全学年が力を合わせて戦っている女子ハンドボール部。初回は1年生ながら出場機会を得ている阿部美幸(スポ1=東京・佼成学園女)、紅林詩乃(スポ1=東京・佼成学園女)のお2人との対談をお送りします! ※この取材は10月16日に行われたものです。…

 全学年が力を合わせて戦っている女子ハンドボール部。初回は1年生ながら出場機会を得ている阿部美幸(スポ1=東京・佼成学園女)、紅林詩乃(スポ1=東京・佼成学園女)のお2人との対談をお送りします!

※この取材は10月16日に行われたものです。

「楽しもうと思っています」(阿部)


ハンドボールが楽しいと語る阿部

――まず秋季リーグの振り返りをお願いします。チームの戦いを振り返っていかがですか

紅林 東女体大戦(△21―21)とか日女体大戦(△18−18)とかで追いつかれるシーンが何個かあって、勝てた試合でももうちょっと突き放して勝てるんじゃないかっていう試合があったと思うんですけど、そこを追いつかれてしまうのは、そこまでの力しかなかったのかなとは正直思っています。それ以外でも、(連戦の)1日目は良い試合ができたけど、2日目はあんまり良くない試合になってしまうというのが、一回だけじゃなくて何回も何回もあったというのは修正しなきゃいけないところだったので、そこはもうちょっと力をつけなきゃいけなかったかなと思いました。

阿部 全部言われちゃったんですけど(笑)。私が一番感じたのは、良い試合の時はベンチとかも盛り上がってて、コートの中もまとまってるんですけど、2日連続の試合の2日目とか、日女体大戦とかはまとまりがないのを感じて。苦しい時でもまとまれたらもうちょっと良かったんじゃないかなとは思いました。

――ご自身のプレーは振り返っていかがですか

紅林 途中から出ることが多かったので、始めに出てる人のプレーを見ながら、自分がどうすれば良いのかというのを考えながらやっていました。でも、いきなりポンっと入れられたりすることがあるので、どうしても「ちょっと違かったな」というプレーも何個かあって。そこはもうちょっと自分でディフェンスとの相性を見ながらプレーできたらよかったかなと思います。

阿部 私はプレー以前の問題でケガをしてしまったので。そこでチームにも迷惑をかけちゃったし、自分自身も一番悔しくて。ケガをしないように、頑張りたいと思います(笑)。

――反省点が多く挙がりましたが、春に比べて良くなったと感じたところはありますか

紅林 自分たちが5人になった時にポンって入れられることが多かったんですけど、6人でやるよりも5人でやる方がボールが回ってくるというか(笑)。どうしてもフローターに強い人がいて、どんどん上がってくると下がフリーになって結構走り回れるみたいな感じがあったので、そういうプレーでちょっとチームに貢献できたのは良かったのかなと思います。

阿部 春はワンマン速攻で1人がバーンって出て(ボールを)飛ばすみたいな感じがあったんですけど、秋はそういうプレーもあったけど、みんなで走って(点を)取るみたいな速攻が増えたので、そこが良かったと思います。

――お2人は1年生ながら出場機会を得ていますが、意識していることなどはありますか

紅林 とりあえず1年生で出ているということで、変に4年生みたいに背負ってるものがないというか、気持ちが楽にできるというのはあるかなと。「失敗したらどうしよう」とかは思わずに、自分のできることを思いっきりやろうとは毎回思っています。

阿部 楽しもうと思っています、はい(笑)。

――この1年間を通して一番印象に残っている試合は何でしょうか

紅林 (秋季リーグの)筑波大(◯24―20)か、

紅林・阿部 東女体大(笑)。

紅林 筑波大戦は初戦というのもあって、結構みんな気合いが入っていました。1点ビハインドで折り返して競っていた中で、最後ポポポポンって(点を)取って。ベンチも騒いでベンチ外の人も騒いでみたいな感じで雰囲気が良かったです。東女体大の時は、今まで勝ったことがないからとりあえず勝とうみたいな雰囲気がありました。正直東女体大の強さは高校の時に試合やってもらったりしていたこともあって知っていたので、「どうなのかな」とはずっと思っていたんですけど、いざやってみると「いけるんじゃないかな」と思うシーンが何個もあったので印象に残っています。

