あと1kmでシード権がこぼれ落ちた。学生三大駅伝の第2戦である全日本大学駅伝。明大は2区阿部弘輝(政経3=学校法人石川)の区間2位の力走もあり健闘。3年ぶりのシード権は目前だったが、残り1km地点で城西大にかわされ、シード権が与えられる8…

 あと1kmでシード権がこぼれ落ちた。学生三大駅伝の第2戦である全日本大学駅伝。明大は2区阿部弘輝(政経3=学校法人石川)の区間2位の力走もあり健闘。3年ぶりのシード権は目前だったが、残り1km地点で城西大にかわされ、シード権が与えられる8位とは8秒差の9位に終わった。 

◆11・4 第50回全日本大学駅伝対校選手権(熱田神宮西門前~伊勢神宮内宮宇治橋前)

9位 明大 5時間20分37秒

 一人あたり1秒足りなかった。1区鈴木聖人(政経1=水城)から14位で襷を受けた阿部は一つ前を行く順大をすぐに捉えると、その後も次々と走者をかわし、怒濤(どとう)の8人抜き。区間2位の快走を見せた。「区間賞を取れなかったのは悔しい」(阿部)と満足することはなかったが、エースとして申し分のない活躍を見せた。阿部の好走で流れをつかんだチームはその後も大きく順位を落とすことなくつなぎ、襷はアンカー・8区佐々木大輔(営3=八千代松陰)へ。佐々木は並走する法大との7位争いを繰り広げていたが、ペースが上がらない。徐々に9位・金子元気(城西大)の足音が近づいてくる。ついに残り1kmで逆転を許すと「(法大との)勝負にこだわり過ぎた」佐々木に余力はなく、城西大とはわずか8秒差の9位に終わった。

 とはいえ、三大駅伝の1桁順位は2015年の全日本以来3年ぶりと、復活への足掛かりにはなった。「出だしで前の方につけられたのはよかった」(山本佑樹駅伝監督)と前半で流れをつくれば戦えることが分かったことも収穫だ。「前の順位で勝負できる感触はつかめた」(阿部)。今年の箱根は紫紺の襷がかき回す。

[加藤真人]

※レース後のコメントは、後日「一走懸命」にて掲載いたします。