第3回に登場するのはスナイプ級クルー4年生の対談。3年生クルーの台頭が目覚ましい今季だが、最上級生としてスナイプチームを支えている3人。4年間の集大成となる舞台に対する特別な思いを伺った。 ※この取材は10月18日に行われたものです。「選…

 第3回に登場するのはスナイプ級クルー4年生の対談。3年生クルーの台頭が目覚ましい今季だが、最上級生としてスナイプチームを支えている3人。4年間の集大成となる舞台に対する特別な思いを伺った。

※この取材は10月18日に行われたものです。

「選手層が厚い」(鈴木)


今季を振り返る鈴木

――今シーズンを振り返っていかがですか

神宮 春のインカレ(関東学生春季選手権)も早慶戦も要所要所の大会は総合では勝つことができていて、全日本学生個人選手権でも各自しっかり成績を残せていて、470だったら田中(美紗樹、スポ3=大阪・関大第一)とかが世界選手権とかに出て抜けていても、それでも勝つことができているのは、ある程度層の厚さというか、総合力はかなり付いてきてるのかなという印象はあります。

三宅 チームの中でいい競争環境が常に維持できていたなと思っていて、470も熾烈(しれつ)な3番艇争いがあったり、スナイプでも常に3艇が高いレベルで練習から競えているというのが、いま神宮が言ったような総合力の高さにつながってきたという意味では、チームから人が抜けること(国際大会への出場のため)も結構あったんですけど、総じてチームの中で質の高い競争環境をつくることができていて、それが良かったかなと思っています。

鈴木 僕が一番思うのは選手層が厚いっていうのが今年の特徴で、春から主要な大会は全部勝ってるけど、おごらずに練習を重ねて、成長し続けられたのは内部での競争があったから、どんなにレースで他大学に勝っても厳しく取り組み続けられて、チームとして成長し続けられたのかなと思っています。

――神宮選手は夏にケガをされたとお聞きしましたが、その後はいかがですか

神宮 8月の中旬くらいにケガをしてしまって、夏合宿期間で一番練習ができるときにケガをしてっていう状態で、かなり精神的にはくるものがあったという感じで…。いまも完全復帰というまでのパフォーマンスはできないとは承知しているんですけれども、それでももし試合に出ることができるのであれば、そのときはそこで100%のパフォーマンスができないという言い訳はできないので、できないなりにも全力でプレーはしたいなと思ってます。

――夏合宿は蒲郡での合宿もありましたが、成長を感じる部分はありますか

三宅 チーム全体としては夏休みの期間に、チームの外にでる選手がすごい多かったんですね。世界選手権だったり国体(国民体育大会)だったり。それでチームの外に出た選手がもう1回チームに戻ってきたときにしっかりお土産を持ってきてくれるというか、世界選手権とかで学んだことをチームに還元する流れがどの選手もやってくれて、それがチームにいい影響を与えてくれたと思いました。具体的に言うと、例えばスナイプだったら松尾(虎太郎、スポ2-山口・光)が470に出て、そこで学んだことをクラスは違うんですけど、スナイプの方に持って帰ってきてくれて、それをチーム全体に紹介するというような取り組みが非常に盛んに行われていたので、そこはチームとしてすごいレベルアップできたと思います。

鈴木 僕は結構下級生と一緒にいることが多かったんですけど、夏合宿で蒲郡期間に上級生を中心としたレースメンバーが抜けて、(自身は)関東に残って練習してたんですけど、下級生がヨットに乗る機会を与えられたんですね。そこで感じたのは、普段全員そろったときは練習の運営側に入るわけなんですけど、乗ったことによって、その質が向上したというか。練習をする上で何が大事なのか考える機会になったと思うので、夏合宿でチームが成長したと感じるのは下級生が大きく成長してくれて、それによって練習の質が大きく向上したんじゃないかなと考えてます。

神宮 さっきケガの話があって、夏休みの前半と後半があって、その間の期間は結構休んでいて、久しぶりに復帰して感じたことはスキッパーももちろんなんですけど、クルーのレベルも上がっているなと感じてて、それは練習風景をみていてもそうですし、その後のミーティングでのクルーたちの会話を聞いていても、特に3年生中心にレベルアップしているなと感じています。

「ヨットは変数が多い(競技)」(神宮)


