11月1日(木)東京六大学秋季フレッシュトーナメント 法大戦 4安打3打点の大活躍を見せた若林秋季リーグ戦で優勝を奪われた因縁の法大を相手に、鶴岡嵩大(環2・桐蔭学園)が3点本塁打を放ち、さらには4番・若林将平(環1・履正社)が4安打3打点…

11月1日(木)東京六大学秋季フレッシュトーナメント 法大戦 


4安打3打点の大活躍を見せた若林

秋季リーグ戦で優勝を奪われた因縁の法大を相手に、鶴岡嵩大(環2・桐蔭学園)が3点本塁打を放ち、さらには4番・若林将平(環1・履正社)が4安打3打点の大活躍を見せるなど、打線が爆発。見事に11ー6で勝利を収め、明日の3・4位決定戦に駒を進めた。

 
慶大11
法大

慶大バッテリー:杉原、○井上怜、松本、関谷―植田響

法大バッテリー:柏野、●平元、古屋敷、落合、川合ー渡邉

慶大本塁打:鶴岡1号3ラン(5回)

法大本塁打:諸橋1号3ラン(2回)

◆慶大出場選手

  ポジション 選手名(学部学年・出身高校)
[9]橋本典之(環1・出雲)
[D]保科圭伸(環2・慶應)
 HD藤元雄太(商2・慶應)
[5]福井章吾(環1・大阪桐蔭)
[7]若林将平(環1・履正社)
[3]鶴岡嵩大(環2・桐蔭学園)
 綿引達也(商1・慶應)
[8]水久保佳幸(総2・慶應)
[2]植田響介(総2・高松商)
[4]矢澤慶大(商1・慶應)
 H堀内一優(商2・慶應)
 谷口勇紀(理2・鎌倉学園)
 H松田颯来(政2・佐賀西)
 田口巧(政2・慶應)
[6]角谷隆之介(環2・湘南)
P 杉原寛哉(総2・桐蔭学園)
  井上怜(環2・慶應)
  松本遼太郎(商1・慶應志木)
  関谷航平(総2・川越東)

4年生の仇を討つ。慶大が宿敵ワセダの前に倒れ、法大に優勝を持っていかれたのはわずか3日前のこと。因縁の相手を前にして、後輩達の闘志は燃えたぎっていた。初回、指名打者・保科圭伸(環2・慶應)が内野安打で出塁すると、4番・若林がレフトに引っ張る見事な当たりを見せ、ランナーが帰還。慶大が幸先の良いスタートを切った。しかしその裏、先発の杉原寛哉(総2・桐蔭学園が先頭打者に初球から死球を与えてしまう。その後バッテリーミスが重なり、あっという間にランナーは三塁へ。すると2番・永廣が中犠飛を放ち、わずか5球で1点を返されてしまった。その後杉原は右打者への投球に苦しんだものの、追加点は与えず、同点のまま試合は進んだ。

均衡を破ったのは法大だった。2回裏、1死一、二塁で3番・諸橋にライトスタンドへの痛恨の3点本塁打を浴びると、一気に3点を勝ち越されてしまう。慶大が相手先発・柏野を捕らえたのは4回表。2死一塁から6番・水久保佳幸(総2・慶應)がセンターへの鋭い安打でつなぐと、7番・植田響介(総2・高松商)がレフトに走者一掃の適時打を放ち、1点差に追いつく。すると、続く矢澤慶大(商1・慶應)の左飛が相手のグラブからこぼれ落ち、2死のためスタートを切っていた走者が帰還。運も味方につけ、この回で同点に追いついた。続く4回裏、杉原に代わってマウンドに上がった井上怜(環2・慶應)が法大打線を上手く打ち取り、良い流れのまま慶大は5回の攻撃へ。


貴重な3点本塁打を放った鶴岡

この回勝ち越したい慶大は、若林の左安打により1死一、二塁のチャンスを迎える。すると、もともと調子が良かったという5番・鶴岡が甘く入った球を振り抜き、待望の勝ち越し3点本塁打に。後続は絶たれたものの、3点の勝ち越しはピッチャーにとって強力な援護となった。そんな援護を受けた井上怜だったが、四球で出塁をを許すと、片瀬の適時二塁打によって1点を返されてしまう。

法大の手強い反撃は続いた。6回裏からマウンドに上がった松本遼太郎(商1・慶應志木)が先頭打者に安打を許すと、4番・羽根にもフェンス直撃の豪快な二塁打を放たれる。しかし1点を返されるかと思いきや、ライトからセカンド、キャッチャーへとつながれた好返球によってランナーをホームで刺し、得点は許さなかった。

