各クオーター開始時、得点が決まった後にセンターライン上で行われる『フェイスオフ』。このボールの奪い合いを制したチームが試合の流れを手繰り寄せるとも言われている。連載初回を飾るのは、そんな極めて重要度の高いプレーをAチームで託されている、M…

 各クオーター開始時、得点が決まった後にセンターライン上で行われる『フェイスオフ』。このボールの奪い合いを制したチームが試合の流れを手繰り寄せるとも言われている。連載初回を飾るのは、そんな極めて重要度の高いプレーをAチームで託されている、MF嶋田育巳人(スポ4=米国・)とMF浜田雄介(人4=東京・)の二人だ。早大が誇る二枚看板に、フェイスオフを中心としながらお話を伺った。

※この取材は10月12日に行われたものです。


理論派と感覚派というお二人の相性は抜群です!

 

「一瞬一瞬に全てを懸けている」(嶋田)

――今年はどういうチームだと感じていますか

嶋田 今年のチームは、スローガンが『攻』ということなので、ディフェンスにもオフェンスにもフォーカスして、よりどれだけ多く攻めることができるかを意識しています。どれだけオフェンスにつなげられるかというのは意識しているチームですね。

浜田 嶋田くんが言ったように今年のスローガンは『攻』ということで、今年は14点失点をしても15点取れればいいというスタンスなので、フェイスオフの機会がとても多いという想定でやっているので、とてもフェイスオファーとしては毎日気合いを入れて練習しています。

――今年のフェイスオファーのユニットはいかがですか

嶋田 僕個人としてはすごく仲良くやっていて、上下関係も少ないユニットにはなっていると思うんですけど、どうですかね?

浜田 フェイスオファーというのは練習も常に一緒にやっているんで、人数も少ないですし、上下関係とかあんまり関係なく1年生から4年生までみんなでご飯に行ったり、そういう機会も多くありますね。

 

――4年生として後輩に指導される上で意識されていることはありますか

嶋田 僕は結構理論派といいますか、ロジック派で、なんで負けたのかとか、どう勝てばいいのかとかを(後輩が)考えられるように、できるだけ後輩育成に努めていて、今のはどうした方が良かったのか、なんでそのフォームなのか、フォームの中でもなんで右足はそうなっているのか、みたいなことをできるだけ問いかけるようにしてはいます。

浜田 僕は嶋田くんと違って感覚派ですね。自分のフォームは結構特徴的で、自分が試行錯誤した中でたどり着いたフォームなので、他の人が真似をするには難しくて。でも自分でもアドバイスできること、例えば自分は競ることが得意なので、競るときのポイントだったり、ジャンプの技だったりとかのコツは教えるように意識していますね。

 

――では今までのシーズンの振り返りをしていきます。嶋田選手は5月の早慶定期戦(早慶戦)ではMVPを獲得されました

嶋田 自分でも驚いたんですけど、ワセダとケイオー共にオフェンス能力が高いチームで、試合前から絶対どっちがオフェンス機会でどれだけ攻められるかが、勝敗に影響すると自分たちも意識していた点だったので、そこは大きく貢献できて良かったなと思っています。

浜田 自分は初めての早慶戦だったので、7000、8000人いる舞台で初めてフェイスオフできたのは幸せでしたね。

 

――嶋田選手は昨年の対談で1年生の時にフェイスオファーの4年生の方が活躍されているのを見てフェイスオファーになったとおっしゃっていました

嶋田 やりたかったことができたという達成感はすごくありましたね。実際に、フェイスオフをやった後に後輩たちからお褒めの言葉といいますか(笑)、「かっこよかったですね!」とか「さすがですね!」とか言ってくれたところは僕が影響を受けたように僕が影響を与える側になれたのかなと感じています。

 

――浜田選手はフェイスオファーになられたきっかけはありましたか

浜田 僕も嶋田くんと同じで、早慶戦で丸山さん(丸山卓郎、平成28スポ卒)という僕が1年生の時の4年生のフェイスオファーの方がフェイスオフを制している姿に感動して、自分もこの早慶戦の舞台でフェイスオフしたいという強い気持ちになりましたね。

