2018年度の東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)もいよいよ大詰め。現在優勝の可能性が残されているのは、早慶両校と法大の3校。早大は早慶戦に2連勝し、法大との優勝決定戦にも勝利すれば優勝が決まる。慶大は早慶戦で勝ち点を挙げた場合、法大は…
2018年度の東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)もいよいよ大詰め。現在優勝の可能性が残されているのは、早慶両校と法大の3校。早大は早慶戦に2連勝し、法大との優勝決定戦にも勝利すれば優勝が決まる。慶大は早慶戦で勝ち点を挙げた場合、法大は早大が2勝1敗で勝ち点を挙げるか、早大との優勝決定戦に勝利した場合に優勝となる。
今季の早大は、守りからリズムをつくる。チーム防御率1.56は、2位の法大の2.65を大きく引き離してリーグトップ。投手陣の中心は、言わずと知れたエース・小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)だ。開幕カード以降は登板した5試合すべてで完投、うち3試合が完封という圧巻の成績。その間失った点数は2点のみで、うち1点はスクイズによるものと、まさに『格の違い』を見せつけている。その他にも、2戦目で先発が予想される西垣雅矢(スポ1=兵庫・報徳学園)も防御率2.50と安定した投球を披露しており、ブルペンには防御率0.71の早川隆久(スポ2=千葉・木更津総合)らが控える。野手陣も、昨季第7週終了時で8つ犯していた失策を、今季は4つにまで改善。暫定リーグ最少失策数を誇る鉄壁の守備陣と、盤石の投手陣で慶大打線を封じたい。
防御率トップを独走する小島。有終の美を飾れるか
打撃陣では、岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)と檜村篤史(スポ3=千葉・木更津総合)の活躍が光る。岸本は、ここまでスタメン内トップの打率3割2分5厘をマーク。檜村も同2位の打率3割1分6厘の好成績を収めており、法大2回戦では延長11回に決勝打となる適時二塁打を放つなど、ここぞの場面で結果を残してきた。また、1番起用が予想される福岡高輝(スポ3=埼玉・川越東)も、ここ6試合安打が続いており状態は良い。そして何よりの明るい話題は、主砲・加藤雅樹(社3=東京・早実)の復調だ。不振にあえぎ、一時0割台まで落ち込んだ打率も、2割台に乗せてきた。直近の明大戦では全3試合で安打を放ち、3回戦では先制本塁打を含む3安打と爆発。1番・福岡が出塁し、檜村、加藤、岸本のクリーンアップで得点を重ねるビジョンが現実味を帯びており、打線の仕上がりは上々だ。
今年無敗の慶大エース・髙橋佑
46年ぶりのリーグ戦3連覇を狙う慶大は接戦に競り勝ち、春同様、早慶戦までの全カードで勝ち点を挙げてきた。故障者が続出し、チームが万全ではない中でも白星を重ねられた要因は、投打のヒーローの存在。すなわち髙橋佑樹(3年)と中村健人(3年)の活躍があったからだ。今季中継ぎとして開幕を迎えた髙橋佑だったが、投手陣の駒不足を受けて2カード目の明大1回戦で先発として登板すると、8回1失点の好投で勝利を飾る。するとその後も第1先発として活躍を続け、ここまで2つの完投を含む、リーグ暫定トップの5勝をマークするに至った。今年無敗のエースの攻略が、勝利への絶対条件となるだろう。一方の中村は、開幕ベンチスタート。しかし故障の河合大樹主将(4年)に代わって途中出場した開幕戦で、いきなり初打席にリーグ戦初本塁打を放つと、そこから大ブレイクを果たす。ここまで打率は右打者暫定リーグトップの3割6分4厘、打点はリーグ2位の14打点、本塁打は2位と2本差をつけての5本と、今季の『六大学最強打者』の名をほしいままにしている。また慶大は接戦に強く、勝利した8試合中5試合が2点差以内。『史上まれに見る激戦』とも言われる法大3回戦では、延長12回でサヨナラ勝ちを収めた。個の力だけに頼らない、チームとしての粘り強さが早大の脅威となる。
早大が優勝の可能性を残して早慶戦を迎えるのは、実に6季ぶり。当時は見事宿敵から勝ち点を奪い、優勝を決めた。リーグ戦春秋連覇を達成した、2015年のことだった。それから月日は流れ、2018年、秋。当時ルーキーだった小島は最高学年となり、主将の重責を担うようになった。就任1年目だった髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)は任期最終年となり、今季を最後にチームから去ることとなった。久しく遠ざかっている賜杯に手が届く位置にいる、今の早大。『覇者』に返り咲くために、この一戦だけは負けられない。
(記事 望月優樹、写真 岡田静穂、皆川真仁)
東京六大学秋季リーグ戦星取表(第7週終了時点) | |||||||||||
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順位 | 法 大 | 慶 大 | 早 大 | 明 大 | 立 大 | 東 大 | 勝ち点 | 勝 | 負 | 勝率 | |
1 | 法 大 | ※ | ●1-2 ○8-2 ●8-9× | ○5-1 ●6-7 ○5-4 | △3-3 ○3-2 ○2-0 | ○5-1 ○7-6 | ○8-0 ○8-2 | 4 | 9 | 3 | .750 |
2 | 慶 大 | ○2-1 ●2-8 ○9×-8 | ※ | 10/27 10/28 | ○2-1 ●4-7 ○7-3 | ○4-1 ●3-4 ○2-0 | ○6-4 ○10-4 | 4 | 8 | 3 | .727 |
3 | 早 大 | ●1-5 ○7-6 ●4-5 | 10/27 10/28 | ※ | △1-1 ○2-1 ○8-0 | ○5-1 ●0-1× ○3-0 | ○4-0 ○5-0 | 3 | 7 | 3 | .700 |
4 | 明 大 | △3-3 ●2-3 ●0—2 | ●1-2 ○7-4 ●3-7 | △1-1 ●1-2 ●0-8 | ※ | ○3-1 ○4-3× | ○12-3 △1-1 ○2-1 | 2 | 5 | 6 | .455 |
5 | 立 大 | ●1-5 ●6-7 | ●1-4 ○4-3 ●0-2 | ●1-5 ○1×-0 ●0-3 | ●1-3 ●3-4× | ※ | ○8-2 ○7-1 | 1 | 4 | 8 | .333 |
6 | 東 大 | ●0-8 ●2-8 | ●4-6 ●4ー10 | ●0-4 ●0-5 | ●3-12 △1-1 ●1-2 | ●2-8 ●1-7 | ※ | 0 | 0 | 10 | .000 |
※リンクより、早慶の試合結果記事をご覧いただけます
※【早大の最終順位】
早大2勝0敗→早法で優勝決定戦
早大2勝1敗→2位
早大1勝2敗→3位
早大0勝2敗→3位