東京都大学連盟秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)の最終日となったこの日は、より良い順位で終える為にも連勝が欲しかった。しかし、第1試合目の日女体大戦では順当に勝利を収めるものの、迎えた第2試合の東女体大戦では手も足も出ずに完封負けを喫する。これ…

 東京都大学連盟秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)の最終日となったこの日は、より良い順位で終える為にも連勝が欲しかった。しかし、第1試合目の日女体大戦では順当に勝利を収めるものの、迎えた第2試合の東女体大戦では手も足も出ずに完封負けを喫する。これで、早大は通算成績を2勝3敗として、2018年度の秋季リーグ戦を終えることとなった。

★逆転勝利も、課題得た一戦
東京都大学連盟秋季リーグ戦
日女体大
早 大X
○廣瀬、増田-川崎
◇(二塁打)廣瀬、川崎 ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)なし
  1試合目の相手は、東京都大学連盟春季リーグ戦(春季リーグ戦)ではコールド勝ちを収めた日女体大相手だったが、序盤は拮抗した展開となった。先攻の日女体大に2回に1点を先制されるも、その裏、8番廣瀬夏季(スポ3=北海道・とわの森三愛)、9番遠藤真衣(スポ2=東京・日出)、1番神樹理乃(スポ3=北海道・とわの森三愛)のセンター方向への3連打と相手の失策により、早大は3点を取って逆転する。だが、先発の廣瀬が3回にも1点を失って、試合は1点差のまま中盤に進んだ。ともに4回は無失点と抑えて、試合の流れが止まったかに思われた。しかし5回、早大はこの日2番に入った川崎楽舞(スポ3=千葉・木更津総合)の出塁からチャンスをつくる。4番の鋭い当たりが投手の正面をついてダブルプレーになるという不運はあったものの、小野寺詩織(スポ2=千葉・千葉経大付)の好走塁などもあり、早大はこの回2点の追加点を挙げる。6回にも遠藤、神が連打で出塁すると、続く川崎も「できることは全部やって試合に臨んだ」という言葉通り、この日3安打目の安打で続いて2点を追加。最終回には日女体大の粘りの攻撃を受けるも、廣瀬の後を継いだ増田侑希(スポ1=香川・高松南)が無失点に抑えて、早大は勝利を手にした。しかし日女体大のミスに助けられた部分もあり、2試合目に向けて少しばかりの不安を残す結果となった。

この試合、投打にわたって力となった廣瀬
(記事 大島悠希、写真 守屋郁宏)★好投手の前に沈黙。最終戦を黒星で終える
東京都大学連盟秋季リーグ戦
早 大
東女体大X
●伊藤、増田-河野
◇(二塁打)増子 ◇(三塁打)なし ◇(本塁打)なし

 2試合目に対戦したのは、東女体大。春季リーグ戦では1勝1敗、その後の対戦では大差で敗北と、これまで互角以上の戦いを強いられてきた相手だ。打線は初回、俊足の遠藤が相手の失策で出塁すると、すかさず盗塁を決めて好機をつくる。しかし後続が相手好投手・久本美波(1年)の前に打ち取られ、無得点で初回を終えた。代わって裏の守備。前の試合で完封勝利を挙げた伊藤貴世美(スポ2=千葉経大付)が、先発のマウンドに登る。先頭打者を打ち取り、順調な滑り出しになるかと思われたが、2、3番に連打を浴びると5番・比護奈保子(3年)に外角の球を巧く合わせられ、先制を許してしまった。
 その後も試合は、東女体大に主導権を握られたまま進んでいく。伊藤は走者を背負いながらも粘りの投球を続けるが、3回に1点を失ったのち、4回2失点で降板。マウンドを増田侑希(スポ1=香川・高松南)に託した。増田は持ち味の剛速球を武器にピッチングを展開するが、5回に右前適時打で1点、6回にも三塁打と暴投で1点を失い、2回2失点のマウンドとなった。
 一方の打線も、久本の前に苦戦が続く。ドロップとチェンジアップを低めに集める投球術にかわされ、6回に神樹里乃(スポ3=北海道・とわの森三愛)が初の安打を左前に放つも得点には結びつかず。7回にも増子奈保主将(スポ3=東京・日出)の二塁打で好機をつくるが、ここも無得点。0-4で完敗を喫した。