 

――今は4年生でAチームのフェイスオファーとして活躍されているということで、フェイスオファーのプレイヤーとしての魅力というのはどの点にあると思いますか

嶋田 フェイスオファーの魅力は、出番とかは少ないんですけどその分活躍できるところですかね。密度が濃い時間があるので、その点はこのチームになってから点数にも絡んでいますし、そういう意味では一瞬一瞬に全てを懸けているので、そこはすごく魅力なのかなとは思っていますね。

浜田 似たようなことになってしまうんですけど、フェイスオフのボールをどっちがポゼッションするかによってその試合の展開を大きく変えてしまうのでフェイスオフというのはとても重要で責任重大な仕事だと思っていますね。

 

――勝っている状況だったり負けている状況だったりとさまざまな状況が試合においてあると思います。状況によってどういう心構えで臨まれていますか

嶋田 フェイスオフは個と個の戦いであって、相手のフェイスオファーと自分との戦いでもあるのでそこで絶対負けないという気持ちはすごい強く持っています。試合状況によってやはり気持ちというのは変わってしまうかもしれないんですけど、今できることをやる、フェイスオフだと目の前のボールを取り切るというのができることとなるので、そこを意識できるようにしています。

浜田 勝ち展開のときはもう気楽に、普通にこの流れを継続するためにいいフェイスオフをしようと思っているんですけど、中大戦とかでは厳しい展開で、そういうときのフェイスオフはとても緊張します。それでもなんとかして自分のチームに流れを持ってこようという意識でフェイスオフはしていました。

 

――中大戦の話がありましたが、関東学生リーグ戦(リーグ戦)ブロック戦5試合を振り返っていかがですか

嶋田 振り返ってみると自分たちの反省も上がってきましたし、二人での強さというのも再確認できました。特に中大戦で顕著に表れましたね。僕の調子が悪かった時にその分だけ彼がちゃんと活躍して、点も取ってくれましたし、そういう面ではワセダというのは二枚あってこそのフェイスオフだと思っています。そこはリーグ戦で得た収穫といいますか、その分だけチームの信頼感も得ますし、すごく良かった経験ですね。

浜田 僕はリーグ戦にちゃんとまともに出たのは今年が初めてだったので、2年生からAチームにいた彼の経験というのはチームにとってプラスだと思っています。彼に頼ってばかりだなとは思うんですけど、彼が言うことはとても心強くて、僕がダメでも彼が勝ってくれるという強い信頼がありますね。

 

――今回のリーグ戦では得点される機会がありました

嶋田 フェイスオフ後のオフェンスというのはすごく意識しています。フェイスオファーとして、崩れがちなフェイスオフから普通のオフェンスに移行するときに、特色とか強さを出したいんですよ。そういう意味では最初に言ったチームのスローガンでもある『攻』の意識を常に持って得点を狙おうとしてます。

浜田 フェイスオフの得点というのは普段の得点する人よりも絶対に盛り上がると思っていて、僕が得点した時もそうですし、ベンチも観客も本当に盛り上がって、チームに力を与えるなと思っています。

 

――ブロック戦の途中にはアメリカ遠征がありましたが、何か収穫はありましたか

嶋田 僕は途中に諸事情で抜けたんですけど、海外遠征で得たものとしては、体の強さとかニュートラルな部分の強さでした。それを感じて、やっぱり筋トレとか体を強くするフィジカルの部分が足りないなというのをすごく感じました。

浜田 本場のアメリカのラクロスを経験したことはとても貴重な経験にもなりましたし、ディビジョン3相手にはフェイスオフでもフィールドでも通用して勝つことができたので、それは大きな自信になりましたね。ディビジョン1との対戦は、本当に今まで経験したことない強さで、手元の速さだったり競りの強さだったり、異次元の強さでしたね。

 

――ご自身が思うご自身の強みというのはどこにあると思われますか

嶋田 僕はどちらかというとフェイスオフ後のオフェンス能力とかは、他のフェイスオファーに比べて自信を持っていて、むしろそこを武器にしたいなと思っています。もともとフィールドもすごく好きでやっていたので、そこはやっぱり今年も長所として生かしていきたいなと思っています。

