現地時間7月2日17時(日本時間7月3日7時)からカナダ・ケベック州トロワリヴェールのスタッド・フェルナンド・ベタールで歴史的プレーボールを迎えた「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。■キューバ相手に終盤追い上げも…指揮官「…

現地時間7月2日17時(日本時間7月3日7時)からカナダ・ケベック州トロワリヴェールのスタッド・フェルナンド・ベタールで歴史的プレーボールを迎えた「四国アイランドリーグplus ALL STARS」。

■キューバ相手に終盤追い上げも…指揮官「もったいない失点」

 現地時間7月2日17時(日本時間7月3日7時)からカナダ・ケベック州トロワリヴェールのスタッド・フェルナンド・ベタールで歴史的プレーボールを迎えた「四国アイランドリーグplus ALL STARS」-キューバ代表の戦い。表を取ったキューバ代表は「四国アイランドリーグplus ALL TARS」先発の福永春吾(徳島インディゴソックス)に対し「パワー野球」の固定概念を打ち砕く「逆・KABUKI SPIRITS!」で崩しにきた。

 1回表、先発の福永が先頭のJ.Martinezに四球を与え、さらに暴投で二塁進塁を許すと、2番の遊ゴロでJ.Martinezは判断よく三塁へ。その後、3番打者の中犠飛で、キューバ代表が無安打で先制した。さらに2回には先頭の5番・Y.Santoyaがチーム初安打となる二塁打を放った後、6番のJ.Delgadoは平凡な三塁ゴロにもかかわらず猛然と一塁へ全力疾走。これが失策を引き出し、7番のG.Aulioも安打を放った後の一死満塁から9番・R,Gonzalezの適時打で2点目。0-2。カブキJAPANは“かかと体重”のままキューバ代表に主導権を奪われてしまった。

 相手に平常心を失わせると、今度はどっしり構えて本来のパワーゲームに持ち込むキューバ代表。3回表には正田樹(愛媛マンダリンパイレーツ)がマウンドに上がり、そこから4番・Y.Alarconがソロ本塁打を放ち、リードを3点に広げると、先発のV.Banosもしり上がりに調子を上げ6回3安打無失点。奪三振2、四球1の丁寧さもまた「逆・KABUKI SPIRITS!」といえよう。

 しかしそんなキューバ代表相手に6回表、果敢にパワーピッチを挑む男が現れた。愛媛マンダリンパイレーツの剛腕・佐藤宏樹。三者連続三振という気迫のピッチングが、本家「カブキJAPAN」に火をつける。7回表にも嘉数勇人(高知ファイティングドッグス)から3番・L.Robertにソロ本塁打を浴びて0-4とされ、完敗ムードが漂い始めた8回裏、7回裏からマウンドに立っていた左腕・Y.Y.Monntaluaに対し「KABUKI SPIRITS!」がついに爆発した。

■終盤に見せた追い上げ

 失策、四球で得た1死一、二塁のチャンス。ここで左打席に立った6番・加藤次郎(香川オリーブガイナーズ)は、途中出場での初打席にもかかわらず全く迷いなきスイングで右中間を真っ二つに破る二塁打。3番・林敬宏(愛媛マンダリンパイレーツ)がついに歴史的なキューバからの初得点を挙げると、続くこれも途中出場、初打席の橋本球史(徳島インディゴソックス)が、代わったクローザー・L.Moinneloに対しバットの根っこで逆方向の左前にしぶとく落とす2点適時打。3-4と1点差としてなお1死一、三塁。日本の独立リーグチームが、キューバ代表に迫る事実にスタジアムのボルテージは一気に上がった。

 しかし、キューバ代表はどこまでも「全力」だった。L.Moinneloが後続2人を全力投球で断つと、9回表「四国アイランドリーグplus ALL STARS」が満を持して送り出した守護神・平良成(高知ファイティングドッグス)に対しても、先頭打者が四球を選び、前打席本塁打の3番・L.Robertが初球送りバントを成功させる手堅い攻め。結果は2死後、5番・Y.Santoyaの適時打で追加点。9回裏、カブキJAPANには再び「KABUKI SPIRITS!」を出す力は残っていなかった。3-5。8人の継投リレー、6安打3得点も実を結ばず、通算8勝12敗。「四国アイランドリーグplus ALL STARS」2回目の北米遠征はこうして幕を閉じた。

キューバ代表
111 000 101|5
000 000 030|3
四国アイランドリーグplus ALL STARS

四国アイランドリーグplus ALL STARS:福永、正田、間曽、秋山、佐藤、嘉数、岸本、平良ー垂井、古川大、鶴田
キューバ代表:Vladimir Banos、Yoanny Yera、Livan MoineloーOsber Pena

■手応えつかむ選手も「全体ではキューバ代表との差はさほどない」

○中島輝士監督

「失点が全てもったいない失点だった。形としては悪い点の取られ方、残念です。それがなかったら、勝敗はどうなっていたか分からなった。そこは結果論になってしまいますが。それでも8回裏は0対4からよく3点獲ってくれた。北米遠征で最後までみんながあきらめないで、しっかり自分たちの野球をやってくれたことに敬意を表したいと思います」

○宗雪将司外野手(主将・香川OG)

「キャンナムリーグのチームは『真っすぐ、真っすぐ』というピッチャーが多かったですけど、キューバは打者が有利なカウントでも変化球を投げて来たり、あるいは、変化球が打てないと思ったら変化球中心で来たり。非常にレベルの高い野球をすると思いました。あとは打者の打球音。当たったときの音がすごいものがありました」

○加藤次郎内野手(香川OG)

「(8回裏に追撃の右中間適時二塁打)正直、全体ではキューバ代表との差はさほどないと思いました。ただ、その中で大きな差があると思ったのはスイングスピードです。北米遠征では内野が天然芝のグラウンドに最初は苦労しましたし、あとはストライクゾーンの広さにも戸惑いはありましたが、最後は順応できたと思います」

○佐藤宏樹投手(愛媛MP)

「(6回表に5番手で登板し三者連続三振も)今日は最後のバッター(1番)だけはちょっといけません。三振を取る前のスライダーがファールになったボールと、最後の真っすぐです。三振を取ったストレートは本当は次のフォークへの布石とするためにボール球を投げたかったんです。そこに投げ切れず入っちゃったところが課題ですね。結果としてはミノサン(見逃し三振)でしたけど……」

(記事提供:独立リーグドットコム)

独立リーグドットコム編集部●文