4連覇を逃してから1年。今年も全日本大学選手権(全日本インカレ)の時期がやって来た。王座奪還に向けスナイプ級の上位での好走は必要不可欠だ。そんなスナイプ級は昨春に絶対的エースの永松礼(平30スポ卒=大分・別府青山)が卒業。今の4年生に絶対…

 4連覇を逃してから1年。今年も全日本大学選手権(全日本インカレ)の時期がやって来た。王座奪還に向けスナイプ級の上位での好走は必要不可欠だ。そんなスナイプ級は昨春に絶対的エースの永松礼(平30スポ卒=大分・別府青山)が卒業。今の4年生に絶対的な存在はいない。それでも今年は今年の色に合わせたチーム作りをし、結果を残している。今回はそのスナイプ級からスキッパーの岩月大空主将(スポ4=愛知・碧南工)、入江裕太(スポ3=神奈川・逗子開成)、松尾虎太郎(スポ2=山口・光)が登場。三人の活躍で海上の覇者となれるか。

※この取材は10月23日に行われたものです。

スナイプチームの強みとは


「スナイプチームで良かった」と語る松尾

――今年度の振り返りからお願い致します。岩月選手は関東個人選手権(関東個選)での優勝などもありましたが、今年度のこれまでを振り返っていかがですか

岩月 関東個選では優勝もしましたが、他の大会では下の方(下位で)走ったりだとか、結構まだ波があります。なので、インカレにどれだけ合わせていけるのかという点が課題です。

――入江選手はいかがでしょうか

入江  春から、団体では全部勝ってきています。個人でも、去年よりは安定して走れるようになってきました。個人的には少しずつですが良くなってきていると思います。あとは、全日本(インカレ)に向けて、あともう少し体重を増やしていければいいな、と。準備はちゃんとできていると思っています。

――松尾選手は470級クルーとして活躍されていた中で、今はスナイプ級スキッパーとして出場されています。このような変更もありましたが、振り返っていかがですか

松尾 言われた通り、春だけではなく夏や秋にも470級のワールドカップに出たりだとか、国体(国民体育大会)で470に乗ることもあるのですが、考えることは特にないです。どちらに乗る時もとても楽しいので。特に最近は今乗っているスナイプの調子もとてもいいので。春から楽しくできています。

――岩月選手は今年は主将を務められていますが、主将に就任してから何か変化などはありますか

岩月 変化したこと・・・。今までは自分の競技のことばかりを考えていて、視野が狭かったな、と主将になって感じることがあります。チームで戦うということであったり、周りの人にどれだけ支えられているのかという事であったり、競技以外の部分でもしっかりとまとめていく立場として、やっていくことが大事だと思いました。そこで視野が広くなったので、競技の方にも直結してきていて、色んなことに気付けたり、自分の調子が悪い時もずっとそこにはまっているのではなく、周りと話すことで色んなことに気付くことができるようになったりだとか。そういった部分ではかなり変化が大きいと思います。

――改めて、今年のチームは主将から見てどのようなチームであるとお考えでしょうか

岩月 去年とは大きく雰囲気が違うのかな、と。それもやはり、自分たち4年生の代は競技力が突出しているわけではなく、じゃあどうやってチームを作って、最後のインカレまで勝っていくのか、という時に、後輩たちの力が必要不可欠で。自分たちはそこをどううまく引き出していくのか、という事をすごく考えてきました。やはり、自由・・・、ではないですけど、ON、OFFはしっかりある中で、下級生がやりやすいというか。圧迫されていないというか競技に対しても部の運営に対しても意見を出してくれたりだとか、そういうことのできる環境をそういうチームを作っていこうと今年が始まる時から考えていました。そこに向けて色々やり出して、いい方向に向かっているのかな、と思います。

――(入江、松尾の)お二人は今年のチームをどのように感じていますか

入江 ことち・・・。

一同 (笑)。

岩月 緊張してんの?(笑)。

入江 今年のチームの雰囲気は、さっき岩月さんの代になってからすごく自分たちも意見を言えて、下からの意見も風通しが良いというか、皆が自分の意見を言って、最後は4年生が決まるんですけど、思ったことをしっかり言える、1年生から3年生まで全員がインカレに向けて頑張ろうという気持ちがあります。一体感というか・・・。何か一つの目標に向かって選手だけじゃなくて、サポートする人も含めた全体で行こう、という感じで今年は団体戦を勝てているのかな、と。