浜田 僕は彼のようなフィールドセンスがないと言われ続けてきたので、フェイスオフ単体では負けないという気持ちを持っていますね。自分は競りが一番強いと思っていて、競ったら負けないという自信はありますね。

 

――お互いのプレーに対してどのように感じていますか

嶋田 いろいろな大学とか社会人のフェイスオファーと知り合ってきたんですけど、彼みたいなフェイスオフをする人はいなくて、すごい特色があるといいますか、ルールギリギリというか(笑)。競りに関しては、自他共に認める本当に強い選手なので、そこは武器として伸ばしてほしいですね。

浜田 彼はフェイスオフ界の中でもU22日本代表にも選ばれたくらいとても有名な選手で、全てにおいてレベルが高い選手だなという…。昔はとても歯が立たなかったんですけど、今はこうやって一緒にフェイスオフできてとても幸せですね。

 

――今年重点的に強化されてきた点はありますか

嶋田 個の部分としましては、体重が足りないとすごく言われてきていて、ラクロスはやっぱり力と力の戦いですので、フィジカル面は強化してきています。あとはYouTubeとかでプロ選手がどういう意識でやっているかとかが発信されているので、アンテナを張って得るものを得て、自分に落とし込んでやろうとはしています。チームとしては幹部、ポジションリーダーという役割を持っていますので、そこでフェイスオフの価値を上げるといいますか、ワセダにおけるフェイスオフというのを一つ武器にしたいという思いがあるので、強化しています。みんなからの信頼も得てきて、早稲田のフェイスオフは強いという認識ができ上がってきている感じです。

浜田 今年特徴的なことをしてきたのは、自分の武器である競りをさらに高めるために、ベンチプレスをとてもよくやったことです。家の近くのジムで週4日くらいずっとベンチプレスをやっていますね。

 

――ベンチプレスは具体的にどんなメニューですか

浜田 具体的になってしまいますけど70キロ×10回を3セットとかをやって胃ますね。あとは自分は昔からフィールドが下手下手と言われ続けてきたので、壁当てをやったり、朝早く行ってショットを打ったりしてます。そういうのが点に結びついたり、パスとかに結びついたりするのかなと思ってますね。

 

――理想のフェイスオファーはどういうプレイヤーですか

嶋田 僕が理想としているのは勝ち切るフェイスオフです。今の自分と違うのは勝利の部分だったりとかは、僕はもっと高められるのかなと思っています。あとはフェイスオフ後のオフェンス能力が自分にはまだまだ足りないなと思います。

浜田 どんなに汚い形でもチームにポゼッションするというのが僕の理想のフェイスオフですね。あとはどんな逆境でもそこで勝ち切るメンタルの強さも重要かなと思います。


U22日本代表選出や早慶定期戦MVP受賞など、華々しい実績を持つ嶋田

 

「二人での練習とかを『デート』と呼んでいます (笑)」(浜田)

――競技面以外でお互いがどういう方なのかを教えていただけますか

嶋田 両親からもすごく愛を込められて育ってきたというのは一緒に過ごしていて感じますね。その分正義感も強く、自分が正しいと思っていることをちゃんと正しいと言える人なのでそこは興味深いなと感じます。あと、すごく変わってる人です(笑)。見ても分かると思うんですけど、まあいないじゃないですか、こういう…(笑)。言語化できないんですけど、ダンディさというか…(笑)。もうお前絶対大学生じゃないだろ!みたいな見た目なんですよ。ビールよりはワインの方が似合うみたいな、大人な人なんですよね。そういう人と一緒にいて面白いですし、視点とかも面白いので楽しいですね。

浜田 彼は四人兄弟の末っ子で、『育巳人』という特殊で珍しい名前で、まずそこにびっくりしましたね。あとは末っ子ということもあって負けず嫌いで、勝負に対してすごいこだわりを持っているなと思っていますね。あとはアメリカで1週間ぐらい常に一緒にすごして、一緒の部屋で常に行動して、なんだろうな…。

嶋田 いい男と言って!

