各地方リーグや全日本大学大会を勝ち抜いた24チームが、しのぎを削る全日本学生選手権(インカレ)。ベスト4進出を狙う早大の初戦は、武蔵大が相手となった。試合は第1クオーター(Q)に2得点を奪い主導権を握ったエンジのユニフォームが、後半も相手…

 各地方リーグや全日本大学大会を勝ち抜いた24チームが、しのぎを削る全日本学生選手権(インカレ)。ベスト4進出を狙う早大の初戦は、武蔵大が相手となった。試合は第1クオーター(Q)に2得点を奪い主導権を握ったエンジのユニフォームが、後半も相手を寄せ付けず4-0のスコアで勝利。初戦を突破し、明日の2回戦へ駒を進めた。

 試合序盤からボールを支配した早大は、MF大野誠弥(政経3=東京・早大学院)の鋭いシュートで幸先よく先制に成功。さらにその3分後にもMF関修平(商4=東京・早大学院)のパスに、大野がうまく反応し追加点を奪う。しかし続く第2Qは「なかなか決めきれなくて少しもどかしい時間帯」(関)と、歯車がかみ合わず決定打を欠くシーンが続き、一瞬の隙を突かれペナルティーコーナー(PC)を献上する場面もあった。それでもGK山本健悟(社3=滋賀・伊吹)の好守でこのピンチから脱し、2点のリードで前半を折り返す。


ハットトリックを達成した大野

 後半に入っても早大ペースで試合は進むが「何本かシュートチャンスを逃してしまった」(FW糸賀俊哉主将、スポ4=島根・横田)と、前半同様に好機を生かすことができない。それでも第3Q終了間際「気合いでねじ込みました」と、PCのチャンスからFB中嶋錬(スポ3=島根・横田)が追加点を奪取。さらに最終Qで「良いところに来たボールを積極的に打った結果」(大野)と、再び大野のスティックが火を噴き、ハットトリックを達成。大野の活躍が勝利を大きく手繰り寄せ、そのまま試合終了を迎えた。


PCから得点をあげた中嶋

 完封勝利でインカレ初戦を突破した早大。しかし「もっと大量点を取れるような試合だった」(原聡監督、昭59理工卒)と、内容にはまだまだ満足していない。本来の調子を取り戻し、決定力の改善が急務となる。試合は連日に渡って開催され、明日は大阪大と対戦。ベスト16に終わった昨年の雪辱を果たすためにも、今後の戦いに弾みをつけるためにも、明日は絶対に負けられない。

(記事 成瀬允、写真 元田蒼、佐鳥萌美)

TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL
早大
武蔵大
コメント

原聡監督(昭59理工卒)

――インカレ初戦でしたが、狙いはどこに置いていましたか

今日は初戦でしたので、組み合わせとしてはこれからだんだん(相手のレベルが)上がっていく形になっています。もちろん油断はしてはいけないし、しっかりやらなくてはいけないので、やることをしっかり丁寧に出していくということが狙いでした。

――前半を振り返っていかがですか

最初に、もう少し早く点を取りたかったですね。それから点数も、第1Qは2点、第2Qには点を取れませんでした。後半にいろいろなことを試せるように、点を取りたい試合ではあったので、そこはできなかったですね。

――後半も、得点というところでは、ご覧になっていかがでしたか

チャンスがないわけではなくて、もっと大量点を取れるような試合だったと思います。ただ、相手も、こういったノックダウンの試合で、必死にやっているので。あと、(早大は)ボールのないサイドの準備について、もう少し工夫が必要だったかなと思います。結構良いボールが入っても、抜けてしまったり。ピンポイントでしかシュートチャンスがない状態なので、それを複数のところで取れるようにできれば、確率が上がってくると思います。

――大野誠弥選手(政経3=東京・早大学院)はハットトリックの活躍でした。昨年もインカレでの活躍がありましたが、勝負どころでの決定力についてはどうご覧になっていますか

特に最初の得点で、難しいシュートを決めてくれたので、そこは非常にチームとして安心できたポイントだと思います。ただ、立場的には、昨年から学年が1つ上がって3年生、上級生なので、そういった意味ではもっともっとチームを引っ張ってもらいたいと思います。

――1年生の起用が多くなりましたが、狙いは

われわれは人数が少ないので、1年生だからといって、後ろにいるというわけにはいきません。これからレベルが上がっていく中で、5分でも10分でも役に立ってもらわなければいけません。こういった勝っている試合の中で、われわれも調子を見たいし、本人たちも試合に慣れていくことが必要だったというところです。

――明日も試合があります

明日も、今日と同じように、これまでの実績から見れば我々の方が一段上の実績を上げている相手です。ただ、それだけにきちっと試合をして、油断をせず。今日と同じような思いで臨みたいと思います。

FW糸賀俊哉主将(スポ4=島根・横田)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

大量得点で勝つことが1番良かったですが、序盤のチャンスで外してしまい、結果的には大差はつかなかったですけど後半の方にも点が入って、1年生といった普段あまり試合に出ない選手も経験が積めたので、そこは良かったかなと思います。