松尾 僕もお二方が言われたことと同じなのですが、自由というか。自由、というと少し悪いイメージになってしまうかもしれませんが、皆が伸び伸びと競技に臨めるような環境だな、とすごく思っています。今は早大ヨット部の部員一人一人がすごく高いスキルを持っている中で、それをうまくいかせるような、皆がやりたいことをできるような環境でできています。皆がカチカチになってやりたいことをできないような状況ではなくて自由にできていて、自分としてもその中での成長は感じますし、普段の練習から切磋琢磨できていて、それが結果にもつながってきていていい環境なのではないか、と感じています。

入江 小松さん(一憲コーチ、ロンドン五輪470級代表監督)の言う『日本一民主的な部活』というのはすごく意識していたことですね。小松コーチが「早稲田大学のヨット部は日本一民主的な部活になれ」というのは僕が1年生の頃からずっと言われていて、自分もその影響は大きいのかな、と思います。

――今年のスナイプチームの強みは何だと思いますか

松尾 仲の良さですね。

一同 (笑)。

松尾 ずっとそうなのですが、スナイプチームは仲のいいチームかな、というのはずっと僕の中であります。スナイプチームで遊びに行くこともあれば、しょっちゅうご飯も食べますし、とにかく仲のいいチームですね。学年は全然違うのですが、すごく仲良くやらせていただいています。楽しいです。スナイプチームで良かったなって。

岩月 そこもただ仲良しこよしなのではなくて、競技とかでも学年の隔てなく技術的なこともしっかりと話し込める関係にあるので、そういう部分でいい関係を築けているなって思います。

入江 僕も、なんだろう・・・。仲がいいというか海の上と陸で、陸ではちゃんと話し込んで、自分の思っていることだと感じたことを一人一人話し込んでおいて、陸でのスナイプの一体感というか、他のチームよりも多分仲がいい・・・。大体固まってるのはスナイプチーム。スナイプチームが固まって、遊んでいるというのがよく合宿所でも見受けられる様子ですね。

――クルーの方も一緒にですか

入江 そうですね。はい。

――それぞれのクルーとのコンビネーションはいかがですか

入江 いつかのインタビューの時も話したのですが、僕のところは同期ペアなので、二人とも自分の思ったことを言い合える仲ですね。自分も思ったことがあれば言いますし、相手も何でこうなるの、とかわからないことがあれば言ってきますし。向こうもちゃんと返してくれるので。しっかりとしたコミュニケーションが取れているな、と思いますね。僕が熱くなってしまう時も原(潤太郎、商3=埼玉・早大本庄)の方は冷静になってくれたりして。自分が助かっている部分もあったり。その、レースでは前の1艇に対して二人でそうしたら抜けるかというのを考えているので、あまり今年のレースで大きく順位を落とすという事がなくなりました。落としたとしても1艇、2艇で抑えられていて、他のレグでは必ず上げる、というのをできていると思います。二人とも最初の春に比べると、会話の中の情報量も増えてきて、乗りやすいというか、乗っていて、少しずつうまくなっているという実感は、原がどう思っているかわかりませんが、感じています。

松尾 僕のところは、去年もそうだったのですが、年上の人と乗ることが多い、というか年上の人と乗ることしかなくて。その中で年上なのですが、すごく僕の事を信頼してくれています。基本的に僕が海の上でやることが多いのですが、本当にすごく信頼してくれて、僕が何かを言ったら一度試してくれたりして。お互いに話して、ちょっと違うね、となることもあるんですけど。とにかく僕のことを信頼していろいろなことをしてくれるので、そういう意味では僕はすごく乗りやすいです。あとは、今は海老原さん(崇、法3=埼玉・川越東)なのですが、海老原さんだと焦ることがないというか。すごくドーンとしている方で。僕自身はレースの中で焦ることはあまりないのですが、二人で常に落ち着いて望めているので、安定した成績を取れているんじゃないかなと。

岩月 三宅(功輔、商4=東京・早大学院)とはもうこれで1年半くらい乗っていて、

松尾 真面目っすよね。

岩月 真面目だし、1年半もやっているとお互い何を考えているのかということを大体わかっていて、で、そういう部分はレース中でも、これをやってほしい、というところでやってくれたりだとか、相手がこれやっておいてほしいんだろうな、ということを先にやっておいたりだとか。そういう部分で、言葉なくして相手の事をわかるくらいには乗り込めているので、そういう部分では1年半乗ってきた強みというのがかなりあると思います。


