「BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール」グループステージ第3戦目を途中棄権し、涙の敗退となった大坂なおみ(日本/日清食品)。最後は苦渋の決断からか涙をこらえ切れなかった大坂だが、今シーズン大躍進を見せた激動の一年に心から拍手を送…

「BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール」グループステージ第3戦目を途中棄権し、涙の敗退となった大坂なおみ(日本/日清食品)。最後は苦渋の決断からか涙をこらえ切れなかった大坂だが、今シーズン大躍進を見せた激動の一年に心から拍手を送りたい。

WTA公式サイトによると、その大坂は試合後の記者会見で「私はいろんな事を見たり経験することができました」と自身のシーズンを振り返った。シーズンが始まる2018年1月1日では68位だった世界ランキングは、いまや日本人女子歴代最高タイの4位。伊達公子さんに並ぶ順位で、自己ベスト大幅更新だ。

「新しい経験がたくさんありました。 私はこれらの機会を得ることができたことに非常に感謝しています。私は大きく成長できたような気がします」

今年の3月、自身初となるツアータイトルを「BNPパリバ・オープン」で獲得した大坂。その後も特にメンタル面での成長を見せ、「全米オープン」決勝では幼少期から憧れだったというセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を見事ストレートで撃破。遂に男女通じて日本人初のシングルスでのグランドスラム初優勝を成し遂げた。

大坂は「今年の初めには、私がしている事は非常に先行き不透明だったんだと思います。 しかし今、私はもう少し落ち着いているように感じています」と話した。さらに次のシーズン以降についても前を向く。

「『全米オープン』から今までのレベルを一年間通してずっと維持する事は、私が本当に重視したい事です。全てのサーフェスでうまくいくはず。 私はそうできると思っています」

今シーズン力強いプレーはもちろん、チャーミングでユーモラスなインタビューの受け答え、そして大坂を大きく成長させたサーシャ・バジンコーチとの絆が日本国内外で大きく話題に。それを象徴するかのように、ツアー最終戦シンガポールの会場でもまるで大坂のホームであるかのような大きな声援を受け続けていた。

しっかりと休養を取り、2019年シーズンでもまた活躍してくれることを期待したい。(テニスデイリー編集部)

※写真は「BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール」での大坂

(Photo by Fred Lee/Getty Images)