――ワセダに来て、高校時代と変わったと思うことはありますか

紅林 それは…(笑)。

阿部 ハンドボールを楽しいと感じることです(笑)。言い方悪いかもしれないんですけど、ワセダはプレッシャーがないので、自由にプレーできるというか。高校の時はミスしちゃいけないみたいな。いかに先生の目を見ながらっていう(笑)。

――先生が怖かったのですか

紅林 はい。もう、ミスしたら先生の方を見れない(笑)。チラチラしながらかえってくるみたいな(笑)。

――お2人は8月にユース(女子ユース世界選手権)に選出されました。海外の選手と対戦して感じたことはありますか

紅林 フィジカルがもう全然違くて。日本で行った中でも(私は)結構小ちゃかったんですけど、行ってみたら本当に背が顔一個分以上違いました。相手がジャンプシュートしたら私の顔が(相手の)お腹に当たるんですよ(笑)。日本なら普通にシュートを打ててるシーンも、もうバーンって挟まれたり。そこはやっぱり違うなとは思いました。

――それは優勝したロシアですか

紅林 そうですね。ロシアはもう歯が立たずの状態で(笑)。

阿部 でも、韓国とか中国とかは比較的体格は同じなので、戦えた印象ですね。

――会場はポーランドということでしたが、印象に残っていることはありますか

阿部 水がめっちゃ美味しくなかったです(笑)。

紅林 あと、英語が通じると思ってしゃべったら通じなくて(笑)。ショッピングに行った時に、薬局みたいなところがあったので入って、そこで「ボディーソープを探して」みたいなことを英語で言おうと思ったら通じませんでした。そのまま店員さんがどっか行っちゃって(笑)。そういうことは結構ありました(笑)。

阿部 うん、通じなかった(笑)。

紅林 びっくりしたよね(笑)。

――ご飯などはいかがでしたか

阿部 それはもう、最悪。

紅林 ハエがたかってるみたいな(笑)。

阿部 バイキングみたいな感じで、初っ端サラダが置いてあるんですけど、そこに虫がもう

紅林 ビューンて(飛んでる)。

阿部 コバエコナーズとかも置いてるんですけど、見えるところに置いちゃうから「え、死んでるし」みたいな(笑)。日本のありがたみを感じました。

紅林 あと、ホテルに休日があったんですよ。

阿部 そうそう、「人いないなー」と思ったら「きょうは休日だから、ホテルも休みです」って(笑)。

紅林 洗濯機がなかったので、自分で洗濯して(ホテルの)タオルで絞りながらみたいなことをやってたんです。それで練習終わって帰ってきて「洗濯しよう」と思って「タオル変わってるかな」って思ったら変わってなくて。

阿部 ルームサービスみたいなやつでね。

紅林 それで通訳の人に「(タオルが)変わってないから変えてほしいんだけど」ってフロントに言ってもらったら、「きょう休日だからやってないよー」って言われて(笑)。いろいろ大変でした。

「遅れた夏を楽しみました」(紅林)


中学では陸上部に入るつもりだっとという紅林

――では、お2人がハンドボールを始めたきっかけを教えてください。

紅林 中1から始めたんですけど、小学校から中学校に上がる時はずっと陸上部に入るつもりでいました。軽い靴を買って中学に上がったぐらい陸上部に入ろうと思ってたんですけど、たまたま近所の子に「ハンドボール部行ってみよう」って軽く言われて。それでたまたま行ったら顧問の先生に「ちょっとこの1週間はハンド部の仮入部に来てくれないか」ってことで仮入部に行っていたんです。陸上部にも1回行ったら、たまたまめっちゃキツい時の練習だったので「ちょっと(陸上部は)やめよう」と思って。そこでハンドボールを始めました。