ヨットの魅力を語る神宮

――スナイプ級スキッパーの対談の際に、「スナイプチームは仲がいい」とお聞きしましたが、チームの雰囲気はいかがですか

三宅 結構スキッパーはスキッパーで仲良くなって、クルーはクルーで仲良くなっています。スキッパーは共通の趣味があって、ゲームが好きなんですよ。

一同 (笑)。

三宅 携帯ゲームがすごい好きで、スキッパーはそれで盛り上がっていつも仲良くしてます。クルーは…

神宮 前、クルー会やりました。クルー全員で焼き肉食べに行きました。それくらい仲はいいです。

――4年生のカラー、特徴は

一同 うーん…

神宮 薄い赤みたいな感じですね。そんなに派手じゃないですね。今までの先輩に比べたら、派手でもないしそんなに情熱的という感じでもないんですけど、各個人内なる闘志はちゃんと持っていて、それが要所要所出ている感じはします。めっちゃ赤って感じではないです(笑)。

三宅 そうですね。主役じゃないんですよね。結構地味目な赤なので(笑)。チームの主役は下級生。競技力でも雰囲気でも下級生がチームのカラーを特徴づけていると思います。一方4年生はそれをあんまり表立って行動することがないので…なんて言ったらいいのかな。下級生が自分のカラーを出せるように気を使ってふるまっていきたいので…一言で表すのは難しいね。例えば飲み会とかでも一番騒ぐのは3年生なんですよ(笑)。それを4年生は隅の方で見てるっていう、そういう構図で。結構そういう構図が良く見られるというか。

――4年生同士でオフの日にどこかへ行くことは多いのですか

鈴木 ほとんどなくね?

三宅 (普段)一緒に行く時間が長くて、常に部活で一緒にいるので、オフにわざわざ彼らとどこかに行こうという気にはならないですね(笑)。

――オフの日は何をして過ごしていますか

神宮 牛肉とお刺身を絶対食べます。

――何か理由はあるのですか

神宮 合宿で出ないので。あと納豆(笑)。これも出ないので(笑)。

――お二人はいかがですか

鈴木 バイトして、友達と飲みに行ってみたいな感じですかね。

三宅 Youtubeでお笑いの動画見てます。合宿所は結構電波が悪くて、圏外とかになっちゃうんですよ。なので、オフになって東京に戻ってくると、その時に初めて電波が手に入る。Youtubeでたくさんお笑いの動画を見ます。

――春は就職活動などもあったと思いますが、就職活動や学業との両立は大変ですか

三宅 すごく今更なんですけど、学問の楽しさを知りました。勉強楽しいなという感じなので、最近真面目に授業を受けているんですけど、意外と楽しいんだなあと思って、いま4年間で一番勉強のモチベーションが高いです。

――何かきっかけがあったのですか

三宅 きっかけは「単位やばい、取らなきゃ。」って真剣にやり始めたのがきっかけなんですけど(笑)。そしたら意外と楽しかったということです。

鈴木 4年生でゼミしか残ってなくて、勉強っていう勉強は全然してないけど、就活、部活、学業の3つは無理だなと思ってたので、3年生までは堅実に単位を取ってました。でも勉強が楽しいと思ったことは一度もなくて(笑)。ただ取らなきゃいけないから取るという感じでした。

三宅 一般教養楽しいよ。

鈴木 楽しいの?あれ。

三宅 楽しい楽しい。

神宮 僕は4年生に単位残しちゃった勢なので、就活、部活、学業は難しかったですね。でもだいぶ人の力も借りながら(笑)。効率よく乗り切りました。

――お三方はお互いどのような印象を持っていますか

三宅 鈴木はストレスに強そう。

一同 (笑)。

三宅 1年生の時から見てると、先輩にかなり厳しく怒られてもケロッとしてて。社会に出て、つらいことがあってもやっていけそうだなと。

――実際はいかがですか

鈴木 そうですね。そんなに引きずらない。怒られても「すみませんでした。」っていつまでも落ち込むようなことは人生で一度もないのかなと思います。

鈴木 逆に僕、神宮は世渡り上手だなと思ってて。ややこしい先輩につかまってもうまくやってるなと思います(笑)。僕は特に何も考えずに過ごしてたら怒られたりするんですけど、神宮は結構先輩に可愛がられがちだから、うまいなと思ってました。

