夏の個人戦をここ十数年で最悪とも言える成績で終え、「今年は王座出場すら危ういのでは」と危機感が募った女子部。それでも、団体戦シーズンに向けチーム力を高め、関東大学リーグ(リーグ)では実力を十分に発揮。全勝優勝を果たし、全日本大学対抗王座決…

 夏の個人戦をここ十数年で最悪とも言える成績で終え、「今年は王座出場すら危ういのでは」と危機感が募った女子部。それでも、団体戦シーズンに向けチーム力を高め、関東大学リーグ(リーグ)では実力を十分に発揮。全勝優勝を果たし、全日本大学対抗王座決定試合(王座)出場を決めた。勢いに乗って乗り込む愛媛の地で、女子部はどんな戦いを繰り広げるのだろうか。


リーグでは全勝と抜群の安定感を見せた大矢(左)・上組

 王座ではシングルスの本数が3本となるため、シングルスが5本であるリーグと比べてダブルスの重要度は格段に増す。カギとなるのはダブルス2だろう。その重要な役割を任されるのは、清水映里(スポ2=埼玉・山村学園)・下地奈緒(社2=沖縄尚学)組。リーグでは第2、3戦と連続で逆転負けを喫したものの、慶大戦、筑波大戦ではフルセットの接戦を制し、石井弥起ヘッドコーチにも、「リーグを通して勝ち方が分かってきた」と評された。経験を積んで成長を遂げた2年生ペアが、王座でもチームに1勝を持ち帰ることはできるか。ダブルス1に君臨するのは大矢希女子主将(スポ4=愛知・名経大高蔵)・上唯希副将(スポ4=兵庫・園田学園)組。ラストイヤーの個人戦では結果を残せなかったが、リーグでは全試合でストレート勝ちと抜群の安定感を見せチームに貢献した。「私たちのダブルスは楽しんでやれれば結果がついてくると思う」(上)。昨年の決勝のように緊張感をも楽しみ、確実にチームに勝利を届けたい。ライバルとしては全日本学生選手権(インカレ)ベスト4に2組が名を連ねた亜大が挙げられる。リーグではペアを崩してきたが、どんなペアリングで挑んでくるのか。早大にとっては相手がどんなペアであろうと自分たちのテニスを崩さないことが重要だ。昨年は危うくダブルスで2本取られかけた関大も要注意。「ダブルス2-0にできれば、あと一本で勝ち」(大矢)。ダブルスで勢いに乗れるかが最大のポイントとなるだろう。


今季もエースの重責を背負う清水

 早大シングルスの中心は、昨年に続きエースの重責を担う清水映里(スポ2=埼玉・山村学園)だ。連覇を期待されて臨んだインカレではまさかの初戦敗退に終わり、不安を抱えてリーグに臨んだが、天王山となった亜大戦では勝敗のかかった状況で勝利。筑波大戦ではインカレチャンピオン牛島里咲(4年)に勝利するなど調子は上向きだ。昨年に続き、王座の大舞台でも3戦全勝でエースの役割を果たしてくれるだろう。シングルス2、3には上、大矢、大河真由(スポ3=千葉・秀明八千代)らが流動的に起用されることになりそうだ。特に大河は筑波大戦で森崎可南子(4年)相手に大金星を挙げており、初出場となる王座でも格上相手に下克上を果たせるか注目したい。他大ではやはり亜大がライバルとなってくるだろう。インカレ準優勝の松田美咲(2年)、ベスト4の中沢夏帆(4年)と実力者がそろう強敵とは決勝での対戦が予想されるが、リーグ以上の集中力で臨みたい。飛び抜けた選手はいないものの関大、園田女大といった関西勢、地方勢も実力をつけてきており、初戦から油断は禁物だ。


伝統のチーム力で王座優勝を目指す

 今季の女子部の最大の強みは、『チーム力』。危機感の募った夏をチーム力で乗り越え、チーム全員でリーグを制して王座までたどり着いた。ついに迎える最後の大舞台でも、「4年生を笑顔で送り出したい」と気持ちは一つだ。サポート・応援と力を合わせ、
伝統のチーム力を武器に、前人未到の13連覇へ突き進む。

(記事、写真 松澤勇人)

日程

▽2回戦

10月13日vs松山大

▽準決勝

10月14日vs関大

▽決勝

10月15日

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