阿部 私は小5で始めたんですけど、仲のいい友達がハンドボールをやっていて。私もやろっかなと思って(笑)。

――お互いの第一印象を教えていただけますか

阿部 高校に入学する前に、ハンド部に入ることが決まっていたので、(高校の先生に)「練習においで」みたいに言われていたんですけど、私は佼成(佼成学園女高)の練習に全然行けてなかったんですよ。そしたら(紅林は)結構行ってて。だから初っ端は「この人もう入学してるんじゃないかな?」みたいな感じのオーラを出してて、ちょっと一瞬怖かったのを覚えています(笑)。

紅林 第一印象は、初めて会う前から先輩とかから「左利きの上手い子来るらしいよ」みたいな(阿部の噂を)聞いていたので。それでちょっと格が違うなーって(笑)。

――今の印象はいかがでしょうか。お互いの紹介をお願いします

阿部 紅林はたぶんこんな人は他にいないんじゃないかなっていうくらい変なやつというか、よくわからないというか(笑)。でも結構面白くて、人をひきつける力があるから、友達もいっぱいいて毎日楽しそうだなっていう感じの人です(笑)。しゃべったらめっちゃ楽しいと思います(笑)。

紅林 (阿部は)プライベートは結構1人で楽しそうにやってるなって(笑)。1人でも生きていけそうだなって思います。気とかも配れるので1人でいてもプラス思考に考えたりね(笑)。

阿部 でも、誰かと一緒にいるに越したことはないですよね(笑)。

――ではプレーに対する印象はいかがですか

阿部 私はポストだったら紅林としか合わせたくないっていうくらい、もう紅林のポストプレーが大好きです。

紅林 ありがとうございます(笑)。でも、あんまり(阿部は)プレーしてる時にポストを見ないんですよ(笑)。練習でも「さっきのさー!」みたいなことが結構あって。日体大戦(●22−25)の時も私はずっと「(ポストが)空いてるな」って思ってたんですよ。でもずっと目が合わなくてこれ(パス)こないやつかなと思ったらギリギリで「あっ、きたー」みたいな(笑)。そういうことはありました。阿部のプレーは、シューターだけじゃなくてフェイントもできるし、待ってたら打たれるし、詰めにきたらフェイントやられるしみたいな感じで相手からしたら厄介かなって思います。

阿部 わー、めっちゃうれしいー(笑)。

――1年生は人数が少ないですが、どんな学年ですか

紅林 でも、結構仲良くやってるよね?

阿部 トレーナーもいれて4人なんですけど、極端というか。あの2人がちょっと静かめなタイプで、私たち2人がキャラ強いので、プラスとマイナスで調和みたいな(笑)。

紅林 何だかんだあの2人が静かなのは薄々感じていたので、私たち2人でいじりまくります(笑)。

――1年生で遊びに行かれたりするのですか

紅林 それは、まあ、これから(笑)。「夏あそこ行こうね」みたいな話はよくします。

阿部 『あそこ行こうね終わり』だよね(笑)。

紅林 実行します(笑)。

――では特に仲のいい先輩はいらっしゃいますか

阿部 瑞萌先輩(吉田、スポ2=東京・佼成学園女)?

紅林 あと私は垣内美春(社2=富山・氷見)さんとも仲良いです(笑)。なんか気楽に話せるというか。

阿部 気楽というか、もうお友達感覚でしゃべってるという感じです(笑)。

紅林 (吉田とは)高校でも仲良くて、高校の厳しかった環境からこの環境になったという時の始めの戸惑いも知ってるし、「これは自分らもあったから大丈夫だよ」って言ってくれたりするので相談相手にもなるし、ふざけたりすることもできるしという感じです(笑)。

