競技場)、筑波大Gは筑波大つくばグラウンド、敷島は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場、味スタ西は味の素スタジアム西競技場、上柚木は上柚木公園陸上競技場。
 
関東大学対抗戦Aグループ順位表(11月4日現在)
順位チーム試合得点失点得失トライ
帝京大4136834557
早大3737030356
明大3196625348
慶大23410313134
筑波大2291874234
青学大64446-38210
日体大74299-22510
成蹊大26491-4654
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。