神宮 事前に怒られないように予防線を張っとく(笑)。

三宅 確かに、それは僕も思います。上の人から気に入られるのが得意。部内もそうですし、部外の社会人の選手からも気に入られてるので、羨ましいですね。

鈴木 三宅は…

神宮 ケツがでかい(笑)。

三宅 そう、僕ケツがでかいんですよ。

神宮 後ろから見た歩き姿がプリプリしてる。奏太郎(鈴木)は細すぎますね。

三宅 だって僕と彼、身長同じで14キロ差ですよ。

神宮 10キロはケツですね。

一同 (笑)。

鈴木  今のとこケツがでかいしか出てないよ。

三宅 それは同期からいじられます。じゃあ(印象は)ケツがでかい、で(笑)。

――そもそもヨットを始めたきっかけやヨット部に入った同期はありますか

鈴木 僕は新歓で誘われて試乗会に行って面白そうだなと思ったのと、あと祖父が別の大学のヨット部OBで、ちょっとは知ってたけど大学入るまでやる機会がなかったので、頭の片隅にはあったという状態で、新歓に行ってどういうものか触れて、やろうかなと思ったのがきっかけですね。

三宅 僕は高校から始めたんですけど、その時は結構親がアウトドア志向で、海とか山によく連れてってもらったので、それでアウトドアスポーツに惹かれたところから始めました。高校のヨット部はすごい弱かったんですよ。地区予選敗退みたいな。それで悔しい思いをしてたので、大学は僕が入る当時日本一だったので、そこで違う世界を見てみたいと思って入った感じです。

神宮 僕は大学から始めて。高校は違う部活をやっていたんですけど、僕も引退したときに不完全燃焼みたいなところがあって、それで大学で何でもいいから打ち込みたいなというのがあって、そこで同期の古橋くん(捷太、先理4=東京・早大学院)が元々高校から知り合いなんですけど、たまたまヨット部に入ると言っていて、じゃあ僕も試乗会行ってみようかなと思って行って、なんとなく直感でここかなと思って入りました。

――ヨットの魅力はどのような部分に感じますか

神宮 ヨットっていろいろ変数が多いなというか。風を相手にしているスポーツっていうのもあって、自然が相手でもあり、他のヨットと戦ってるスポーツでもあり。その中で戦術も重要になってくるし、ボートスピードも重要になる中で、考えることがいろいろありすぎて下級生のころはがむしゃらにやっている感じだったんですけど、4年生になってヨットのこともわかってくると、考えることがたくさんあって楽しいスポーツだなと感じています。

鈴木 僕も変数の多さが魅力だと思っていて。僕は高校までずっと水泳をやっていて、水泳なんて道具を使うわけでもないですし、天候にも左右されない。ヨットを始めて、乗ってる人の身長体重、船の整備とか自然を相手にしてることもあって、何が起こるかわからない。例えば、僕去年スキッパーをちょっとやっていて、上マークだけなら、永松礼さん(平30スポ卒=大分・別府青山、昨年の全日本選手権チャンピオン)の前を走れることがたまにあったんですけど、それは絶対に水泳では起きなくて。何回やっても僕が萩野公介さんに絶対勝てない。でもヨットでは上マークの順位くらいなら勝てることもあって、水泳と全然違う魅力なのかなと感じました。

三宅 僕は大自然の美しさですね。

一同 (笑)。

三宅 いや、本当に(笑)!例えば、つらい練習をしてる時に最後、練習が終わって港に帰るときに、背中を見たら真っ赤に燃えるような夕焼けがすごいきれいだったりとか、練習中に必死になってやってたら、自分の船のところにイルカが寄ってきて、イルカと一緒に走ったりとか。マンボーを見たりとか、クラゲの大群がいたりとかっていう感動するシーンが多くて、寒かったり辛かったり厳しい練習が大半なんですけど、その中に少しだけそういう自然の魅力を感じることができるというのは楽しさと厳しさが共存してるところがヨット競技のいいところだと思います。

――もうすぐ合宿所生活も終わりですが、何か感じることはありますか

鈴木 僕は4年生なんですけど、まだ廊下で寝ていて(笑)。だからもう少しも寂しくないというか、いま1年生、1年生、4年生、1年生の並び順で寝てて、何だこれはってずっと思ってたので。やっとちゃんとしたところで寝られる生活が送れると思うと、清々するかなと思ってるんですけど、終わってみたら寂しく感じるかもしれないですね。

