前日からの雨も止み、秋を感じさせる涼しさの中、早大は関東学生秋季リーグ戦(リーグ戦)Aプール第3戦に挑んだ。この試合、引き分け以上でAプール2位が決まる。各プール2位以上でなければ順位決定戦の上位リーグへと進むことができないため、リーグ戦…

 前日からの雨も止み、秋を感じさせる涼しさの中、早大は関東学生秋季リーグ戦(リーグ戦)Aプール第3戦に挑んだ。この試合、引き分け以上でAプール2位が決まる。各プール2位以上でなければ順位決定戦の上位リーグへと進むことができないため、リーグ戦優勝を目指す早大にとっては負けが許されない。前半開始直後、立大に先制点を奪われると、そのまま攻め込めずに試合を折り返す。後半、セットプレーからDF瀧澤璃菜主将(スポ4=岩手・沼宮内)が3得点を決め、立大相手に逆転勝ち。この結果、早大は上位リーグ進出を決めた。

 試合開始直後の猛攻であった。立大のセンターパスから試合が始まると、なかなかボールを奪えないまま左に大きく展開される。すると、パスをうまくつなぐ相手に対応しきれず、サークル内に攻め込まれゴールを許す。早い段階で追いつきたい早大であったが、寄りの素早い立大ディフェンスに阻まれ、得点を奪えない。サイドからMF的場朱音(教3=滋賀・伊吹)や、MF有賀瞳(スポ3=東京・成城学園)が攻め込む場面もあったが、前半は1本もシュートを打ち込めず、敵サークル内に侵入した回数も少なかった。終始攻め込まれた早大。ボールを右に大きく展開され、中央に切り返されると、ディフェンスが追いつけず立大に強いシュートを放たれる。しかし、ここは守護神・GK高橋詩帆(スポ3=栃木・今市)が防ぐ。こぼれたボールに相手が波状攻撃を仕掛けてくるも、再びの好セーブを見せ追加点を譲らない。相手のペナルティコーナー(PC)もディフェンスがブロックし、なんとか1点ビハインドのまま前半を終えた。


得点をあげた瀧澤主将

 後半、ワセダの主将が意地を見せた。MF南家未来(教2=京都・立命館)のシュートを皮切りに、徐々に攻勢に出た早大。第3クオーター(Q)中盤にこの試合初めてペナルティーコーナー(PC)のチャンスを得る。その攻撃に再び立大ディフェンスが反則を犯し、迎えた2度目のPC。DF瀧澤主将のスティックから放たれた白球が鋭くゴールを突き刺し、試合を振り出しに戻す。しかし、その3分後に立大に得点されまたもや追う展開に。すると、3Q終了間際に敵ゴール前で立大の反則。ペナルティーストローク(PS)をゴール左隅に収め再び同点に戻す。そして迎えた4Q、両チームともに決定打を欠き、無得点のまま時間が流れる。引き分け以上で上位リーグ進出の決まる早大に対し、勝利が必須の立大。試合終了間際に焦りを見せ、早大がPCを獲得。これをDF瀧澤主将が落ち着いて流し込み逆転に成功する。これがこの試合3点目となり、そのまま逃げ切った早大がトータルスコア3-2で勝利を収めた。


果敢な攻めをみせたMF有賀

 「自分だけで決めることはできなかったので、みんなにすごく感謝しています」(DF瀧澤主将)と、セットプレーには安定感が見られた。しかし、試合を通してなかなかシュートの形に持ち込めず、組み立ての部分で多くの課題も見つかった。Aプール2位となったことで、リーグ戦順位決定戦の相手はBプール1位の駿河台大となる。春は同じ状況で駿河台大に敗れ、涙を飲まされただけに雪辱を晴らしたい。季節は秋、1年間育て上げた『実り』を、強豪に食らわせる時が来た。

(記事 涌井統矢、写真 新藤綾佳)

結果
TEAM1Q2Q3Q4QTOTAL
早大
立大1


コメント

安岡裕美子監督(平16卒)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

まず最初に失点してしまい、その辺は予定外だったのですが逆転できたところは良かったかなと思います。

――上位リーグ進出のためにも重要な一戦でしたがどのような気持ちで臨まれましたか

勝つという意識はありました。引き分け以上で進出だったのですが入りが向こうの方に押された感じがありました。

――後半は修正されたような印象を受けましたがハーフタイムに話し合われたことはありますか

もう少しコンパクトにフォワードがうけに入るというところで長いボールだけでなく繋いでいこうということを話しました。

――次戦へ向けての意気込みをお願いします

もう少し守備をしっかり固めて、自分たちが練習している繋いで前に得点をとるというパターンができるようにしていきたいです。

DF瀧澤璃菜主将(スポ4=岩手・沼宮内)

――試合を振り返っていかがでしたか

きょうは何がしたいのかよく分からない試合になってしまいました。

―どのようなゲームプランで臨まれましたか

特にこれといったものは作っていなかったんですけど、1人が寄せてもう1人がフタをするペアディフェンスの動きであったり、インターセプトを狙っていくというところを全体として意識しました。

――個人としてはセットプレーから3得点を決められました

みんながセットプレーを獲ってくれなかったら、自分だけで決めることはできなかったので、みんなにすごく感謝しています。

――ディフェンスでも好プレーが目立った印象でした

正直、自分としては好プレーはあまりというかまったくできていなかったかなと思っています。守りから攻撃に転じた時のプレーがあまり良くなかったかなと。最初の失点の場面でも、外に展開して攻めるのが鉄則なのに、少し緊張していたのか中にパスしてしまっていたりした自分の判断ミスが失点につながってしまったのかなと思っています。なので、自分としてはあまり良いプレーはできていなかったかなと思っています。

――前半、シュートまで持ち込めない展開が続きました

組み立てが全体的にできていなかったなと感じています。ライトハーフが自分たちの攻撃の起点かなと私は思っているので、ライトハーフであったり、ボールを保持できる選手が多いハーフセンターの選手を中心にボールを散らして、攻めなければいけないのですが、それがきょうはうまくできていなかったです。フリーでシュートを打てた場面もなかったですし、サークルに侵入した回数もそんなに多くなかったので、反省ですね。

――ハーフタイムでどこか修正した点はありましたか

スタッフの方から守りは少しコンパクトにという話をされて、全体の意識が少し変わったかなと思います。広がりがちだったのが寄る意識ができて、中を守る意識が出てきたので、なんとか守って攻撃にという形ができたのかなと思っています。

――きょうの勝利でAプール2位となりました。その相手となる駿河台大戦への意気込みをお願いします

駿河台大は格上のチームだと感じているので、具体的な目標を今から考えてプレーしようと思います。きょうの試合で組み立てができていなかったりと、色々な課題が出てきたので、そこをしっかりと修正していきたいと思います。