2点差のまま迎えた7回表の攻撃。5回表から出場していた先頭の藤元雄太(商2・慶應)が安打で出塁すると、続く福井もライト方向に引っ張って打線をつなぐ。そしてこのチャンスの場面で打席に立ったのは頼れる4番・若林。「最低でもフライでタッチアップ」と考えていたという彼の当たりはセンターへフェンス直撃の適時二塁打となり、1点を追加。さらに、2死満塁で打席に立った代打・堀内一優(商2・慶應)が打ち上げたフライがちょうど太陽と重なり、ファーストがエラー。その間に走者が2人帰還し、この回合計3点という貴重な追加点を挙げた。


2試合連続で捕手としてフルイニング出場をしている植田響

慶大の勢いは止まらず、一昨日の試合でも好調だった松本が見事なチェンジアップで打者を空振り三振に仕留めるなど、7回もリードを守り続ける。続く8回の攻撃では、2死三塁のチャンスで、この試合ここまで3安打2打点の活躍を見せる若林がセンターへ完璧な適時打を放ち、またもや1点を追加。6点の大差をつけたまま、試合は最終回へ突入する。9回裏、この回からマウンドに上がった関谷航平(総2・川越東)が二者連続で四球を出し、代打・永岡大の安打などが絡んで1点を返されてしまう。しかし、それでもまだ慶大には5点のリードがあった。関谷はその後丁寧にアウトを重ね、最後は4番・羽根を打ち取り、見事11対6で勝利を収めた。

應援指導部のいない、いつもより静かな神宮のスタンド。しかしそこには、慶大ベンチに熱い声援を送る4年生達の姿があった。新人戦監督の吉田健一郎新人戦監督(商4・慶應湘南藤沢)をはじめとした多くの4年生の支えの下で成り立っているこの新人戦。この戦いが終わるまでは彼らの戦いも終わらない。いよいよ最後の試合となる明日、後輩達から4年生に、勝利をプレゼントしてほしい。

(記事・澤田夏美  写真・左近美月)

◆打撃成績

  
[9]橋本典二ゴロ 三ゴロ中飛 二ゴロ 二安 
[D]保科二安 左飛      
HD藤元    四球 左安二ゴロ  
[5]福井中飛  中飛二ゴロ 右安一ゴロ 
[7]若林右2①  四球左安 中2①中安 
[3]鶴岡 一ゴロ  二飛右本③ 空三振逃三振 
綿引         
[8]水久保 二飛 左中2遊飛 三ゴロ 空三振
[2]植田響 空三振 右中2②空三振 四球 二飛
[4]矢澤 空三振 左失 左飛   
H堀内      一失  
谷口         
H松田        空三振
田口巧         
[6]角谷   遊ゴロ四球 逃三振遊ゴロ  

◆投手成績

 投球回数打者数球数安打三振四死球失点自責
杉原1345
井上怜1647
松本1456
関谷36

◆監督・選手コメント

吉田健一郎新人戦監督(商4・慶應湘南藤沢)

ーー今日の試合を振り返って

今日はやるべきことをしっかりとできたということが一番良かったかなと思います。

ーー前回の試合では守備で課題が見つかりましたが、今日はどうでしたか

前回は焦って攻めたプレーをして、結果的にフィルダースチョイスなど、取れるアウトをしっかりと取れなかったのが反省点だったのですが、今日はエラーはなかったですしアウトを1つずつ取れたので守備は良かったです。ただ、ピッチャーのフォアボールが多すぎたのでしっかりと修正したいと思います。

ーー若林選手の打撃が好調でした

もともとフレッシュリーグに入るまではあんまり調子が良かったのですが、持ってるものはすごく、プロに行けるくらいの実力があると思ってるので、今日はたくさん打ってくれてしっかり勢いに乗って明日も打ってほしいと思います。

ーー鶴岡選手からホームランも飛び出しました

鶴岡はもともとすごく調子が良く、春だったら三振していたボールをしっかり粘って逆方向に引きつけて打つことができたので素晴らしいと思いました。

ーー明日に向けて意気込みを

優勝の可能性はなくなりましたが、明日勝って終わるか負けて終わるかでは後輩達の今後も違ってくると思うので、最後に勝って終わりたいと思います。

植田響介(総2・高松商)

ーー今日の試合を振り返って

バッター陣がよく打ってくれて、たくさん得点入ってくれたのですが、その中でも四球が13個というような課題もありました。けれども要所要所で抑えて、11安打と四球の数の割には6失点でよく抑えられたというのは良かったかなと思います。

