昨年度の学生三大駅伝において早大は執念を見せた。出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)では入賞を逃す9位、続く全日本大学駅伝対校選手権(全日本)では7位でシード権落ちという苦しい結果に。しかし東京箱根間往復大学駅伝(箱根)では最上級生が意地を見せ…

 昨年度の学生三大駅伝において早大は執念を見せた。出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)では入賞を逃す9位、続く全日本大学駅伝対校選手権(全日本)では7位でシード権落ちという苦しい結果に。しかし東京箱根間往復大学駅伝(箱根)では最上級生が意地を見せ3位に食い込んだ。今年のトラックシーズンはなかなか結果を出せないまま終わったが、先週の世田谷競技会では好記録が続出。約2カ月にわたる夏合宿を経て、チームの状態が上向きであることが確認できた。『学生三大駅伝全て3位以内』の目標に挑む、出雲での早大の布陣をお伝えする。


プレスインタビューに応じる相楽監督

 全長45.1キロメートルのスピード駅伝・出雲。3位以内を目指すにおいて出遅れの許されない1区にはルーキー半澤黎斗(スポ1=福島・学法石川)がエントリーされた。相澤晃(東洋大)、橋詰大慧(青学大)など実力者ぞろいとなった今回の1区。集団に食らい付き、ラストで持ち味のスパートを引き出すことができるか。そして学生三大駅伝初出場となる小澤直人(スポ4=滋賀・草津東)が2区に登場。自己記録を更新した勢いをそのままに、最短区間5.8キロを駆け抜ける。1区の半澤と共にチームに良い流れをもたらしたい。エースの集う3区には中谷雄飛(スポ1=長野・佐久長聖)が抜てきされた。ゴールデンルーキーとして世間から注目を集める中谷だが前半シーズンは不調に苦しんだ。しかし9月末の世田谷競技会では大学初の13分台をマーク。上り調子の中谷が他大のエースと渡り合う。

 『つなぎ区間』として重要度を高めつつある4区、5区には新迫志希(スポ3=広島・世羅)、太田直希(スポ1=静岡・浜松日体)がそれぞれエントリー。新迫は前回大会と同じ区間の出走となる。区間10位に終わった昨年の雪辱を果たしたい。5区の太田直は初めてエンジのユニフォームに袖を通す。ロードに得意意識を持つ太田直が好走を披露することができるか。そして6区を務めるのは清水歓太駅伝主将(スポ4=群馬・中央中教校)。今年の箱根では9区区間賞を獲得した清水。4年生らしい泥臭い走りでタスキをゴールに運んでみせる。


9月29日の世田谷競技会で13分台で走った中谷

 1年生が3人、経験者は4区の新迫のみというフレッシュなメンバー構成となった早大。記者会見で相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)は「若さと勢いで頑張りたい」と抱負を述べた。前半シーズンの結果を見ると、青学大、東洋大、東海大が上位争いを繰り広げることが予想される。早大もその中に食い込み、30回目という節目の大会で好順位をつかみたい。3位以内の目標に向け、いざ初陣たる出雲に臨む。

(記事 岡部稜、写真 平松史帆、斉藤俊幸)

第30回出雲全日本大学選抜駅伝
区間距離名前学部・学年出身校
1区8.0キロ半澤黎斗スポ1学法石川
2区5.8キロ小澤直人スポ4草津東
3区8.5キロ中谷雄飛スポ1佐久長聖
4区6.2キロ新迫志希スポ3世羅
5区6.4キロ太田直希スポ1浜松日体
6区10.2キロ清水歓太スポ4中央中教校
補欠  吉田匠スポ2洛南
補欠  千明龍之佑スポ1東農大二


1区 8.0キロ:半澤黎斗(スポ1=福島・学法石川)

1999年(平11年)12月3日生まれ。165センチ、52キロ。

5000メートル 13分58秒08

1万メートル 30分01秒84

ハーフマラソン ――

高校総体1500メートル優勝のスピードスター。大学入学後はアジアジュニア選手権の1500メートルで2位に入り、日本代表として結果を残した。夏以降は距離を踏むことに重きを置いており、駅伝への準備は万端だ。入学時からの希望だった1区で自らのスピードを生かしたい。


2区 5.8キロ:小澤直人(スポ4=滋賀・草津東)

1997年(平9年)3月29日生まれ。180センチ、60キロ。

5000メートル 14分08秒52

1万メートル 29分40秒88

ハーフマラソン 1時間6分56秒

大学入学から苦しんでいた男がついに復活した。先日の世田谷競技会では大学初の5000メートルで自己記録を更新。4年目にしてケガなく練習を積めており、好調の様子が伺える。初めての学生三大駅伝でも臆することなく4年生の意地を見せつけろ。


3区 8.5キロ:中谷雄飛(スポ1=長野・佐久長聖)

1999年(平11年)6月11日生まれ。169センチ、58キロ。

5000メートル 13分47秒22

1万メートル 29分19秒98

ハーフマラソン ――

世代トップの実績を引き下げ、早大に入学してきた中谷。これまでのシーズンは思うようにいかない結果が多かったが、世田谷競技会で大学発の13分台を記録し「やっと、自分らしい走りができた」と語った。その勢いをそのままに、他大のエースと渡り合えるか注目だ。


4区 6.2キロ:新迫志希(スポ3=広島・世羅)

1997年(平9年)4月28日生まれ。163センチ、49キロ。

5000メートル 13分47秒97

1万メートル 29分07秒06

ハーフマラソン ――

チームトップクラスのスピードを誇る新迫。今季に入って不調が続いていたが、9月29日の世田谷競技会でシーズンベストを記録。本調子とはいかないが復調の兆しを見せた。昨年に続く4区でチームの流れを加速する走りに期待したい。


5区 6.4キロ:太田直希(スポ1=静岡・浜松日体)

1999年(平11年)10月13日生まれ。168センチ、51キロ。

5000メートル 14分09秒43

1万メートル 30分39秒63

ハーフマラソン ――

他の実績のあるルーキーに埋もれ、注目されることが少なかった太田直。だが、春先から自己記録を更新し、夏合宿では「100パーセントこなせた」とルーキーイヤーから好調だ。ロードが得意な太田直は初めてのエンジのユニフォームに身を包み、タスキを確実に最終区間につなげる。


6区 10.2キロ:清水歓太(スポ4=群馬・中央中教校)

1996年(平8年)5月3日生まれ。168センチ、52キロ。

5000メートル 14分08秒97

1万メートル 29分24秒33

ハーフマラソン 1時間3分08秒

長い距離が得意な清水は最長区間の6区にエントリーされた。春先はあまり調子が上がらなかった清水だが、先日の世田谷競技会では5000メートルで大学ベストをマーク。出雲に向けて徐々に調子を上げてきた。最初にして最後の出雲路でチームの目標の3位以内でゴールする。


補欠:吉田匠(スポ2=京都・洛南)

1999年(平11年)3月25日生まれ。172センチ、57キロ。

5000メートル 14分10秒30

1万メートル 30分00秒68

ハーフマラソン 1時間6分05秒


補欠:千明龍之佑(スポ1=群馬・東農大二)

2000年(平12年)3月3日生まれ。169センチ、53キロ。

5000メートル 14分03秒27

1万メートル 30分06秒42

ハーフマラソン ――