昨季と比較して成長を感じているという入江

――夏合宿を通して成長したと感じる部分はありますか

岩月 関東インカレで勝って、でも全日本個人(全日本学生個人選手権)で負けて、細かいところはたくさんあるのですが、天狗にならないというか、いつまでも最後まで追求し続けなければいけないということに気付かされたりだとか、課題がたくさん見つかったので、それに対しては夏季を含めそういうところにしっかり自分でアプローチしていく機会にはなりましたね。そういう部分で成長できた部分もありましたし、できていない部分もありますし。インカレでどう自分が発揮するかなんですけど。そういう部分は夏合宿を使って行けたと思います。

松尾  僕はスナイプだけじゃなくて470で世界に挑戦する機会があったり、レベルの高い舞台で470の大会にもスナイプで学連の大会にも出ているんですけど、どちらも出ることによって今まで気付けなかったところにもいろいろ気付けて、今年の夏というのは自分にとってもすごく成長できた、学ぶこともすごく多かった夏だな、と思いました。実際にスナイプに戻ってきた今でも、今までは船の一個一個の部品には全く興味がなかったのですが、今年の夏を通して興味を持つようになりました。いろんなところを極めていかないといけないな、と感じましたね。海の上だけじゃなくて。自分自身がすごく変わることのできた夏だったな、と。海の上での競技のことについても、今まで見たことのなかったようなレベルの大会にも参加したりだとかで、実際に今すごく生かせていると思いますし、本当に自分にとって成長できた夏だったな、と。

入江  僕は、競技面では、全日本個人戦が最後で、個選ではこた(松尾)に負けてしまって。まだ全然競技面ではまだまだという事がわかったので、もっと貪欲に1個1個の勝ちを積み重ねなければいけないな、というのが競技面について思ったことです。陸、というか全般的には、周りをしっかり見るようになりました。自分は結構気持ちのアップダウンが激しいと同期に言われたりするのですが、そういうのをなるべく減らして客観的に周りの物事を見るように心掛けるようになったかな、と。まだまだなのですが、そこが少し成長したかな、と思うところですね。それが競技面でも生かせれば、と思います。

――先日の関東学生選手権(秋関東インカレ)は総合優勝という結果でしたが、手応えはいかがでしたか

入江  スナイプは結構早いな、と。470に関しては、勝っているというか。関東では結構勝っている感じがして。全日本に向けても結構いいのかな、と。スナイプも、後2週間の練習でどこまで成長していけるか。自分たちの目標は総合優勝ですが、おまけで完全優勝もできるかもな、と僕はひそかに思っています。

松尾  僕は、入江さんが言った通りなのですが、今回は2番でしたけど、スナイプは実力的には結構飛び抜けて1番の実力を持っていると僕は感じています。ヨットはすごく自然のスポーツなので、うまくいかない時とうまくいかない時がすごくはっきりしたスポーツなので、もちろんうまくいく時も、いかない時もあると思います。もちろんその中で実力というのはあるのですが、その中で全日本インカレに向けてしっかりと調整していって、練習の中で抑えておいておかなければいけないポイントをしっかり押さえておけば、普通に個人個人の持っている技術は僕らワセダが飛びぬけて高いと思っているので、それをいかに発揮するかという事だと思います。秋インカレは結果として総合優勝することができてよかったと思いますし、総合力でケイオーに勝っていると思いましたし、スナイプチームとしても全然いいものは持っているので、負けてないと思います。

岩月 チームとしては本当にこの二人が言った通りで、あとは多分2年前の蒲郡インカレのインタビューでも話したのですが、ここまで来ると僕次第だな、と。今までの結果を見ても僕が一番下、三艇の中だと一番下の成績を取ることが多くて。逆に僕が安定したスコアを出せれば、この二人(入江、松尾)は安定して走ってくれるので、結構固いレースができると思っています。2年前もいろんな人に言われたのですが、僕次第だと。今年は4年生なので、もうやるしかない、と。しっかり走ります、としか言えないです(笑)。

「総合優勝とカギになるのはスナイプのスコアの安定」(岩月)


今季は主将として部を率いてきた岩月

――インカレまであと2週間と少しになりました。今の心境は

岩月  僕だと、また二年前との比較になるのですが、このインタビューの時から動悸がすごくて。ふとヨットの事が頭をよぎるたびにドキドキしてしまっていたのですが、今は、というか今年は大会前にそういったことが起きなくて。もうどっしりと構えて、やるべきことをやって。やっちゃいけないことをやらない、ただそれだけだな、と思っていたので。今年に関しては全然緊張することなく(本番を)迎られていますし、多分インカレ前でも極度の緊張とかはなく、いつも通りレースに入っていくことができると思っています。

