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順位決定戦
早 大
法 大
(早)○柴田、今西-岩本

 Bブロックで立大、東大を制し、良い流れで迎えた東京六大学秋季フレッシュトーナメントの順位決定戦。ブロック1位通過を果たした早大は、東京六大学秋季リーグ戦において実に12季ぶりの優勝を遂げた法大と対戦。双方の意地がぶつかり合う、息詰まる投手戦となった。投手陣は、先発・柴田迅(社2=東京・早大学院)が7回零封と好投。柴田の後を受けた今西拓弥(スポ2=広島・広陵)も残りの2回を無失点でしのぐ貫禄の投球を見せ、法大打線を無失点に封じ込めた。打線は3回に岩本久重(スポ1=大阪桐蔭)の内野安打をきっかけに得点機を演出。ここで9番・村田大誠(文構2=福井・高志)が右前適時打を放ち貴重な先制点を挙げた。その後は法大先発・鈴木昭汰(2年)を打ちあぐねたが、その先制点が決勝点となり勝利。3季ぶり30度目の新人戦での優勝を決めた。

 優勝が懸かる大事なマウンドを託されたのは、リーグ戦での登板も経験する柴田だった。2回、柴田は連打から無死一、三塁のピンチを招くが、後続を断ちこれをしのぐ。すると、柴田を援護したい打線は直後の3回。先頭の7番・岩本が三塁への内野安打で出塁すると、続く丸山壮史(スポ1=広島・広陵)が初球できっちりと犠打を決めて攻撃のリズムをつくる。そして好機で打席が回ったのは9番・村田。2球で早々に追い込まれるが、「とにかく三振だけはしないようにと食らい付いていった」(村田)。3球目の外角のチェンジアップを逆らわずに右前に運び、虎の子の1点をもぎ取った。しかしその後、早大打線は鈴木に苦しめられる展開に。特に5回以降は、走者を1人しか出すことができず、追加点を奪う好機を演出することができなかった。


決勝点となる適時打を放ち、一塁ベース上で喜びをあらわにする村田

 しかし、やや不安定な立ち上がりを見せた柴田も、その後は一転。持ち味の力強い真っすぐを軸に投球を展開。中盤以降は、「カットボールやチェンジアップなどでストライクをとれるようになってきた」と振り返るように、直球以外にも引き出しを見つけ、尻上がりに状態を上げていく。走者を出しても決して動じず、遊撃手・真中直樹(教2=埼玉・早大本庄)を中心とした安定した守備陣にも助けられ、3つもの併殺を奪ってみせた。8回からは今西が満を持してマウンドに。秋季リーグ戦において獅子奮迅の活躍を見せた救援陣の柱を投入し、そのまま逃げ切りを図る。今西はいきなり安打と自らの失策で出塁を許し得点圏に走者を背負うが、後続を断ちなんとか8回を無失点で終えた。すると最終回は三者連続三振という圧巻のピッチングを披露。チームを頂点へと導いた。


7回無失点と好投した柴田

 決勝戦にふさわしい大接戦を制し、優勝を果たしたヤングワセダ。7回無失点と好投した柴田や堅守を披露した真中に加え、決勝点をもぎとった村田など、新たな戦力が神宮の舞台を経験し、芽を出しつつある。安田健人新人監督(文構4=東京・世田谷学園)も「リーグ戦に1人でも多くの選手が出て活躍してほしい」と切に願うが、そう思うのは彼だけではないはずだ。エースとして君臨した小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)を軸とした頼れる4年生たちが抜ける来年、神宮でのプレーを経験した選手が1人でも多く次のステップで活躍すること、それこそが今年惜しくも成し得なかったリーグ優勝をつかむための第一歩になるだろう。


3季ぶり30度目の新人戦優勝を果たした!

(記事 篠田雄大、写真 柴田侑佳、池田有輝)

コメント

安田健人新人監督(文構4=東京・世田谷学園)

――優勝しました。今の気持ちをお願いします

本当にうれしい気持ちです。早慶戦の2回戦から今まで、本当に野球楽しいなって思っています。なかなかそう思う機会はないと思うのですが、今はそういう気持ちですね。

――この東京六大学秋季フレッシュトーナメントはどのような位置付けでしたか

普段あまり試合に出られない人も含めて、ワセダは2年生で学生コーチになる人も出てくるので、そういった意味も含めて一区切りの大会と考えています。

――チームで何か統一してやってきたことはありますか

今の2年生は終始明るいチームなので、そこだけは絶やさないように最後までやろうとみんなで話していました。

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

この一年間、練習してきたものがしっかり出せたなというのが伝わってくる試合でした。

――先発の柴田迅投手(社2=東京・早大学院)の投球についてはいかがですか

いやもう素晴らしいですね。欲を言えばもう少しテンポを上げてほしいなとか、力的にはもっと簡単に抑えられるのかなとか思うのですが、きょうは無失点で抑えてくれたのでナイスピッチングです。