浜田 (笑)。見た目と違って意外とピュアなところを持っていて…。

嶋田 いい男と言えよ!(笑)

浜田 性格面とかいろいろ意外と可愛いところがあるんだなと思っていますね。

――私生活では一緒に遊ばれるんですか

嶋田 僕だけかもしれないんですけど、(ラクロス部員と)過ごす時間が長過ぎて、部活外の時間をあんまり一緒に共有しないのは多いですね。

 

――ラクロス部以外の方と遊ばれたりはされますか

嶋田 いやまず遊ばないんですよね。寝ちゃうので。あとは大学の授業だったりとか、バイトとかがあるので…。午前中はずっと(浜田と)一緒にいるんで足りているといいますか。それはありますね。

浜田 僕もそうですね。彼とずっと一緒にいるので、二人での練習とかを『デート』と呼んでいますど(笑)。フェイスオフはよく二人きりで練習するので、一緒にい過ぎて、それ以外は一緒にいたくないというか。

 

――他のポジションの方で交流がある方はいますか

嶋田 同じ学部の人とか、高楠和志くん(MF、スポ4=茨城・清真学園)とかは普段連絡とか取っていますね。あとは授業を同期で取っているので、同じ学部の人たちですね。

浜田 僕も普段接しないラクロスの人とかとご飯行ったりして、田口くん(MF田口靖悟、社4=東京・早実)だったり、高橋健太くん(DF、社4=東京・早実)だったり、石坂雅貴くん(DF、文構4=東京・早稲田)とかだったり。その四人でよくご飯とか行ったりしますね。あとお世話になった先輩とかによく飲みとかに連れて行ってもらっていますね。

 

――練習外の時間や休日というのは、どういった過ごし方をしていますか

嶋田 時期によってやることがあるじゃないですか。今の時期は卒業論文が控えているのでそれに対する準備をやっていますね。休日はのんびりしているので、寝ちゃうんですよね。寝てしまうという表現が正しいんですけど、午前中に体力を使っちゃうので体力が足りなくて、寝て回復して友達とご飯に行ったりしています。ラクロスの友達とも、高校時代の友達ともご飯に行ったりしています。

浜田 普段は朝5時とかに起きて体力を使いまくっているので、基本オフの日の午前中は寝ていますね。午後は家で映画を見たり、のんびりすることが多いですね。あとはプロ野球が好きなので、プロ野球観戦とかしていますね。

 

――ちなみにお好きな球団は

浜田 ジャイアンツですね。今クライマックスシリーズがギリギリなので頑張ってほしいですね(笑)。

 

――趣味とかハマっていることとかありますか?

嶋田 アウトドア系が僕は好きなので、ダイビングだったりとか、それこそボルダリングとかも定期的に行きますし、時間があれば一人で山とか行ったりしちゃいます。今は自分の中では優先順位が部活動が1位なので、部活動を優先しています。シーズンに合うところに行ってリフレッシュしていますね。

浜田 さっきも言ったようにプロ野球の観戦で、プロ野球選手を見ていると、これだけの選手も苦しい思いをしているんだから自分も頑張ろうという思いになりますし、部活で疲れたこととか苦しいこととかもプロ野球を見れば発散されるので、リフレッシュされますね。

 

――今年はちまたでは平成最後の夏ということで盛り上がっていました。学生としても最後の夏休みでもありましたが、何か夏らしいことはされましたか

嶋田 今年はずっと練習していましたね。8月の第1週とかは全部合宿だったり、海外遠征も行ったりと、ラクロス漬けでしたね。今年の夏はあんまり遊んだ記憶がないです。

浜田 平成最後の夏というハッシュタグを使いたかったんですけど、使えずに終わるという…。

浜田 でもアメリカ遠征は本当に楽しかったです。いい思い出になりました。

――アメリカ遠征は練習以外で観光する時間とかはありましたか

浜田 僕たちの部屋は嶋田くんと後輩の中島くん(DF中島大介、社3=東京・早実)の三人で仲良くやっていて、ショッピングとか、一緒にご飯とか、ずっと一緒にいましたね。