――初戦はどのように臨まれましたか

普段よりは緊張はしなかったかもしれませんが、インカレ初戦ということで入りは大事にしたかったので、そこはいつもと変わらず緊張感を持ってやろうと話しました。

――1年生が起用されました。動きや連携面はいかがですか

上級生と比べて長くプレーをしていない分、自分たちと全く同じプレーはできないと思いますが、自分たちにできることを考えてやるように試合前や練習で言っているので、きょうは指導している通り、できることをしっかりやってくれていたと思います。

――攻めながらも、あと一本が出ませんでした

結構、打ち込みが多くなったんですけど、セカンドポストであったり、抜けてきたところにFWが入っていなかったりしたことで、何本かシュートチャンスを逃してしまったので、そこは反省点かなと思います。

――明日の大阪大戦に向けて一言お願いします

きょうは1年生が出場した分、メンバーに疲労が溜まっていない状態であすの試合に挑めると思うので、きょうと同じように序盤から緊張感を持って、前からガンガンいきたいと思います。

MF関修平副将(商4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがです

相手が関東2部のチームということだったので、勝利は前提でいかに良い内容で点差をつけられるかという共有していました。内容としてはずっと攻めてはいられたのですが決定的なところで決めきれなくて思っていた通りにはいかなかったです。

――試合中に「駿河台(大)と同じように」と声をかけていましたがどう言った意図があったのでしょうか

相手が後ろからスクープをあげてくる時間帯があり、関東リーグで駿河台大と同じ日吉(グラウンド)で対戦した時を思い出して、あの時も後ろからスクープを飛ばしてくるということへ対策をしていたのでそれを思い出して焦らずしっかり対策をしていこうというのを伝えようと思って言いました。

――第2クオーターでは得点を奪えない時間が続きましたが、実際に戦っているなかではいかがでしたでしょうか

ほんとうにキャプテンとかにシュートチャンスが多かったのですがなかなか決めきれなくて少しもどかしい時間帯ではありました。ただこれでイライラしたり、焦ってしまったりすると相手にチャンスを持ってかれたりするので、なるべく焦らないようにとチームに伝えることを心掛けました。

――連戦となりますが明日への意気込みをお願いします

明日の大阪大とは関西のチームで対戦経験はありませんが勝てると思いますし、自分たちが目標としているのはその次の試合なのでそこへ向けて良い流れを作れるように良い内容と点差をつけて勝ちたいと思います。

FB中嶋鍊(スポ3=島根・横田)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

正直、もっと(点を)取れたと思います。その中で僕はPC(ペナルティーコーナー)3本目で決めたので、あとのPCを決めていればと思うところはありましたね。反省点もありつつ流れは悪くなかったと思うので良い試合でもあったのかなと思います。

――この試合のPCのコンディションはいかがでしたか

少し詳しいことになってしまうのですが、前半は相手ゴール付近のグラウンドがサークルトップのところを張り替えていてボールが浮いてしまったりしました。コンディションを言い訳にするのも良くないですが少し打ちづらいというのはありましたね。その中でもやはり決めないといけないのでそこは残念だったと思います。

――武蔵大と対戦してみての印象はいかがですか

僕らペースでできたと思います。自分たちのプレスをかけれて前で取ったりもできました。危ないシーンもペナルティーコーナー1つぐらいしかなかったので印象としては戦いやすかったです。

――自身の得点シーンはどうでしたか

コースは悪かったのですが、さすがに3本目ということもあって外せないなと気合いでねじ込みました。

――明日の大阪大戦への意気込みをお願いします

明日も勝つことは条件で、多分山梨学院大学ひかえていると思うのでそこへ向けてどれだけ良いモチベーションでいけるか。また全力を出しつつも山梨学院大を見据えたゲーム展開をしていきたいです。

MF大野誠弥(政経3=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

全体的に自分たちのペースでできたのは良かったなって思うんですけど、後半に体力消耗抑えるために一年生起用したんですが、攻撃が単調になっちゃったりとかプレスがかからなかったりとかそういう点があったので、次戦にむけてしっかり自分で考えていきたいと思います。

――ハットトリックを遂げられたことに関してはいかがですか

自分的には点を取るっていうポジションではなかったので、ボールを回そうという意識だったんですけど、結果的に良いところに来たボールを積極的に打った結果がハットトリックにつながったかなと思います。今後も積極的にゴール狙っていきたいなと思います。

――昨年のインカレでもハットトリックをされていましたね

たまたまっていうのもありますし、他の人がつないでくれたっていうのもありますし、しっかり練習の中でもいろんな意識ができていたので、結果的にゴールにつながったのかなと思います。

――きょうの手ごたえはいかがでしたか

そうですね、70点くらいですかね。もっとテンポよく試合を進めたかったというのがあったので、ゴール以外の面でボールを回すだとか声掛けだったりを意識して次の試合に挑みたいと思います。

――あしたへの意気込みを改めてお願いします

きょうよりも良い内容で試合を進めたいと思っている