■指名漏れの雪辱を誓う2人の右腕

【写真提供:共同通信社】

 

 昨年のドラフトでは、社会人野球からオリックス・田嶋大樹(JR東日本)と中日・鈴木博志(ヤマハ)の2投手が1位指名を受けた。迎えた今季、田嶋は故障で後半戦を棒に振りながらも6勝を挙げ、鈴木博も一時は抑えを務めるなど、チーム最多の53試合に登板。野手ではロッテ・藤岡裕大(トヨタ自動車)がレギュラーに定着し、DeNA・神里和毅(日本生命)や巨人の大城卓三(NTT西日本)、田中俊太(日立製作所)も随所で活躍を見せた。

 今年は1位指名が確実視されるような目玉選手はいないものの、大学時代に指名漏れを経験した投手がひと回り成長して上位候補に名を連ねている。そのひとりが、齋藤友貴哉(Honda)だ。社会人入りしてからは課題だった制球力が改善され、最速153キロで微妙に動く速球の威力も上昇。ポテンシャルの高い好素材で、さらなる成長も期待できる。もうひとりが、流通経済大時代から剛腕として鳴らした生田目翼(日本通運)。入社後は武田久選手兼コーチ(元・日本ハム)の指導もあって変化球の精度が上がり、投球の安定感が格段にアップ。自慢の直球も、最速155キロをたたき出すまでに進化を遂げた。

 その他では、ほどよく力の抜けたフォームから多彩な球種を操る岡野祐一郎(東芝)や、真上から150キロ前後の重い直球を投げ下ろす勝野昌慶(三菱重工名古屋)、精密なコントロールが光る堀誠(NTT東日本)といった右腕が高い評価を得ている。変則的なサイドハンドからキレのあるボールを繰り出す鈴木健矢(JX-ENEOS)も面白い存在だろう。

 左腕に目を移すと、最速147キロの力強いストレートが光る富山凌雅(トヨタ自動車)や、長身から角度のついたボールを投げ込む平尾奎太(Honda鈴鹿)、スピンの利いた直球を内外角に集める高橋拓已(日本生命)といった名前が挙がる。今年は全体的に左投手の有力候補が少ないだけに、即戦力左腕のニーズは高そうだ。

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■多様なタイプがそろう野手陣

 野手では、社会人No.1の呼び声も高い笹川晃平(東京ガス)がひときわ存在感を放つ。フルスイングから放たれる豪快な打球は他の追随を許さず、侍ジャパン社会人代表では4番も務めた右の強打者だ。俊足巧打タイプでは、近本光司(大阪ガス)の評価が高い。今年の都市対抗では21打数11安打4盗塁の活躍で首位打者と橋戸賞を獲得し、チームを初優勝に導いた。捕手の筆頭候補は、柘植世那(Honda鈴鹿)。巧みなインサイドワークと正確なスローイングが持ち味で、ドラフト時点で21歳という若さも魅力的だ。

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■即戦力の期待が高まる独立リーガー

 昨年は史上最多となる6人が本指名を受けた独立リーグ。中でも、西武・伊藤翔(徳島インディゴソックス)はルーキーイヤーから3勝を挙げる活躍を見せた。その後に続く投手として最も期待されるのが、鎌田光津希(徳島インディゴソックス)だろう。最速155キロの直球にフォークやカットボールを交え、入団1年目から先発の柱を担ったパワーピッチャーだ。原田宥希(香川オリーブガイナーズ)も注目したい投手のひとりで、サイドハンドから繰り出す切れ味鋭いスライダーを武器に、今季は最優秀防御率と最多セーブの2冠に輝いた。ルートインBCリーグでは、最速151キロの速球と投げっぷりの良さが光る安河内駿介(武蔵ヒートベアーズ)の評価が高い。

 野手の指名候補には、走攻守3拍子そろった選手が名を連ねる。ショートを守る妹尾克哉(香川オリーブガイナーズ)は、高卒2年目にして打率3割5分6厘をマークし、首位打者を獲得した好素材。同学年・同ポジションの知野直人(新潟アルビレックスBC)は身体能力が高く、今季はリーグ3位の28盗塁を決めるなど、スピード感あふれるプレーが持ち味だ。

※データは全て2018年10月15日終了時点