圧巻のパフォーマンスで福岡を撃破Bリーグ初代王者の栃木ブレックスは、先週末にライジングゼファーフクオカと開幕節を戦った。B3から最短でB1昇格を果たした勢いのある福岡に苦戦を強いられたが、B1の強豪としての意地を見せつける形で、敵地で2連勝…

圧巻のパフォーマンスで福岡を撃破

Bリーグ初代王者の栃木ブレックスは、先週末にライジングゼファーフクオカと開幕節を戦った。B3から最短でB1昇格を果たした勢いのある福岡に苦戦を強いられたが、B1の強豪としての意地を見せつける形で、敵地で2連勝を収めた。

この2試合で圧倒的なパフォーマンスを見せたのが大黒柱のライアン・ロシターだった。2試合平均で27.5得点、11リバウンド、3アシスト、2ブロックショットを記録。そのロシターは「開幕戦は少しエキサイトして、浮足立ってしまうような状況もあった。その中でなんとか2勝してこの週末を終えることができたのは良かった。これからは落ち着いて試合に臨みたい」と語った。

特に2試合目はインサイドの要であるジェフ・ギブスがファウルトラブルに陥った。その難しい場面でチームを救ったのがロシターだ。第4クォーターで挙げたチームの総得点19点のうち、ロシターは13得点を記録し、勝利を引き寄せた。

「ギブス選手がファウルトラブルになったことで、より得点に意識が向いた。自分が得点を取らなければいけないという思いはあったね」とロシターは言う。

それでも「自分がカットしたタイミングをガードが見逃さず良いパスを供給してくれた。レイアップ、ゴール下を決めるだけだった。ガードのパスがあってこそのプレーだった」とチームバスケットの結果と語る。『チーム一丸』をどのチームよりも大事にする、栃木のメンタリティがロシターの言葉に表れていた。

「勝つために必要なことをなんでもやっていきたい

ロシターは栃木での6年目の開幕を迎えた。在籍年数はレジェンドの田臥勇太、生え抜きの遠藤祐亮に次いで長い。その彼は外国籍選手であっても自然にリーダーシップを発揮している。

「今までやってきたことと変わらず、コート上でリーダーシップを発揮したい。オフェンス面では得点が必要な場面で得点し、ディフェンス面では自分から声を出してコミュニケーションを取り、チーム全体が同じ意識を持って機能できるようにしていきたい」

その発言からも分かるように、ロシターはアンセルフィッシュな選手だ。過去にMVPやベスト5、リバウンド王のタイトルなど獲得した経歴を持つが、ロシターにとってそうした個人賞は勝利の副産物に過ぎない。「勝つことがチームとして最優先。自分のスタッツは気にならないし、個人的なことに意識は向けてない。今までと変わらないけど、このチームが勝つために必要なことを何でもやっていきたいと思っているよ」

今週末のホーム開幕戦を「楽しみにしている」

今週末の第2節、栃木はホーム開幕戦を迎える。熱狂的なブースターが黄色く染める会場は、相手チームの選手の多くが「やりづらい」と口にする。ロシターも「ブレックスファンはリーグでも随一のファンなので、皆さんの前でまたプレーができるのを楽しみにしている」とホーム開催を待ち遠しく感じている。

対戦相手は、日本代表の宇都直輝と巨漢センターのジョシュア・スミスが加わった富山グラウジーズ。開幕節では横浜ビー・コルセアーズに2連勝し、2試合平均97.5得点と現在リーグNo.1のオフェンス力を誇る富山に対し、ロシターはスミスを要注意人物に挙げた。「身体が大きいのでそのパワフルな部分に注目がいきがちだが、テクニックにも長けた選手で周りも見えている。味方を生かせることもできるうまい選手だ」

「彼一人を止めればいいわけではなく、5人全員で相手の5人を止めていくことがカギになる。チームとして守ることが重要だ」とロシターは言う。栃木が信条とする全員バスケが体現できれば、自ずと勝利は見えてくるということだ。

ロシターはスミスと比較し、「自分のほうが強いと思う(笑)」とコメント。本人は冗談のつもりで言っていたが、栃木が勝利するには、ロシターがスミスを超える貢献をチームにもたらすことが間違いなく必要となる。