東京六大学野球秋季リーグ戦対東大展望 2018年10月19日(金) 神宮球場 接戦となった立大2回戦を劇的なサヨナラボークで勝利した法大野球部。先週の第6週で慶大が立大に1敗したことにより、悲願の優勝も現実味を帯びてきた。未だ未勝利と勝利…

東京六大学野球秋季リーグ戦対東大展望
2018年10月19日(金)
神宮球場

接戦となった立大2回戦を劇的なサヨナラボークで勝利した法大野球部。先週の第6週で慶大が立大に1敗したことにより、悲願の優勝も現実味を帯びてきた。未だ未勝利と勝利に燃える東大に2連勝し、優勝へ望みをつなぐことができるか。秋季リーグ戦最終ガードが、いざ始まる。

展望

 4カードが終わった現在、勝ち点3を積み上げ、慶大、早大と激しい優勝争いを演じている法大。皆が待ちわびる優勝のためには2連勝が絶対条件となる今季の最終カードは東大戦だ。

 東大は今季ここまで勝ち点を得られていないが、全く油断のならない相手だ。まず思い出されるのは、昨秋の2連敗での勝ち点献上だろう。今年は宮台康平(=現日本ハム)や田口耕造といった主力が抜けたとはいえ、辻居新平が打率.344をマークし打撃ランキング上位にランクインするなど好調を維持。

現在3番と中軸を打つ辻居

また、投手陣を引っ張り、ここまですべてのカードの初戦で先発している小林大雅のカーブを生かした緩急のある投球にも注意が必要だ。

1回戦の先発が予想される小林

法大は小林をテンポに乗せる前に何としても先制したい。加えて、4番に座る三鍋秀悟にも要注意だ。三鍋は、東京六大学リーグ屈指の好投手・森下暢仁から先制3ランを放つなど、第3戦までもつれ込む接戦を演じることとなった明大戦の立役者の一人だ。東大のチーム状態も悪くないだけに一層の集中力を持って戦わないと足元をすくわれかねない。

 しかし、そんな不安を吹き飛ばすほど、今季の法大はこれまでにないほど打線が機能。リードオフマンとして今季ブレイクを果たした宇草孔基(営3)、現在打撃成績ランキング2位の小林満平(法4)の1、2番が出塁し好機を広げ、その後につなげて還すという理想的な攻撃ができている。また、忘れてはならないのは、守備でも抜群の安定感を見せる川口凌(人4)、相馬優人(営3)。

攻守にわたり活躍を見せている川口凌(上)・相馬

下位打線に座る二遊間コンビは打撃でも勝負所で一打を放つなど存在感を示している。どこからでも点が取れる切れ目のない打線を形成していることが、今季の得点力アップの鍵を握っており、東大戦でもその役割を果たすことが期待される。

 また、投手陣は今季1年生ながら全カード初戦に登板し大車輪の活躍を見せている三浦銀二(キャ1)、第2戦の先発に定着した高田孝一(法2)の先発が予想される。高田はここ何カードか本来の投球ができていない印象だが、後ろには菅野秀哉(キャ4)や石川達也(キャ2)ら力のある投手陣も控えている。各々が普段通りの投球を見せ、総力戦で挑めば怖いものは無いだろう。

 今年のスローガンである『結束』の下、臨む最終カード。優勝の行方は最終週の早慶戦に委ねられている状況だが、まずは目の前の試合に全力を注ぐ。12季ぶりの悲願達成に向け可能性を残すために。優勝を知らない法大戦士たちにとって秋季リーグ戦最終カードとなる戦いが幕を開ける。
(湯浅駿)