ーー適時二塁打を放つ場面もありました。振り返って

1打席目で直球が来て三振をしていたので、おそらく初球は真っ直ぐから入ってくると読んでいて、思いっきり振った結果があのようになってくれたので良かったです。

ーー松本投手が8回無死満塁から三者三振でピンチを切り抜けました。リードをする上で心がけていたことはありますか

あの場面では三振を取ることがベストなので、三振が取れるように松本はチェンジアップのような落ちる球が良いので、ストレートを見せ球にしながら持ち球で勝負していくというように考えて配球しました。

ーー明日は3・4位順位決定戦です。意気込みをお願いします

吉田健一郎監督を、勝って最高の形で送り出してあげたいという気持ちが一番強いです。

鶴岡嵩大(環2・桐蔭学園)

――試合を振り返って

相手の先発が横のサイドで僕たちいままであまりサイドとか打ったことなくて、試合始まる前にみんなで対策立ててどのような球は打ち、どのような球は見逃そうというのを決めていました。その通りにバッティング出来たので、打線が繋がって点が入りましたし、先発を降板させて、次のピッチャーが来た時にまた全員で対策を立てて、対策通りにみんなやることが出来て降ろすことが出来きました。そうやって法政をどんどん追い込むことが出来たので、バッター陣は良かったかなと思います。

――個人としては打順を1つ繰り上げ、5番で出場しました

実際、練習の時には調子良いっていう風にスタッフの方から言われていたので、自分も自信を持って打順を1つ上げてもらえたということで、とりあえず結果を残そうと意気込んで打席に立ちました。

――まさにその結果を残す勝ち越しの3ランを放ちました

あの時は前の2打席が意識的には良かったんですけど結果としてはあまり良くなかったので、もう割り切って監督に使って頂いてるから言い方は悪いですけど自分が打てなかったのは監督のせいだ、という位に割り切って1球に集中して打ったらホームランになったという感じでした。

――明日に向けて意気込みを

元々の目標は新人戦優勝だったんですけど、まあそれが3・4位決定戦になったからといって全員が落ち込んでるんじゃなくて、次3位を狙おうという風にロッカールームでも話してたので今日みたいに試合前からしっかり準備をして、対策立ててってやっていければと思います。

若林将平(環1・履正社)

ーー今日の試合を振り返って

一昨日の試合で負けて、春のフレッシュリーグでも1勝もできなかったので、スタッフとして支えてくれていは4年生に1勝でも、という気持ちで、試合前からみんないい気持ちで入れていたのでこのような結果につながったと思います。

ーーフレッシュリーグ前はあまり調子が良くなかったと監督からお聞きしました

春は自分のことばかり気にしていたのですが、この秋はとにかく4年生に勝たせてあげたいという気持ちで臨んだら、ボールが切れるようになったし、ミスも少なくなったかなと思います。

ーー全打席で出塁されました。1打席目を振り返って

どんなピッチャーかなと様子見をしたのですが、1球目見て、これは行けるなと思ったのでセンター返しを心がけたら結果的にライトオーバーこ当たりとなりよかったです。

ーー2打席目を振り返って

春のフレッシュリーグでも対戦したことがあったのでどんな球を投げてくるのか分かっていたのでしっかり打てて良かったです。

ーー3打席目を振り返って

スリーボールになって、打つよりも四球狙いで、厳しく行かない方がいいなと思って四球を選びました。

ーー4打席目のフェンス直撃適時二塁打は

無死一、三塁で、最低犠牲フライでもいいかなと思い、1球目思い切ってホームランを狙ってスイングしました。そこでこの打ち方じゃだめだと思い、最低外野フライでタッチアップ、と思ったのがたまたまうまくいった、って感じです。

ーー5打席目は

変化球、変化球と来て、最後真っ直ぐが来るだろうなと思って、ちょっと詰まりましたけど素直にセンター返しでヒットになって良かったです。

ーータイムリーのあと大きなガッツポーズも見られました

4年生に向けて、です。勝ちたくて、素直に喜びが出ました。

ーー今季、4番打者としてスタメン出場されていますが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

調子があまり良くなかったのですが、調子悪いとか試合になったら関係なくて、4年生に勝たせてあげたいというきもちだけでした。

ーー明日に向けて意気込み

4年生の監督やスタッフも、1、2年も、今日勝つためだけにやってきた訳では無いので、明日も勝てるように全員で頑張ろうと思います