神宮 僕は半分半分って感じですかね。合宿生活を通していろいろ変わったことがあるので。1年生のころは人が握ったおにぎりも食べられなかったし(笑)。みんなと一緒にお風呂に入るのも嫌だったし、実は洗濯もよくやり方わからなかったし、ってすごい未熟なところがあったんですけど、合宿生活を通して、ある程度変われたし成長もできたので、名残惜しいのもあるんですけど、やっぱりうれしさの方が勝ちますね(笑)。

三宅 僕ケツがでかいんで、ケツが当たっちゃうんですよ。すれ違う時に。僕は特に寂しさとか名残惜しさはないですね。あまりにも日常すぎて、それが終わってしまう実感が持てないというか。2か月後でも合宿してそうな気持ちでいます。多分これがなくなってしまうと心にぽっかりと穴が開いたようになってしまうのかなと思いつつ。でもその実感は全く持てないという感じですね。

「責任が重い」(三宅)


自分の艇がキーになると話す三宅

――それでは全日本インカレの質問に移らせていただきます。全日本インカレまであと2週間ほどですが、現在の心境は

三宅 これ2年前も言ったんですけど(笑)。刻々と迫っているというか、来るべくして来たんだなという感じで、あと2週間しかないんだと焦ってる気持ちは全然ないです。というのも、僕は携帯のカップル専用アプリで記念日をインカレの初日に設定していて、残りの日数が携帯に表示されるんですね。だからこれを毎日見ながら過ごしているので、これが少しずつ減っていってここまできたので、着実に一歩一歩歩みを進めているなと。特に焦ることもなく、そのおかげで冷静にインカレに臨むことができている、そういう精神状態に持っていくことができていると思います。

鈴木 僕は自信半分、不安半分みたいな感じで、いまずっと重要な大会勝ってきて、そのままの勢いで行けるという気持ちもありつつ、去年の例があって。絶対勝てると思って、戦力的にも申し分ないと思って臨んだのに負けて、何が起こるかわからない怖さが頭をよぎって。だから勝つ自信はあるけど、一方で不安を拭いきれない感じです。先日テニス部が(全日本大学対抗王座決定試合で)優勝したと思うんですけど、アベック13連覇ですよね。だから彼らはどういう気持ちで戦ってたのか、ちょっと聞きに行こうかなと思うぐらい。100%自信を持っていきたいけど、去年のことが頭をよぎるなというのがいまの心境です。

神宮 さっき三宅が言った通り、チーム全体で平常心を保ってるというか、残り時間も限られている中で、できる限り成長していくけど、残りの日数も考えて、やれることだけやっていこうという感じでいってるので。僕自身、不安が募っちゃうタイプなんですけど、チーム全体がそういう雰囲気なので、そこは助けられてると思います。ただもちろん、インカレは本当に何が起こるかわからないので…という感じです。

――4年生ということで最後のインカレとなりますが、特別な思いはありますか

鈴木 学年が上がるにつれて僕はインカレで勝ちたいという気持ちが強まっていて、それはチームの中で過ごした時間が長いから、チームへの思い入れがそれに比例して大きくなっているので、今年は過去3回に比べると勝ちたいという気持ちは大きいです。

三宅 4年生のインカレはすごく責任が重いなと。2年前も蒲郡でインカレがあったんですけど、そのときは先輩と乗っていて先輩に乗っけられて結構気軽ではあったんですけど、今年はそうではないので。例えば、秋インカレ(関東学生選手権)で自分はBFD(スタート時の失格)を付けてしまって、そのときにやっぱり4年生ペアの責任の重さをすごく痛感して、秋インカレ勝ったんですけど実は自分はそんなに素直に喜べなくて。自分が4年生として果たさなければいけない責任を果たすことができなかった。チームのみんなに助けられて勝てた。それは良かったんだけど、自分が責任を果たせなかったなと、素直に喜べなかった自分を客観視して責任ってすごい重いんだなと感じました。なので、おととしと場所は一緒なんですけど、今年のインカレはそこに懸かってくる責任が全く違うなと思っています。責任を果たせるように頑張っていきたいと思います。

神宮 4年生になって今までの主要な大会でも感じていたんですけど、OGOBの期待の大きさっていうのがすごいあって。去年の先輩方は負けてその分僕たちに懸けてると思いますし、もちろんその上のOBOGの方々も「今年は勝ってくれよ。」みたいなことはよく言われてるので、そういう人たちの分まで、僕たちが頑張らないといけないなと思って。4年生ということもあってその分今までよりも責任感はあります。