この試合唯一の長打を放った増子主将は守備でもチームを牽引する

  秋季リーグ戦は負け越しで幕を閉じた。結果は厳しいものだったが、得られたものは大きい。特に選手たちからは『課題』、『収穫』といった言葉が多く聞かれた。「勝てた試合には勝てた理由があったし、負けた試合もそのときそのときで課題が出た」(遠藤)。年内最後の公式戦である、関東大学選手権まで残り2週間あまり。順当に勝ち進めば準決勝でこの秋、リーグ戦で敗北した日体大との再戦がかなう。「まずはそこまで一戦一戦やっていきたい」(廣瀬)。リーグ戦の5試合で得た『収穫』を消化し、『実りの秋』として一年を締めくくりたい。

(記事 望月優樹、写真 守屋郁宏)


コメント

神樹里乃(スポ3=北海道・とわの森三愛)

――2安打を放たれた1試合目は、振り返られてどのような試合でしたか

みんなが打ってつないで点数をとっていって、ワセダの有利で試合を進めていけたというのは良かったと思います。

――今季初の1試合複数安打。打席の中での意識の変化などはありあしたか

とにかく力を抜いて打席に入ることを意識していました。前までは力が入りすぎていて、自分の出したいところにバットが出せてなくて打ち取られることが多かったので、古川(晴野、スポ3=神奈川・厚木商)とかにアドバイスをもらいながら打席内で調整できたかなと思います。

――2試合目は6回に神選手が放った安打がチーム初安打でした。攻略が難しかったのはどんなところでしたか

(ボールが)低め中心に集まっていたんですけど、その中でドロップとチェンジアップがあって。落ちるボールとタイミングをずらされるというなかで、中々仕留められなかったというのがチーム内でありました。

――秋季リーグ戦を通して自身の状態の変化を振り返ると、どのようなリーグ戦でしたか

「打ちたい、打ちたい」と気持ちばかりが先走っていて、それが裏目に出て、力が入りすぎて思うようなバッティングができていなかったなと思います。でも前の試合の国士(国士館大)戦では自分と川崎で1点取れたり、きょうも少し点数に絡むようなヒットを(自分が)打つようなバッティングができていたので、それを初戦からもっとできるように。こういうリーグ戦はもうあと春しかないんですけど、そういう風にもう一回つくりなおしていけたらと思います。

――チーム全体としてはどのようなリーグ戦でしたか

ピッチャーは、試合を重ねるごとにどんどん良くなっていったなと思います。野手陣は、まだエンドランを何個も決められたりとか、まだまだ詰められるところがたくさんみつかったリーグだったなと思います。

――神選手はこれからチームを離れ、日本代表に合流することになります。今の心境はいかがですか

すごくワクワクしています。こっち(秋季リーグ戦)の方がドキドキです(笑)。日本人じゃない人と戦えることとか、いつもと違うメンバーとチームになってソフトボールができることがすごく楽しみです。

――国際大会に向けての意気込みをお願いします

とにかく楽しんでいけたらと思います。その中で打って結果を残したりとか、他のチームの人たちとコミュニケーションをとって、ソフトボールの話をたくさんできたら良いなと思います。

廣瀬夏季(スポ3=北海道・とわの森三愛)

――一試合目の試合で先発でした。ランナーを出しながらの苦しい展開でしたが振り返っていかがでしたか

ランナーが出たのはバッテリーの責任ですし、打たれたのは自分のせいなので。バッティングもやっていたので打たれたら返していこうと思ってました。

――ご自身の調子はいかがでしたか

秋リーグ(東京都大学連盟秋季リーグ戦)全体を通してだといい方かなと思います。

――大崩れしないピッチングが特徴的だと思いますが、その点はいかがですか

一番してはいけないことは、試合を壊すことなので。常に崩れないようにと心がけています。一番納得いかなかったのは日体大戦でした。その分、自分の課題が見つかったので、それは秋リーグの収穫です。それを克服するのがこれからの時期だと思います。

――打者としても活躍されていました

当たっている方だなとは思います。一塁線に打った打球のとき、走塁ミスをしてしまって。チャンスを自分で潰したのが、チームにとって一番痛かったかなと思います。これから詰めていかなければいけないところだと思います。

――投手陣全体の雰囲気はいかがですか

インカレ(全日本大学選手権)が終わって新チームになって、ピッチャーのメンバーは変わらなくてということで、全部を通したらいい方向に向かっています。個々の課題が明確になったことは良かったです。これからですね。

――関カレ(関東大学選手権)に向けて何かあればお願いします

順調にいけばベスト8で日体大に当たる組み合わせなので、そこで必ず秋リーグで勝てなかったので、まずはそこまで一戦一戦やっていきたいと思います。

遠藤真衣(スポ2=東京・日出)