嶋田 ビビるぐらい一緒にいました(笑)。

浜田 いろいろな面が見れましたね。

 

――何か面白いことはありましたか

嶋田 後輩の中島くんが試合に出られるか出られないかというギリギリの人で、ミスとかがあって試合に出られない時もあったんですよ。そのメンタルケアといいますか。彼自身、思っている感情を外に出してしまうので、そのケアというのは大変でしたね。練習外では僕たち二人で大丈夫だよって(言っていました)。

浜田 そこがかわいいんですけどね(笑)。

嶋田 そこがかわいいんですけど、ケアに追われてました。それだけしかやっていなかったです。あと、Tシャツもプレゼントしたんですよ。なんだっけ

浜田 『僕は褒められて伸びるタイプです」というTシャツを…(笑)。

嶋田 ちょっと皮肉なんですけど、これでいけと言いました。

 

――それは日本語で書いてあるものですか

嶋田 ネタTシャツですね。イチローとかが着ている、ちょっとふざけているTシャツがあるじゃないですか。あれをノリであげたんです。

浜田 彼は来年のディフェンスを引っ張る男なので、頑張ってほしいですね。

 

――中島選手は春の六大戦では、マンダウンの際にフェイスオフをやられていたと思います。それはチームのオプションとしてでしょうか

嶋田 彼はもともとロングを持つ前に、1年生のショートの期間があったんですよね。新人戦がロングを使わないという点で。その時にフェイスオフをやっていまして、その延長線上で今もロングでフェイスオフをやっていますし、ピンチになったから彼が出てきます。

浜田 大体どの大学もマンダウンになったらロングフェイスオフが出てくるんですけど、彼の場合はショートのフェイスオフの経験もありますし、フェイスオファーとしての経験があるので、うちはマンダウンのときは自信を持って彼を送り出していますね。

 
 

――一瞬に懸けるフェイスオフに向けて気持ちを高ぶらせるためにやっていることはありますか

浜田 二人でよくレッドブルを飲んで、グータッチしたりハイタッチしたりして気合いを入れていますね(笑)。

嶋田 モチベーションアップビデオみたいなものを部活で作っていまして、過去のビデオを見てテンションを上げたりしています。あと、一番高ぶる時は試合のアップ前に部員全員で『紺碧の空』を歌う時です。その時に応援してくれているみんなと一緒に歌ってこれから行くぞという気持ちになります。一番自分がやらなきゃいけないフェイスで絶対勝つといったモチベーションになれますね。


フェイスオフ時の競りに自信をのぞかせた浜田

 

「ワセダが強かったということを証明したい」(嶋田)

――現在のチームの状態や雰囲気といったものはいかがですか

浜田 チームの雰囲気としては次戦が宿敵・ケイオーということで、去年関東ファイナルでケイオーに1点差で負けて悔しい思いをしたので、今年は何が何でもケイオーを倒すということで、この時期から相手のスカウティングを始めています。今日も先ほどまでケイオーと、東大の試合を見てきました。本当にケイオーには絶対に負けたくないですし、東大は本当に分析して準備しないと簡単に勝てる相手ではないと思います。まず必ず関東を制覇して、全学(全日本大学選手権)、全日(全日本選手権)につなげていきたいと思っています。

嶋田 浜田も言っていたと思うんですけど、最高の準備といったものを常日頃から意識しています。意識することで生活も変わりますし、過ごし方や準備の仕方も変わってくると思っています。ケイオーのすごいところは、引退が懸かった試合になるとすごく強いところなんですよ。僕たちが入学してから3回先輩たちが引退したんですけど、2回負けていまして、そういう意味では宿敵といいますか。ファイナル4という引退が懸かった試合をケイオーとやるということで、最高の準備をするという意味で今どんどん神経を研ぎ澄まして練習に取り組んでいるという感じですね。

 
 

――ある程度ブロック戦が進むにあたって慶大と東大が上がってくるなという想定で動かれていたという感じですか

嶋田 シーズンの始めに振り分けが発表されるんですよ。その時点でこの2つが上がってくるなと思っていました。

 

