「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」

増田陸(ますだ・りく)明秀日立
内野手 右投右打
178センチ 80キロ
2000年6月17日生まれ
【写真提供=共同通信社】

 

 いい1番バッターのショートだとは聞いていたが、今春のセンバツ初日、瀬戸内戦の1回表、いきなりレフトヘェンス直撃。快足スリーベースの衝撃デビューだった。それは初出場だった明秀日立を全国区にする名刺代わりには十分。7回にもフェン直のツーベース。4対3で初勝利をもたらした。2回戦の1回、先頭でまたもフェン直ツーベースを放って、積極的なフェン直マニアだ。2回戦は10対1で高知を退けた。だが、3回戦の相手は大阪桐蔭で投手は根尾。8回まで2安打に抑え込まれ、1対5の完敗だった。

 今年、好選手が集中する遊撃手のうちの一人だ。主将でもあり、気持ちでチームを引っ張った。
夏の活躍も期待され優勝候補だった茨城大会、まさかのベスト8での敗退。勝者の土浦日大は2年連続の代表になった。

 夏の県大会を振り返る。
初戦に3安打1ホームラン、2戦目も3安打と2四球、3戦目の第一打席まで10打席連続出塁。土浦日大戦はチームは8点をリードされる大敗ムード。コールドを逃れる意地の3ランを8回に放った。

 2年秋の関東大会、準決勝の慶應戦で3安打1ホームラン4打点、決勝の中央学院戦5対6で優勝は逃すが、ホームランを放って、大試合に結果を残してきた。精神的な強さを持っている。
 大阪出身、中学の福島シニアでは早実・野村らとチームメイトだった。その後、大阪桐蔭に進んで主将になる中川が同じシニアに移ってきて、闘志がわいたそうだ。

 冬の間にウェートトレーニングで体重を9キロ増やしたそうだ。ベンチプレスで20キロ増、スクワットで50キロ増を上げられるようになったという。打球も速くなり、飛距離も伸びた。高校通算ホームランは34本。

 バットを小さく揺らしながらタイミングを取る。それがセンス、独特の間になっている。ファーストストライクから思い切りよく振ってくる。「ヤクルト山田タイプ」と言うスカウトもいるし、金沢監督は光星学院時代、巨人・坂本を育てていて(阪神・北條の育ての親)、中学生の時に増田を見て、「坂本みたいだ」と勧誘したそうだ。監督はまず、守備の巧さが魅力だったという。本人の目標は坂本だ。

 主将として熱でナインを鼓舞した。タイムリーを打つと、右手で胸をたたくシーンを甲子園でも繰り返した。気持ちの面ではソフトバンクの松田が好きだという。それぞれのショート決着も興味深い。

(文・清水岳志)