「ATP500 ウィーン」(オーストリア・ウィーン/10月22~28日/室内ハードコート)の大会最終日、男子シングルス決勝で優勝した世界ランキング8位、第2シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)と準優勝となった第5シードの錦織圭(日本/…

「ATP500 ウィーン」(オーストリア・ウィーン/10月22~28日/室内ハードコート)の大会最終日、男子シングルス決勝で優勝した世界ランキング8位、第2シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)と準優勝となった第5シードの錦織圭(日本/日清食品)が試合後のセレモニーでスピーチを披露した。

最初に登壇した錦織は「決勝で敗れはしたけれど、素晴らしく、楽しい一週間でした。優勝したアンダーソンとその関係者のみなさん、本当におめでとうございます。大会はとても素晴らしい雰囲気で、来年もまた出場したいと思います。本当にありがとうございました」と語った。

続いて優勝したアンダーソンは「シーズンの後半に来て素晴らしいプレーを取り戻した錦織選手、おめでとう」と準優勝の錦織を称えた。そして「チームと妻、あと愛犬にも感謝しています。毎年、このウィーンでの戦いを楽しみにしていますが、ATP500の大会を優勝することができて、本当に嬉しいです」と喜びを語った。

錦織はこの大会で優勝すれば2年8ヶ月ぶりとなるタイトル獲得だったが、アンダーソンにストレートで敗れ、叶わなかった。さらに決勝で9連敗という不名誉な記録も作ってしまった。

錦織自身もこの大会で勝ちたかったのだろう、試合が終わってすぐベンチに戻ると、最後にエースを決めて勝利し、妻と愛犬の元に歩み寄るアンダーソンとは対照的にベンチに戻ってタオルを頭から被ってうつむく場面も見られた。

また、アンダーソンはこの優勝によってシーズン最後に年間の上位8選手で競う「Nitto ATPファイナルズ」の出場権をかけたレース・トゥ・ロンドンにおいて、自力で出場権を獲得したことになる。錦織はジョン・イズナー(アメリカ)が同大会の2回戦で敗れたことによって9位に浮上したが、8位のドミニク・ティーム(オーストリア)との差はまだ325ポイントある状況だ。

残る大会は10月29日から開催される「ATP1000 パリ」のみ。連戦となるために疲れもあるだろうが、見事に勝利を重ねて出場権を獲得することに期待したい。(テニスデイリー編集部)

※写真は「ATP500 ウィーン」決勝での錦織圭

(Photo by Andrea Kareth /SEPA.Media /Getty Images)