入江 僕も一緒で、本当に今年のレースで緊張したレースはほとんどなくて。というのも、三艇の総合力だったら絶対に負けないだろうと。しっかりとやることをやって、やっちゃいけないことをしなければワセダが絶対に勝つだろうと僕はずっと思ってやって来たので。なので、僕が後ろを走っていても、前にいるな、大丈夫だ、と思えたり。というようなところで、三艇の信頼、470を含めた六艇の信頼というのがすごく今年は強かったので。全日本に向けてあまり僕も緊張はしていません。蒲郡に行って、自分たちがやって来たことをしっかり発表会みたいに出して、去年のスローガンである『挑戦』、去年負けて、あの思いはもう絶対にしたくないので。今年はまず1勝目、という『挑戦』をチーム全体でしていけたらな、と。僕もどっしりと構えています。

 

松尾 僕はすごいレースが好きで。練習はすごく辛いことばかりなのですが(笑)。あまり他人と競うことは好きではないのですが、あの感じがすごく好きです。なので、大会には楽しみにして臨むことがほとんどです。今回もそれは同じなのですが、去年と違って自分の中にすごく余裕が出てきているので、余裕だらけではいけないの思うのですが、自分の中では自分にすごく自信もありますし、楽しみで、早くレースをしたいな、と思っています。

――入江選手は昨年同様坊主ですが

入江 今年は特に何もないです(笑)。いつしたっけ?

松尾  僕がいない時なので、蒲郡(合宿)の時です。

入江  じゃあ9月・・・。9月の何かのオフの時に髪の毛が長いな、と少し思って、それでどこかからの帰り道にどうしようか迷って、じゃあやっておくかって(笑)。

松尾 可愛いと思いません?この入江さんの坊主(笑)。似合ってる。市川海老蔵とあの人に似てますね。誰に似てるかは言えないですけど、普通に想像できますね。最近話題になったあの人です。

入江 坊主にした理由は今年は特になくて(笑)。坊主にするとブローの入り方とかがちょっと違うというか(笑)。ちょっとやっちゃいました(笑)。

松尾 坊主が似合うって良いじゃないですか!

入江 ありがとう(笑)。こた、ありがとう(笑)。

――現在の皆さんの調子はいかがですか

松尾 僕はばっちりです!

入江 僕もです。体重が上がれば。

 

岩月 僕はちょっと上げていかないとな、って。頑張ります。

――総合優勝のためのスナイプ級全体としての役割は何だと思いますか

岩月 やっぱり、470より、スナイプというのはスコアを安定させることが難しくて。逆にインカレでもスナイプのスコアが安定している所が総合でも上位に来ますね。総合優勝とカギになるのはスナイプのスコアの安定、大きく崩さないことが重要です。470はいろんな人が評価するような、実力通りの結果になることが多いのですが、スナイプは結構荒れることもあって。やはりそういう中でもこの三艇はスコアを安定させて、チームとしては総合優勝できるように。それが多分一番大事かな、と思います。

松尾 僕のインカレでの役割は、とにかく僕が低いスコア(ヨットはスコアが低い方が上位に来る)に抑えることが大切だと思っています。低いスコアになることで、状況的にはどんどん楽になってくるし。三艇で戦うのですが
他の大学の2挺(分の合計スコア)くらいに(低いスコアに)三艇でしたいな、って思っていて、ずっと考えています。そんなに気負わず、自分のベストを尽くして、低いスコアでやれたらな、と。本当に三人の総合力で戦うことになるので、誰か1人が叩いていても(下位で走っていても)誰か1人が前にいれば。僕としては、このお二人が緊張しないためにも、少々の事があっても僕が前にいるから、と思えるように、安定して前で走りたいです。

入江 僕は・・・真ん中(笑)。

一同 (笑)。

入江 僕も去年は若狭でインカレをやって、1本は3番で、もう1本は30番で。そこで自信が自分も付いて。72番という学生の大きなフリートでも前を走れるという自信はできました。ターゲットスコアなどを見ながら、大きく崩さない、本当に三艇で戦っているということを頭に入れて、自分から大きな博打を打たない、など普段からミーティングで言われていることを着実に積み重ねていけたら。ずっと冷静でいることが肝心だと思います。僕の役割は、焦らないことです。