――打線についてはいかがですか

相手(先発)の鈴木君(昭汰、2年)が好投手なのでなかなか点は取れないなと思っていたのですが、ワンチャンスをものにしてよくやってくれたと思います。

――好投手である鈴木投手に対して何か対策などはされていましたか

対策というよりかは、ボールとストライクをしっかり見極めて、ゾーンを上げて高めを振っていこうと話していました。

――この大会での収穫は何でしょうか

この学年は1年を通してずっとオープン戦を組んできて、鈴木太郎新人監督補佐(スポ3=静岡)がずっと見てくれていて、試合慣れしている部分が大きいと思っています。試合で得たものを練習につなげ、また試合に臨んでそれを練習につなげるというサイクルがうまくはまったのかなと思います。これからリーグ戦に1人でも多くの選手が出て活躍してほしいなと思います。

柴田迅(社2=東京・早大学院)

――きょうの投球を振り返ってみていかがですか

きょうは相手先発が鈴木投手(昭汰、2年)ということでいいピッチャーなので、1点勝負になるなと思っていたので、できる限り粘りのピッチングをしてなんとか打線につなげようと試合前から心掛けていました。結果的にランナー出しても粘り強くゼロに抑えられたのは良かったなと思います。

――調子自体はいかがでしたか

前半ちょっと(球が)浮ついちゃってたんですけれども、中盤からはカットボールとかチェンジアップとかでストライクを取れるようになってきてそこからは楽にピッチングできたので、調子はぼちぼち良かったかなという感じです。

――四球は初回の先頭打者に出した1つのみと制球も安定していました

先発ピッチャーは高校の時以来大学ではほとんどやったことがなかったので、先発ピッチャーとしてのピッチングはちゃんと心掛けていました。いつもやっているリリーフのときは力尽くでというか、とにかく腕を振って投げていこうという感じなんですけれども、先発は試合の流れも感じ取りながら投げないといけないので、そういう意味できょうはコントロールも制御しながら投げられたので良かったと思います。

――直球も力感を抑えながらといった感じだったんでしょうか

そうですね。初回は置きにいき過ぎてしまう部分が多かったんですけれども、そこからは腕をしっかり振りつつも、制球もしっかり考えながら投げられていたので、その辺のバランスもすごい良かったかなと思います。

――きょうは捕手の岩本久重選手(スポ1=大阪桐蔭)に配球を任せていたのですか

そうですね、きょうはもう完全に岩本に任せていました。でもインコース投げたいときとか攻めたいときは、しっかり首振って(投げたい球を)投げさせてもらって。でもきょうは岩本のリードに助けられた部分が大きかったので、そこはバッテリー間のコミュニケーションが良かったかなと思います。

――法大は良い打者がそろっていました

そうですね。法政は投げていても打ち取るのが難しいバッターばっかりで(笑)。なかなか簡単には打ち取らせてくれなかったので手間取ったんですけれども、なんとか粘れたかなと思います。

――これで東京六大学秋季フレッシュトーナメントは見事優勝です

僕の場合はきょうだけベンチに入って投げさせてもらって、優勝を味あわせてもらったんですけれども、それまで2試合勝ってくれたのは本当に他のみんなのお陰なのですごいと思いますし、この代の新人戦(フレッシュトーナメント)は負けなしで終われたので、その点ではこの代の結束力があったからこそだと思います。最後いいとこ取りさせていただいてありがたいです(笑)。

――今年は東京六大学リーグ戦デビューも飾り、秋季リーグ戦では早慶戦でも登板しました。来年はこれまで以上に登板機会が増えると思いますが、来年に向けて意気込みをお願いします

実力的にはまだ自分の中で納得できていないですし、これからは小島さん(和哉主将、スポ4=埼玉・浦和学院)という絶対的な存在が抜けてしまうので、その穴を埋められるように、この冬は人生で一番辛かったなと思えるぐらい努力して、春に臨みたいなと思います

村田大誠(文構2=福井・高志)

――本日は優勝おめでとうございます

ありがとうございます!

