試合会場であるディズニー・イベントアリーナで練習を行う張本智和 Photo:Itaru Chiba 中国・成都で開かれた9月の女子ワールドカップに続き、フランス・パリで10月19日、「男子ワールドカップ」が開幕する。大会期間は21日までの3…

試合会場であるディズニー・イベントアリーナで練習を行う張本智和 Photo:Itaru Chiba


 中国・成都で開かれた9月の女子ワールドカップに続き、フランス・パリで10月19日、「男子ワールドカップ」が開幕する。大会期間は21日までの3日間。会場はディズニーランド・パリ内にあるディズニー・イベントアリーナだ。このユニークなロケーションの大舞台に立つのは各大陸予選を勝ち抜いた世界のトップ選手20人(ワイルドカード、ホスト国含む)。日本からは張本智和(JOCエリートアカデミー)と丹羽孝希(スヴェンソン)が出場し、男子シングルスの世界最強の座を狙う。



 2人の前に立ちはだかるのは言うまでもなく中国勢だ。その筆頭は世界ランク1位の樊振東。今年4月に行われたアジアカップ横浜大会で優勝しワールドカップ出場の切符をつかんだ。そのアジアカップ横浜大会で樊振東に勝ったのが日本の張本。予選グループリーグでの1勝ではあったが、当時わずか14歳での快挙は世界の卓球界に大きな衝撃を与えた。今回のワールドカップで再び両者の対戦が実現すれば、見応えのある一戦になることは必至だ。中国からはもうひとり林高遠が出場する。

 やや心配なのはユース五輪からの連投となる張本のコンディションだが、ブエノスアイレスからパリに到着した張本は開幕前日の練習をいつも通りにこなし順調な様子。ユース五輪では男子シングルス、混合団体とも決勝で中国人選手に敗れ、あと一歩のところで金メダルを逃した。その悔しさを胸にパリに乗り込んだ張本は初出場の男子ワールドカップで「打倒中国」に燃えている。

試合会場であるディズニー・イベントアリーナで練習を行う丹羽孝希 Photo:Itaru Chiba


 一方、3度目の男子ワードカップ出場となる丹羽はこの1カ月、試合もなく、ナショナルチームの合宿で存分に練習を積んできたという。今大会における過去の成績はいずれもベスト8が最高。「(ワールドカップで)勝ち上がるのは難しい。僕はシードなので1回戦から強い選手とあたるが、誰とあたっても良いプレーができるようにしたい」と語り、ベスト8以上の成績を持ち帰ることを誓っている。



 丹羽が言うように、世界から選りすぐりの精鋭たちが集まるワールドカップではどの試合も勝つのが容易ではない。何しろ五輪、世界卓球と並ぶ卓球世界三大大会のひとつなのだ。選手の競技レベルは高く、中国の他にもドイツのボルやオフチャロフ、韓国のイ サンスやチョ サンウンといった強豪がひしめく。張本も以前から「中国人選手とあたる前に他の国の選手に負けないようににしたい」と警戒しており、ワールドカップでもそこが肝となりそうだ。

 張本も丹羽もシード入りしているため、20日に始まる決勝トーナメント1回戦が初戦となる。注目の決勝トーナメントのドローは19日に行われる予選グループリーグ終了後に確定する。なおシード選手8人の顔ぶれは次の通り。

<男子ワールドカップ シード選手>
1.樊 振東(中国)
2.ボル(ドイツ)
3.オフチャロフ(ドイツ)
4.林 高遠(中国)
5.イ サンス(韓国)
6.張本 智和(日本)
7.コウ 鎮廷(香港)
8.丹羽 孝希(日本)

卓球男子ワールドカップ2018 Photo:Itaru Chiba