――毎年お聞きしているのですが、インカレで1人キーパーソンを挙げるのであればどなたでしょうか

松尾 えー。

入江 去年俺を挙げてたよね。

岩月 今年多分俺だわ(笑)。

入江 僕多分、去年入江さんって言いました。

入江、松尾 でも今年は・・・(笑)。

松尾 今年は多分自分かなあ。さっき言ったように自分が低くスコアを抑えることで、皆がリラックスできるというか。「自分が少々後ろを走っていても大丈夫だ」と思っていてもらえるような。去年は皆の中で僕というのは少し危なっかしさもあったと思うのですが、今年はそれなりに成績も取れてきて、頼ってもらえるような存在になってきたと思います。僕がしっかり走れば、何があっても大丈夫だと思ってもらえるような存在になりたいです。なのかなぁ。恥ずかしいけど(笑)。

入江 今年も、僕ですね。

一同 (笑)。

松尾 そんなのずるいや(笑)。

入江 さっきも言った通り、レースだったり陸上で焦らない。焦ったら多分負けなので、他の大学がちょっといいスコアだったとしても、それはそれで。その一レースしか見てないので。全体で見ればどこかでワセダが勝てるということを信じて、僕は冷静でいるということが大事だと思います。

岩月 僕もそうなのですが、もう1人挙げるとしたら、西村(宗至朗、社1=大阪・清風)。ルーキー、1年生なのに3番艇を担っている。1年生でそこを担うというのは僕からしたら考えられないくらいなので。僕が1年の時は全然レギュラーになれなくて。それを考えたら西村はいますごくプレッシャーだと思います。実際自分も走れない時もあるので、僕と西村・・・、結構インカレの時もお互いに慰め合ったりしたのですが(笑)。僕らが安定することが、チームの総合優勝へのカギかな、と。他の四人は結構安定して前を走れる、安定して前を走れているので。僕と西村でどれだけスコアを削れるかに懸かっていると思います。

――では最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

岩月 部としては去年4連覇を逃して。負けたところからまた勝っていかなければいけない、と。かなり大きい目標だとは思っていたのですが、色々な大会をこなしていくごとに、すごく現実味を帯びた『日本一』が見えてきています。なので、僕は後輩達のためにも、また『連覇のための1回目』だと考えているので。ここは固く、勝っていきたいと思います。

入江 チーム全員で一致団結して苦しい時もあるかもしれないけどそれを乗り越えるだけのチーム力っていうのは今年の秋インカレだったり色んな大会でちゃんと全員で戦う成果は出ているので、そこを絶対に忘れないで、皆でお互いに信じあって、最後まで気を抜かず、目の前の1艇を抜いて、総合優勝して笑っているのはワセダ、というのをイメージしながら蒲郡に行きたいと思います。

松尾 僕は、去年インカレで負けてしまったのがすごく悔しくて今までヨットを小さい頃からやってきて、悔しいことはたくさんあったのですが、中でもインカレで負けたというのはすごく悔しくて恥ずかしいのであまり言いたくないのですが、レースに負けて涙を流したことは無かったのですが、インカレに負けて、まだインカレで勝ってないのでそのうれしさがどれほどのものかまだ知らないのですが、負けてあれほど悔しいと思うことがあるのだな、と思いました。なので今年どれくらいうれしいのかな、ということも知りたいですし、何としても勝ちたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 金澤麻由、大島悠希)


対談から仲の良さが感じられました!

◆岩月大空(いわつき・おおぞら)(※写真中央)

1997年(平9)2月9日生まれのB型。169センチ、67キロ。スナイプ級スキッパー。自身を大会のキーパーソンに上げた岩月主将。熱い思いを胸にインカレに臨みます。まずは『1勝目』。このインカレから、昨年成し遂げられなかった4連覇、さらに5連覇、6連覇と続く強いワセダへ。まずは今年優勝し、伝説への第一歩を築きます!

◆入江裕太(いりえ・ゆうた)(※写真右)

1997年(平9)12月6日生まれのB型。169センチ、67キロ。スナイプ級スキッパー。端正なお顔も魅力の入江選手。最近坊主にされたそうなのですが、その姿が最近話題になったあの人に似ていると部内ではもっぱら評判だそうです。インカレでは強豪校もたくさん出場しますが、いいスタートを決め、他艇の追撃から逃げ切ってほしいですね!

◆松尾虎太郎(まつお・こたろう)(※写真左)

1998年10月28日生まれのA型。177センチ、73キロ。スナイプ級スキッパー。2年生ながら全日本個選の優勝を勝ち取り、今乗りに乗っています。昨年から大きく成長し、信頼感が備わりました。今年はエンジのスナイプエースの名に懸けて、他大に負けるわけにはいきません。その一走に命運が懸かかります。