――これから1戦負けたら引退という状況の試合が続くと思います。個人としては今後の試合に向けてどういう心掛けていきたいと思っていますか

嶋田 結果が命なので、結果が表れなければ意味がないというぐらい僕はすごく感じています。結果を出すために自分の役割を全うすることというのはフェイスオファーに必要で、第一に相手に一対一の個で負けないということが絶対条件なので、そのための準備を日頃から整えていこうかなと思っています。

浜田 チームが勝つことが第一で勝てばなんでもいいと思っているんですけど、その中で自分が少しでも力になって、少しでもこっちに多くポゼッションできるように活躍したいなと思っていますね。

 

――どういうプレーを見せていきたいですか

嶋田 流れを左右させるのがフェイスオファーの役割であり醍醐味でもあるので、いい方向に持っていけたらなと。ワセダの武器でもあるので、観客も次は何をしてくるんだ、フェイスオファーが何をするんだ、みたいな楽しませるような試合をしたいですし、楽しみたいです。

浜田 関東ファイナルとか全学とかのレベルになると、関東だけでなく全地方の大学も注目すると思うので、彼はもともと有名人だと思うんですけど、僕の名前も日本に広めて早稲田の二枚看板と言われるように頑張りたいと思いますね。

 

――お二人が今後のキーマンになるであろうと思う選手はいますか

浜田 僕は吉原海里くん(AT、社4=東京・かえつ有明)だと思っていまして、吉原くんがBチームから上がってきて、彼の技術というのはとてもすごくて、得意技のパスフェイクだったり、スタンシューだったりが重要な試合で決まればと思っています。彼は僕たちと同じで、あまり試合に出ずに点も入れないキャラなので、点を決めたら本当にチームが盛り上がるかなって思います。

嶋田 菅原惇司(MF、法4=東京・早実)か柳沢哲(MF、スポ4=東京・早実)です。なぜ二人上げたかといいますと、点を取らなければいけないスポーツなので、点を取るオフェス能力といった部分でそこの二人のパフォーマンス次第で試合は左右されるなと確実に思っているので、彼らの活躍を見て期待しておいてください。

――最後に今後に向けて意気込みをお願いします

浜田 まずはケイオーを倒してその次の関東ファイナルも制して、最近出てない全学に出場したいです。必ず勝って今年のワセダが本当に強かったことを証明して、そこから社会人に挑戦したいですね。10年ぐらい社会人に勝てていないので。本当に厳しいかもしれないんですけど、僅差で勝負して日本のラクロス界を変えるというか、ワセダが強かったということを証明したいですね。

嶋田 さっきも言ったんですけど結果が命で、結果が人を納得させる一番のものだと思っているので、いくら頑張ったとかいくら強かったといっても勝てていなければそれは弱い証拠なので、そこにはこだわりを持っています。目の前のやるべきことをやったら結果はついてくると思っているので、それを積み上げてきたら必然的に日本一になっているのかなと考えています。そういうところを意識していきたいと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 栗林真子、石井尚紀)


コンビ芸人のように肩を組んでの写真撮影です!

◆嶋田育巳人(しまだ・いくみひと)(※写真右)

1996(平8)年12月17日生まれ。174センチ、75キロ。米国・ウェストブルームフィールド高出身。スポーツ科学部4年。今年の夏にお兄さんの結婚式で宮古島に行った嶋田選手。ご飯を食べに行った時に、肌の黒さからか、店員だと勘違いされてしまったそうです。強い日差しの中磨き上げられたフェイスオフは必見です!

◆浜田雄介(はまだ・ゆうすけ)(※写真左)

1996(平8)年4月10日生まれ。167センチ、70キロ。東京・穎明館高出身。人間科学部4年。部内ではゆるキャラ的な存在でかわいがられている浜田選手。ベンチプレスをやり過ぎて、服を着ていても乳頭が目立ってしまうことが深刻な悩みのようです。その鍛え抜かれた肉体で、他大のフェイスオファーを圧倒します!