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

1点勝負で終始ピンチだったのですが、みんなのベンチの声で乗り越えられた結果、勝利をつかめたと思います。

――先制打を放った打席はどのような意識で臨まれましたか

鈴木投手(昭汰、2年)は前回の試合でノーヒットノーランを達成し、ストレートとチェンジアップの精度が高い投手であると聞いていたので、とにかく三振だけはしないようにと食らい付いていった結果がヒットにつながったと思います。

――打った球は変化球でしたが、それを狙っていたのですか

変化球が来ることは頭に入っていましたが、その球がちょうどきてくれたという感じでした。

――3回には先制打のみならず盗塁も決められていました。走塁に対してはどのような意識で臨まれていますか

普段から盗塁の練習をはじめとするダッシュ系のメニューを数多くこなしており、足には自信があったのですが、けん制される気配がなかったので思い切っていけたことが良い結果につながったと思います。

――来年の東京六大学春季リーグ戦に向けてどのようにアピールしていきたいですか

筋力トレーニングに時間をかけたり、バッティングフォームの見直しをしっかり行うなどしてベンチ入りに向けて勝負していきたいです。

真中直樹(教2=埼玉・早大本庄)

――優勝しました。今の率直な気持ちを教えてください

素直にうれしいです。メンバーにも入れさせていただいて、一軍の方は優勝はできなかったんですけど、早慶戦いい感じで勝てて、新人戦(東京六大学秋季フレッシュトーナメント)もいいかたちで最後勝てたので良かったと思います。

――守備が光りました

守備には自信を持っているのでそこはこだわって普段からやっていて良かったと思うのですが、最後決勝戦で打撃の面でチームに貢献できなかったのでそこは今後の課題かなと思います。

――今試合では併殺を3つも完成させました

セカンドの丸山(壮史、スポ1=広島・広陵)とかとしっかり練習からやっているので、そこはうまくできたかなと思います。

――決勝では安打は出ませんでしたが、フレッシュトーナメント全体を通して打撃で存在感を出す場面もありました。振り返っていかがですか

一軍には偉大なショートの先輩の檜村さん(篤史、スポ3=千葉・木更津総合)がいるのですが、その先輩に少しでも近付けるように普段頑張っているので。これから冬になりますけど、しっかりと練習をして檜村さんみたいになれるように頑張りたいなと思います。

――東京六大学秋季リーグ戦ではベンチ入りをしていましたが、そこで得られたことなどはありますか

出場機会は(あまり)なかったのですが、雰囲気だったりとかメンバーのレベルの高さなど、ベンチでしか味わえない雰囲気を味わえたので大きな収穫かなと思いました。

――来季の春季リーグ戦に向けて意気込みをお願いします

ここからオフシーズンになるので基礎練習というか、体づくりから一から見直して、春にまた結果残せるように頑張っていきたいなと思います。

岩本久重(スポ1=大阪桐蔭)

――優勝おめでとうございます。今の気持ちを教えてください

楽な試合がなくて、厳しいものばっかりでしたが勝ち切れて良かったなというのと、大会通してキャッチャーで出られたので、ああいった競ったゲームを経験させてもらえたのは自分にとってすごくプラスになると思います。

――捕手として継続して試合に出たことで得られたものは

ピンチでいかに抑えるかですね。打たれるのは仕方ないんですけど、その後に点をやらないためにどうするかを考えて、間(ま)を使ったりしてしのげたことは大きいかなと思います。盗塁をかなり許してしまったので、まだまだ準備や予測が不足しているなという課題も見えました。

――柴田迅投手(社2=東京・早大学院)と今西拓弥投手(スポ2=広島・広陵)をどうやってリードしようと考えていましたか

リーグ戦で投げてる2人だったので、(球を)受ける機会も多かったのでコミュニケーションも取れていました。とりあえず相手投手がすごく良かったのでロースコアで推移することを念頭に置いていました。

――打撃面では、第1打席で内野安打を放ち本塁に生還しました

当たりは良くなかったんですけど、内野安打になって自分の足で生還できたのは良かったです。でもやはりもっといい打球を放てるよう上を見てやっていきたいです。

――先ほど少し課題の話が出ましたが、フレッシュトーナメントを通して見つけた課題は

勝ちにこだわれたのは良かったと思いますが、盗塁を刺し切れなかったり、ワンバン(ワンバウンド)投球の間に進塁されたり、自分の思う打撃ができなかったりと小さく細かいところですが、そういったところですね。

――春に向けて課題や収穫が得られたかと思いますが、どういう準備をして春を迎えたいですか

このオフシーズンの過ごし方を一から考えて、春リーグ(東京六大学春季リーグ戦)に正捕手としてマスクをかぶって試合に出られるように毎日を大事にして過ごしたいと思います。