――最近ハマっていることはありますか

紅林 相棒と科捜研の女が好きなので、オフの日によく見ています。

――インドア派ですか

紅林 いや、本当にそういうことをしていたい時はずっと部屋にいるんですけど、結構1人でどこにも行っちゃいます。「あれしたいな」と思ったらいろいろな所にいったり。まあインドア派でもないけどアウトドアでもないです。

阿部 私は今ケータイのアプリでハリネズミを育てています。1日に0.1センチも大きくならないんですよ。でも、育ってきたなっていう感覚があるんです。大きくなったなっていう。それにハマっています(笑)。

――阿部選手はオフの日何されているんですか

阿部 基本ハンド部の人と遊んでいます。リーグオフは焼肉の食べ放題に行きました。

――夏の思い出はありますか

紅林 1回だけ鳥平さん(知穂、スポ4=大阪・四天王寺)と日本橋で浴衣着てアートアクアリムに行きました。遅れた夏を楽しみました(笑)。

阿部 7月の終わりに埼玉の大和田で花火大会があったので行きました。花火大会に行ったの初めてだったので、それがポーランドの次の思い出ですね(笑)。

阿部・紅林コンビは要チェック!


お互いに信頼しあう2人の連携プレーに注目だ

――では、インカレ(全日本学生選手権)に向けてのお話に移ります。インカレでワセダのキーマンとなる選手は誰でしょうか

紅林 それはもう吉田さんと穂香さん(富永、スポ4=東京・佼成学園女)です。穂香さんがプレーしてくれると「いってくれるだろうな」っていう信頼があって。大きい存在だなというのは一緒にプレーしていて思うので、そこはキーマンかなとは思います。

阿部 穂香さんは春にケガしちゃって最初の方しかいなかったんですけど、秋はずっといてくれて大きい存在だなと実感しました。瑞萌さんもいて、上からでもアウトカットでもいろんなところから点を取ってくれるので、2人は頑張ってほしいです。

――インカレの組み合わせはご覧になりましたか

紅林 はい。でもあまり関西の大学は知らなかったので、1発目で当たるところもどういうチームかあまりわからなかったんですけど、勝ち上がって東海大に頑張りたいなとは思います。

阿部 ユースの遠征とかに行ってた期間に練習試合とかが多くて。(初戦で対戦する)福岡大との試合とかソニー合宿とかも行けてなかったのでわからない部分も多くて。まあ、よくわかんないって感じです(笑)。

――インカレでご自身が出場された時のアピールポイントを教えてください

紅林 愛さん(島崎、社4=熊本国府)と違ってブロックをずっと張っているというよりは、走ってディフェンスを乱す方のポストなので、瑞萌さんとか穂香さんとかのマークが厚くなったときに裏で動いてポストシュートを打てたらいいなと思います。

阿部 たぶんバックプレイヤーで出させてもらうことが増えると思うので、出たら紅林とコンビを組みたいかなと。ここを見ておいてください(笑)。

紅林 要チェックで!(笑)

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

紅林 4年生と試合できるのも一個一個が最後になってくると思うので、今まで支えてきてもらった4年生にちゃんと恩返しができるように、試合に出た時には自分の仕事を全うして、最後は笑って終われるように頑張りたいと思います。

阿部 私たちが出てる分、4年生とかでも出られていない人もいるのでその人たちが納得いくようなプレーをしつつも、楽しめたらいいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 宅森咲子、写真 小松純也)


『堅守速攻』で勝利をつかみに行きます!

◆阿部美幸(あべ・みゆき)(※写真右)

2000年(平12)年3月10日生まれ。168センチ。東京・佼成学園女高出身。スポーツ科学部1年。センス抜群のサイドシュートで勢いをもたらす阿部選手。得点後、満開笑顔でガッツポーズをする姿をインカレでも見たいですね!

◆紅林詩乃(くればやし・しの)(※写真左)

2000年(平12)年2月9日生まれ。159センチ。東京・佼成学園女高出身。スポーツ科学部1年。機動性の高いポストプレーで流れを変える紅林選手。支えてもらった4年生に恩返しのプレーを見せます!