春の借りを返した。15戦目の相手は春のトーナメント、リーグ1周目でも敗戦した中大。第4クオーター(Q)で一時逆転されるが渡辺翔太(政経2=宇都宮工)の3Pシュートで再逆転し、接戦を制した。◆8・25~11・11 第94回関東大学1部リーグ…

 春の借りを返した。15戦目の相手は春のトーナメント、リーグ1周目でも敗戦した中大。第4クオーター(Q)で一時逆転されるが渡辺翔太(政経2=宇都宮工)の3Pシュートで再逆転し、接戦を制した。

◆8・25~11・11 第94回関東大学1部リーグ戦(駒沢屋内球技場他)

▼10・13 対中大2回戦(専大生田キャンパス体育館)

○明大62{23-17、14-17、11-10、14-15}59中大

  スターターは、PG綱井勇介(文4=大阪学院)、SG渡辺、SF須藤昂矢(営3=桐光学園)、PF森山修斗(政経4=瀬田工)、C今川友哲(営4=大阪桐蔭)。

 土壇場での逆転劇を演じた。2点差を追う第4Q残り20秒。「僕が決めなあかん」(今川)と、セットオフェンスで今川の得点を狙ったが中大ディフェンスに先読みされパスが通せない。ショットクロックが10秒を切りベンチには敗戦ムードが流れ始める。絶体絶命の状況の中「チームに貢献できていないという思いがあった」(渡辺)と、リーグ戦2度目のスタメン出場となった渡辺が逆転を狙う3Pシュートを打つ。放たれたボールはリングの縁を回りネットに吸い込まれた。「自分のバスケ人生を振り返っても初めての一本だった」(渡辺)。これが決勝点となり中大から今年度初の勝利を手にした。

存在感を示した。シックスマンとして活躍を続ける渡辺。スピードを生かしたプレーでチームを勢いづけ、今年度はプレータイムを大幅に伸ばしている。今試合ではセットプレーが決まらない中、逆転の3Pシュートを決め「あの場面で打てたのは心の強さ」(今川)と精神力の強さを見せつけた。試合を通しても「重い流れにならないように心掛けた」(渡辺)と持ち味の速い展開を作り出し勝利に大きく貢献。成長し続ける次世代の司令塔から目が離せない。

連勝で弾みを付けたい。今試合で自動降格圏内から脱出した明大の次戦の相手は3位の青学大。上位校との対戦となるが、前試合では8点差と勝てない相手ではない。勝利をつかみ2部降格の瀬戸際から脱したい。

[長沼遼太] 


試合後のコメント

今川

――セットプレーに持ち込めない中での渡辺の3Pシュートを振り返っていかがですか。

「言われたことだけやるとターンオーバーだったり、消極的なプレーにつながってしまいます。そうじゃなくて言われたことの中で自分が考えてプレーできるのは指導者、コーチのいない明治では必要なことだと思うので、それは良かったかなと思います。自分のプレーか自分の責任になってしまうので、それを翔太(渡辺)は1、2年生の時から挑戦できているので、落とした時のことを考えているのかはわからないんですけど、打てたというのは心の強さなんですかね」

渡辺

――3P決めた後の心境はいかがでしたか。

「あれは正直入らないと思っていました(笑)でもああいうシーンは自分のバスケ人生でもなかった一本なのでとてもうれしい一本でした」

――今年、中大に1勝目となりました。

「本当は前回つけられた8点以上つけて勝ちたかったのです。でも勝てたので最低限です。勝てる相手なのにトーナメントもリーグ戦も連敗して、因縁というか今日もみんな『いけるのかな』と思っていたと思います。でも、オフェンスリバウンドとか飛び込まれていたけど身長で少し勝っている分今川さんとか森山さんとかがリバウンドを取りにいってくれたのでこの1勝は大きい1勝です」