2018年シーズンには、複数の元トップ選手がツアーに復帰した。もちろん、右手首の怪我から回復しランキングでもトップ層に戻ってきた錦織圭(日本/日清食品)はその一人で、ほかにもスタン・ワウリンカ(スイス)が昨年の膝の手術から復帰を果たして試合…

2018年シーズンには、複数の元トップ選手がツアーに復帰した。もちろん、右手首の怪我から回復しランキングでもトップ層に戻ってきた錦織圭(日本/日清食品)はその一人で、ほかにもスタン・ワウリンカ(スイス)が昨年の膝の手術から復帰を果たして試合に臨んでいる。

ただ、今季カムバックに最も成功した一人を挙げるとすれば、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)だろう。偉大な記録を残してきた同選手だからこそ克服しなければならないハードルがあったと明かしており、Tennis World USAなどを通じて報じられた。

その中でジョコビッチは今季の「ウィンブルドン」と「全米オープン」でタイトルを獲得するなど健在ぶりを示している一方で、キャリアグランドスラムを果たした2016年の「全仏オープン」の後に、精神的な課題に直面していたと話した。

ジョコビッチは記者からの質問に答えて「再びモチベーションを見つけて心を新たにし、精神的な駆動力を見つけなおさなければならなかった」「競技に臨む感情的なタンクがまったく空っぽだった」と話した。

「グランドスラムで何度も優勝した選手なら、平均的な結果で自分自身を満足させることは難しい」「グランドスラムや世界1位のような最高峰、頂点が常に目標になるものなんだ」と話し、勝利を積み重ねてきたジョコビッチならではの悩みがあったことを語る。

それでも「そういった悩みは選手としてのキャリア、人生、そして進化していくなかでの一部分にしか過ぎないと理解してからは、どうやったらより上手くなれるか、より強くなれるか、そして高いレベルでのテニスを続けたいという気持ちになった」という。

現在は世界ランキング2位へと舞い戻っており、「強いジョコビッチ」の姿を取り戻し、シーズン最終戦の「Nitto ATPファイナルズ」への出場権もすでに獲得。ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)らとともに、まだまだ高いレベルの試合を見せてくれそうだ。(テニスデイリー編集部)

※写真は会見に臨むジョコビッチ

(Photo by Lintao Zhang/Getty Images)