「クライマックスシリーズ」 ヤクルト―巨人第1戦  6回を打者3人で抑え、ベンチ前でタッチを交わす巨人・上原(右)=神宮【写真提供:共同通信社】 読売巨人の上原浩治が、自身10年ぶり出場となるクライマックスシリーズで勝利投手となった。 2…

「クライマックスシリーズ」 ヤクルト―巨人第1戦  6回を打者3人で抑え、ベンチ前でタッチを交わす巨人・上原(右)=神宮【写真提供:共同通信社】


 読売巨人の上原浩治が、自身10年ぶり出場となるクライマックスシリーズで勝利投手となった。

 2対1と1点リードの5回、2死2塁のピンチで山田を迎えた場面で先発の今村からマウンドを引き継いだ。「嫌な思いだった」という上原だが、フォークと130キロ台のストレートでカウント1ボール2ストライクと追い込んだ後、4球目のフォークで空振り三振に打ち取り、得点を許さなかった。6回にもマウンドに上がった上原は、バレンティン、雄平、大引のクリーンアップを三者凡退に打ち取り、直後の味方の追加点につなげた。「とにかくゼロで5回を追われて、次も0点で抑えられてよかった」と喜んだベテランだが、シーズン中にも何度かあったイニングまたぎの投球についても「(5回を)投げ終わった後にもう1回と言われたので、気持ちが切れることなく次の回もきちんといくことができた」と何事もなかったように自らの仕事を果たした。

 中盤で相手に傾きかけた流れを止め、さらに味方の攻撃にもつなげる投球は、日米で経験豊富な右腕ならではのもので、高橋監督の起用に見事に応えた。「こういう短期決戦は何点あってもいいし、守る方は1点でも少なくということで、今日はそれができたいい試合だった」と満足そうだった上原。メジャーで世界一も経験した右腕は「勝つことだけ。内容どうこうではなく、勝つことが大事」とポストシーズンの戦い方を示した。

 監督の退任も決まったチームだが、借金4からの下克上に向け、ファーストステージ突破に王手をかけた。第2戦に先発するエース菅野に対して「1人で投げきって下さい」とおどけたリリーバーの存在は、短期決戦の大舞台で大きな力になりそうだ。