マーリンズのイチロー外野手が4日(日本時間5日)、敵地で行われたメッツ戦に代打出場し、右中間二塁打を放った。2試合連続で先発を外れたが、1打席で結果を出してメジャー通算安打は2990本となり、3000本の金字塔まで残り「10」。■MLB公式…

マーリンズのイチロー外野手が4日(日本時間5日)、敵地で行われたメッツ戦に代打出場し、右中間二塁打を放った。2試合連続で先発を外れたが、1打席で結果を出してメジャー通算安打は2990本となり、3000本の金字塔まで残り「10」。

■MLB公式サイト記者が「ワールドヒットリーダー」と紹介も…「ローズがキング」

 マーリンズのイチロー外野手が4日(日本時間5日)、敵地で行われたメッツ戦に代打出場し、右中間二塁打を放った。2試合連続で先発を外れたが、1打席で結果を出してメジャー通算安打は2990本となり、3000本の金字塔まで残り「10」。地元番記者がツイッターでイチローのヒットを速報した際に「ワールドヒットリーダー」と紹介し、ピート・ローズの持つメジャー最多4256安打の記録を日米通算(4268安打)ですでに抜いている「世界の安打王」と称えたところ、現地の“ローズ派”が猛烈に反論。ツイッターが炎上気味に議論が盛り上がるという事態となった。

 6点差を追いつかれて迎えた8回、イチローは先頭で代打で登場した。そして、メッツ4番手レブロスの4球目を右中間に運ぶ。鮮やかな二塁打をMLB公式サイトのマーリンズ番記者、ジョー・フリサロ氏が速報した。

「イチローが二塁打。現在MLB通算2990本に」というツイートとともに、「Ichiro3000」「ワールドヒットリーダー」とハッシュタグで紹介。すると、“ローズ派”から猛烈なクレームが殺到した。

「ピート・ローズがヒットキング。以上」

 この投稿に対して、フリサロ氏が「MLBではそうでも、世界では違う」と冷静に対応したところ、「ローズのマイナーのヒット数もカウントしているの?そうでなければ、あなたのクレームは間違っている」と横槍が入った。

 フリサロ氏はさらに「マイナーリーグのヒットもカウント?イチローがトータルで多くのヒットを打っているのは事実」と説明。だが、“ローズ派”は引き下がらない。更に「大陸間のスタッツを数えるの?もしも、プロとしてのヒット数を数えるなら、2A、3Aのヒットもカウントしないのか?」と食い下がったが、フリサロ氏は「なぜイチローのマイナーのヒット数を無視するんだ。加えて、マイナーのヒットはカウントしないものだ。公式記録に存在しないからだ」と反論した。

■マイナー記録は「公式のスタッツではない」、“ローズ派”は「日本のは数えない」

 これに対しても、“ローズ派”は「不屈の闘志」を見せる。野球専門サイトのデータベースを引っ張りだして、「記録は存在すると思う」と主張。フリサロ氏が「マイナー時代の数字を出す方法はあるが、それは公式のスタッツではない」と一蹴した。

「彼はワールドヒットリーダーではない。なぜならローズのマイナー時代のヒット数をカウントしていないからだ」

「独立リーグで5000本安打打った選手がいないなんて、どうやってわかるんだ。どこから線引きするんだ。思うに、MLBでしょう」

「日本の(ヒット)は数えない」

 フリサロ氏の元には、“世界のヒット王”というイチローの称号に対する異論は多く届き、炎上気味になったが、その主張の多くに懇切、丁寧に対応していた。

 野球賭博への関与でMLBから永久追放されているローズ氏は今年、古巣レッズでは球団殿堂入り。だが、イチローの日米通算安打記録に否定的なコメントを連発したことは日米のメディアで大きく取り上げられた。3000本の金字塔に一歩一歩近づくイチローだが、輝かしいキャリアで積み上げてきたそのヒット数に関する議論も一層高まりを見せている。