――1試合目では先制タイムリーを打ちましたが、振り返っていかがですか

今まであまり調子が良くなかったので、ここで打たなきゃと思っていました。そして先輩方が状況をつくってくれたので、その期待に応えたいという思いで打ちました。

――秋からレギュラーになったと思いますが、振り返って手応えなどは感じていますか

あまりないですね。ちゃんとした成績も残せていないですし、これといった特徴を出せているわけでもないので…。これから秋季リーグ戦(東京都大学連盟秋季リーグ戦)が終わって再来週から関カレ(関東大学選手権)が始まりますが、そこでしっかり自分の持ち味を発揮したいと思います。

――足を使ったプレーが持ち味だと思いますが、そこを振り返っていかがですか

もう少しできたかなという思いはあります。きょうは盗塁を決められたので、もっと盗塁の数を増やしたりセーフティーバントなどの小技を増やしたりして、もうちょっと頑張りたいと思います。

――秋季リーグ戦を通して、チーム全体の状態はいかがでしたか

勝てた試合には勝てた理由がありますし、負けた試合でもそのときそのときで課題が出ました。その週ごとに課題を克服できている部分もあれば、まだ課題が残っている部分もあるので、もっとチームの雰囲気としても状態としても良くできるかなと思います。

――それを踏まえて関カレへの意気込みをお願いします

自分の持ち味をしっかり発揮して、チームの一員としてチームのために勝てたらいいなと思います。

川崎楽舞(スポ3=千葉・木更津総合)

――1試合目は3安打2打点の活躍でした

 オーダー発表の時に2番と聞きました。ワセダに入ってから2番で打ったことあったかなという感じなので、今までとは違う気持ちで入れたのは1つあります。もう1つは全然昨シーズンから打てていないので、毎試合毎試合思うことですが、しっかり自分の打席をつくろう、集中していこうと。ただそれだけを考えて打席に立っています。

――秋季リーグ戦の初めは調子が良くなかったですが、今日の試合は3安打と調子を上げてきています。どのように調子をあげて来ましたか。

 自分は気持ちで勝負するようなタイプなので、大きくフォームを変えたりはしないですが、ここ1週間の練習の中で、いろいろ日によって自分で細かい調整をしたりとか。あとは、チームメイトに見てもらったりとか、出来る事は全部やって臨んだからかなと感じます。

――廣瀬投手は走者を出しながらのピッチングとなりましたが、どのようにリードしましたか

 廣瀬は下に落ちるドロップ系のボールがすごく良くて、それが浮いた時はボールを叩かれてヒットになることが多かったんですけど、それがしっかりと落ちた時、その時の声掛けとかを大事にしました。あと、廣瀬は自分でゲームをつくれるタイプ、捕手に任せるというよりかは自分でゲームメイクをするタイプだから、廣瀬にしょっちゅう意見を聞きに行ったりして、ゲームをつくっていったという感じです。

――春季リーグ戦で防御率が0.00だった増田侑希(スポ1=香川・高松南)投手の現在の調子に関してはどのようにとらえていらっしゃいますか

 今まで打たれなさすぎたというのもあるし、防御率がゼロだったからという別のプレッシャーもあるし。そのこと(この秋失点が続いていること)を自分達は前向きに捉えて、打たれて学んでいこうと風に声掛けをしました。打たれた原因は、研究された事もあるだろうし、あとは生命線だった真っ直ぐだけだと、それにタイミングを合わせてヒットを打たれるというのがパターンかなと。そういうことがパターン化してきたから、読まれているというのもあると思います。

――秋季リーグ戦を振り返っていかがですか

 個人の課題としてはまずバッテイングで、今日とかは3安打打てましたけど、まだ全然調子が夏とかから上がっていないので、これからバッティングを上げていくということ。何よりも捕手として出させていただくようになって、投手とのコミュニケーションや野手とのコミュニケーション、また先生とのコミュニケーション不足で、自分の力が発揮できなかったこと。それと、そもそも捕手の技術が足りていなかったという反省が大きく残っているので、それを関カレ(関東大学選手権)までにつめて、来年の夏までには完璧に仕上げるというふうに自分の中では考えています。

――関カレへの意気込みをお願いします

 リーグで出た課題をあと2週間くらいで詰める所まで詰めて。バッテイングも期待されている打順に入れてもらってるので、しっかりと期待に応えられるバッテイングをすること。また、良いトーナメントに入れたので、自分達のソフトボールが出来れば最終日まで残れると思うので、そこで東京都リーグの上のレベルのチームと当たれると思うので、リベンジが出来るように勝ちます。