――全日本インカレでのキーパーソンを挙げるとしたら、どなたですか

神宮 岩月(大空主将、スポ4=愛知・碧南工)・三宅ですね。

三宅 僕も、自分って言うのもなんですけど、自分たちの艇だと思います。

鈴木 僕も岩月だと思います。

――どういった面でそう思われますか

三宅 岩月・三宅の成績が大事だと思います。というのも、岩月ってすごい顔に出やすいタイプ。成績がいいときはすごく明るいけど、悪いときは落ち込んじゃうタイプで、その彼が主将である、と。彼の成績がチーム全体の雰囲気に与える影響はすごく大きいと思うので、インカレ4日間を通して、自分と彼がいいスコアを残すことができれば主将が笑顔になる。主将が笑顔になると、チームの全体が笑顔になる。っていうように自然といい雰囲気になると思うので、そういう意味でも自分たちの艇がキーになってくると思います。

鈴木 三宅と一緒かな。岩月の成績で表情とか醸し出す雰囲気がチームの雰囲気が直結すると思うので、そういった意味で岩月の成績を良く保つことが優勝につながるんじゃないかなと思っています。

神宮 違う人を言うと…じゃあキーピープルで、サポートの人たち。蒲郡はこの時期、めっちゃ風が吹くところで、おととしの全日本インカレでもスナイプのマストが3艇全部曲がってしまって、新しいマストで次の日レースしなくちゃいけない状況で。とてもトラブルが多い状況なので、そこでいかにサポートチームがサポートできるかというのが、チームの総合力が問われる場所だと思うので、サポートチームがいかに迅速で丁寧なサポートができるかが優勝につながるかなと思います。

――最後に全日本インカレへの意気込みをお願いします

三宅 粛々と。粛々と優勝に向かって歩んでいきたいと思います。ヨットは自然のスポーツで不確実性が非常に多い競技で、スコアがいいときも悪いときもある。けれどもそれに一喜一憂することなく、目の前のやるべきことをひとつひとつこなしていって、気づいたら優勝だったというのが僕は理想の勝ちパターンだと思ってます。さっきも言った通り、岩月が結構顔に出やすいタイプなので、自分はペアとして粛々とやるべきことに徹することで、それが総合優勝につながると信じているので、そういうふうに4日間乗り切りたいと思います。

鈴木 浮足立たずに、地に足を付けた状態でインカレを迎えて、そのままレース日程を過ごしたいと思います。神宮もさっき言ってたんですけど、蒲郡は風が強くて特に何が起こるかわからない場所なので、何があっても冷静に対応して、自滅するかたちで絶対に点を落とさないように。逆に周りが自滅していく可能性もあるので、自分たちは落ち着いて対処して平常心でレース日程を過ごしたいと思います。

神宮 全日本インカレに個人的に出られるかはまだわからないんですけど、もし出る機会があるならば、そのときは万全の準備を整えて、最高のパフォーマンスをするっていう意気込みがまずあります。あとは最後のインカレっていうのもあるので、楽しくやりたいなと思ってます。最後まで笑顔でやりたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 加藤千咲)


最後の全日本インカレへの思いを書いてくださいました!

◆神宮泰祐(じんぐう・たいすけ)(※写真左)

1996(平8)年12月11日生まれ。B型。169センチ。62キロ。東京・早大学院高出身。政治経済学部4年。スナイプ級クルー。夏にケガをしてしまい、苦しい夏合宿期間を過ごしたという神宮選手ですが、全日本インカレではこの4年間の努力が『結』ばれることを願います!

◆三宅功輔(みやけ・こうすけ)(※写真中央)

1996(平8)年7月11日生まれ。173センチ。70キロ。東京・早大学院高出身。商学4年。スナイプ級クルー。2年前から変わらず、カップル専用アプリで全日本インカレへのカウントダウンをしていると紹介してくださった三宅選手。みなさんから今大会のカギである艇に挙げられた岩月主将とのペアとして、『粛』々とレースに挑んでくれることでしょう!

◆鈴木奏太郎(すずき・そうたろう)(※写真右)

1996(平8)年7月15日生まれ。A型。173センチ。56キロ。東京・早稲田高出身。商学部4年。スナイプ級クルー。高校時代は水泳をしていたという鈴木選手。4年間で感じたヨットの魅力を熱く語ってくださいました。集大成である今大会では総合優勝という目標を『実現』してくれることでしょう!