手に汗握る死闘。制したのは明大。敗れれば下位もあり得るという状況で挑んだ今試合。序盤から7人攻撃を効果的に使い前半を同点で折り返す。その後も1点を争う展開を繰り広げ、同点で迎えたラスト5秒。服部將成(法2=春日丘)の右腕からブザービートさ…

 手に汗握る死闘。制したのは明大。敗れれば下位もあり得るという状況で挑んだ今試合。序盤から7人攻撃を効果的に使い前半を同点で折り返す。その後も1点を争う展開を繰り広げ、同点で迎えたラスト5秒。服部將成(法2=春日丘)の右腕からブザービートさながらのシュートが飛び出し、2年ぶりとなる秋季リーグ準優勝をつかみ取った。

◆9・1~10・7関東学生秋季1部リーグ戦(日大八幡山体育館他)
▼10・7 対日大戦(国士大多摩体育館)
◯明大25{11-11、14-13}24日大


 立ち上がりは決して良くなかった。「ちょっと危ないかなと思った」(宮崎大樹・営4=法政二)。開始直後から3連続得点を許し、追う展開に。だがここで折れないのが今季の強さ。「試合中に話して修正できた」(中川翔太・営3=法政二)。リスクの高い7人攻撃を効果的に使い、同点に持ち込み前半を終える。
 後半は1点を奪い合うシーソーゲーム。「明大はディフェンスのチーム」(宮崎)と語る通り、今大会総失点数2位の少なさを誇る固いディフェンスでゴールを守り、機をうかがう。せめぎ合いを続け、同点で迎えた後半29分。直前の日大の攻撃をかわしチャンスをつくり出すと、ボールは服部將の手に。「決めるしかないかな、と思った」。身長190センチの巨体から放たれたシュートがゴールネットを揺らす。直後、試合終了を告げる笛が鳴り響く。漫画のような勝利に会場が歓喜の渦に包まれた。

 2年ぶりの準優勝。ベスト4の目標達成に「今日はもう最高」(門間優次郎主将・法4=法政二)と喜びに酔いしれるも、1ヶ月後にはインカレが控えている。「優勝だけを取りに行く」(宮崎)。創部初の全国制覇に向け、物語はまだ始まったばかりだ。

[高野順平]

試合後のコメント
加藤良典監督
――リーグを振り返っていかがですか。

 「1点の重みを理解できたかなって感じました」
――目標のベスト4を達成しました
 「選手がよくやってくれた。それに尽きます。負ける内容の試合も勝ち切れるチームになってきたと思います」

門間主将
――今日の試合を振り返っていかがですか。

 「今日はもう最高です。最後は全員が自分の役割を果たして1点で勝ち切れたので、すごく大きな結果だと思います」
――チームワークが非常に強い印象があります。
 「個々の能力では劣っていなくて、あとはメンタル面だけだったので、そこで主将としてどうみんなをコントロールできるかでした。練習中から声を出したり、試合、プレーで示せたと思います」

服部將
――最終得点は服部さんの手から生まれました。

 「決めるしかないかな、と思っていて悔いのないように打ち切りました。自分の感覚的に、こっちに撃ったらありえないだろうな、という方に撃って、普通だったら引っ張って撃つのですがあえて流して撃って決まりました」

宮崎
――春との一番の違いは。

 「春は4年生が下をカバーできていなかったのですが、秋は4年生がチームを支えていく形を取れたので、1点勝てたり、引き分けに持ち込んだりできたのでは無いかと思います」