今年もまた、勝負の時がやってきた。関東大学対抗戦(対抗戦)4試合を終え、全勝の早大。次戦は、いよいよ帝京大戦である。全…
今年もまた、勝負の時がやってきた。関東大学対抗戦(対抗戦)4試合を終え、全勝の早大。次戦は、いよいよ帝京大戦である。全国大学選手権10連覇を懸けるシーズンを迎えている王者・帝京大。早大は2010年を最後に、対抗戦での帝京大戦の白星から遠ざかっている。しかし、今夏の菅平でのオープン戦では、早大が帝京大に勝利しており、両者の地力の差は決して大きいものではない。王者に土をつけ、悲願の頂点へ向かうために、早大に求められることとは何か。
帝京大にとって、前節の慶大戦は薄氷の勝利だったと言えるだろう。慶大に先制トライを許し、立ち上がりの不安を露呈。後半はまさかの無得点に終わり、慶大に5点差まで迫られた。しかし、本調子とは言えない中でも、競った展開で勝ちきれる強さが、帝京大にはある。相手のわずかな隙を見逃さず、スピードと忠実なパス回しでチャンスをものにできるのが、王者たるゆえん。慶大戦では、前半の短いアタックの時間に一気にトライを奪ったことが、結果的に勝因となった。FB竹山晃暉主将(4年)のプレーは目立つが、CTB尾崎泰雅(3年)など他のBK陣も引けを取らない。さらに、帝京大の強みは決してBK陣だけに留まらず、突破力のあるフォワード陣が名を連ねていることだ。竹山の正確なプレースキックも、帝京大のしたたかな試合運びを支える。

強力なフィジカルでアタックをけん引するCTB中野将伍(スポ3=福岡・東筑)
早大が試合を優位に進めるためには――。やはり、是が非でも開始10分までに先制トライを奪いたいところだ。帝京大の立ち上がりの不安を突き、王者の牙城を崩したい。前節の日体大戦でマンオブザマッチに輝くなど、調子を上げてきたSH齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)を起点に、リズミカルなアタックでフェーズを重ねられれば、帝京大のディフェンスラインにもスペースが開いてくるはずだ。また、ペナルティーは可能な限り避けたい。日体大戦では、序盤にペナルティーを多発させ苦しんだ早大。勝利を収めた夏の帝京大戦でも、後半はペナルティーが連続し、長時間にわたり自陣でのプレーを迫られた。規律を保ち、マイボールポゼッションを高めたいところだ。さらに、敵陣ゴール前でのセットプレーも大きな分水嶺となる。慶大は帝京大戦、終盤に何度もゴールラインへと迫ったが、マイボールラインアウトを立て続けにスチールされるなど、不安定なセットプレーで流れをつかみきれなかった。一方、早大は前節で、安定したラインアウトからモール攻撃に持ち込みトライにつなげている。王者への挑戦でも、さらなる確実性が求められる。
夏の歓喜の再現、なるか
終盤にリードを奪っていれば、帝京大は小刻みにつなぎボールを保持し続ける。そうした落ち着き、試合展開を見て最適な選択ができる点が、王者・帝京大の強さだ。とはいえ、早大との力の差は、確実に縮まってきている。序盤からペースをつかみ、終盤に王者を焦らせる展開とできるか。100周年を迎えるワセダラグビー。長らく続く『帝京一強』時代に待ったをかけ、新時代への扉を開きたい。
(記事 元田蒼、写真 石塚ひなの、石名遥)