前節の明大戦で逆転勝利を収め勢いに乗る早大は、前回惜しくも黒星を喫した青学大との2度目の対戦に臨んだ。前半は主将のF濱田健太(社4年=福岡第一)を中心としたスリーポイントシュートと得意のオールコートプレスを軸に青学大を突き放すことに成功す…

 前節の明大戦で逆転勝利を収め勢いに乗る早大は、前回惜しくも黒星を喫した青学大との2度目の対戦に臨んだ。前半は主将のF濱田健太(社4年=福岡第一)を中心としたスリーポイントシュートと得意のオールコートプレスを軸に青学大を突き放すことに成功する。しかし後半は青学大の力強く向かってくるプレーに圧倒されてついに逆転を許す。この日さえていた3ポイントシュートなどで追いすがったものの、再度ひっくり返すとまではいかず、69―72でまたも青学大に惜敗を喫した。

  第1クオーター(Q)、得意のオールコートプレスで守備から流れを作る。そして「きょうは実力以上のものが出た」(濱田健太、社4=福岡第一)というように、濱田を筆頭に高確率で3ポイントシュートを決め続け、ベンチやスタンドを湧かせた。また前回の課題として挙げられていたディフェンスリバウンドもC小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)を中心に確実にとり、青学大の強力なフォワード陣を抑え込むことにも成功する。終始ゲームの主導権を握ったまま、42-32で前半を終えた。


合計7本ものスリーポイントシュートを沈めた濱田

 しかし、第3Qにその構図は一転、得点が遠のく場面が目立つようになる。開始からおよそ2分間無得点が続くなど、なかなか攻めきることができない。ようやく濱田が好調のスリーポイントなどで加点するものの、度重なるファウルによってチームファウルとなり、相手に数多くフリースローの機会を献上してしまう。青学大にじりじりと点差を縮められ、52-49と嫌な流れで第3Qを終える。そして迎えた第4Q、青学大の得点ラッシュが炸裂してしまう。ペイントエリア内に切り込まれ、前半はしっかりと奪えたディフェンスリバウンドも取られるといった場面が目立つ。青学大の猛攻に耐えたい早大であったが、相手の流れを阻止するどころか加速させてしまい、スリーポイントシュートも高確率で決められてしまう。そして第4Q中盤、ついに逆転を許し突き放されてしまった。早大も濱田、F桑田裕平(商3=京都・洛南)らが好調のスリーポイントシュートなどで点差を縮めにかかったものの一歩及ばず。69-72で痛い敗戦となった。


終盤に値千金のスリーポイントを決めた桑田

 前半のリードを守りきれず、後半戦初黒星を喫した早大。「勝負所を向こうの方が分かっていた」(G長谷川暢副将、スポ4=秋田・能代工)というように終盤での青学大の粘りに対応しきれず、流れを明け渡してしまった。次戦の相手は首位をひた走る大東大。「終盤での強さが上位にいるチームの強さ」(濱田)というように大東大も最後まで集中力を保って臨んでくるだろう。手強い敵と早大がどう渡り合うのか、次戦の戦いぶりから目が離せない。

(記事 篠田雄大、写真 杉本遼冴)

第94回関東大学リーグ戦 10月6日(vs青学大)
  1Q2Q3Q4Q合計
早大2814101769
青学大2210172372
◇早大スターティングメンバー◇
F#27 濱田健太(社4=福岡第一)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ1=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  濱田健太:29得点
リバウンド  小室悠太郎:7リバウンド
アシスト  長谷川暢:6アシスト
コメント

F濱田健太主将(社4年=福岡第一)

――きょうの青学大戦の試合前の意気込みを聞かせてください

1巡目で自分達の自滅というかたちで負けてしまっているので、2巡目はまず自分達のやりたいことを出し切るということと、負けた時と比べてプレーの精度を上げてきているのでそれを出し切るということを念頭において試合に臨みました。

―前半を全体的に振り返ってください

自分達の形を全て出せたとまでは言わないがシュートがよく入り、ディフェンスも2Q目まではこらえることが出来たので、前半を10点差リードという形で折り返すことができたと思います。

――後半を振り返ってください

相手は前半、後半共に上手くいっていたか否かに関わらず強くリングにアタックしていき、特に後半部分でそのプレーが上手く行き点を重ねてきたのに対し、自分達はフリースローもあまりもらうことが出来なかった上に、少し避けてしまった部分があったと個人的に感じています。

――最後に勝敗を分けた部分はどこだったと思いますか

相手が力強く向かってくるプレーをしてきたのに対して自分達はスクリーンなどを強くできなかったなど、自分達のプレーを十分に出来なかったというのが大きな差だったと思います。

――非常に高い確率でスリーポイントを決められていましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか?

きょうは実力以上のものが出たと感じているのですが、やはりこれだけ当たっていたので後半の4Qの苦しい時間帯にもっとボールを持ってシュートにいけばよかったと反省しています。

――前回の試合で課題となっていたディフェンスリバウンドはきょうはいかがでしたか?

前半はディフェンスリバウンドを目標値以上にとることができたのですが、終盤に立て続けにとられてしまい、青学大がそのような部分に強みを持っていることは分かっていたのですが、前半はそれを抑えられていたのだから後半にもそれを継続するということは勝つ上で必要なことだったと思います。

――あすは首位の大東文化大が相手ですが、意気込みをお願いします

首位であるということや勝ち数がいくつであるかということは関係なく、大東大戦に向け準備を進めてきたのでそれを出し切るということに加えて、きょうの青学大に見られた終盤での強さが上位にいるチームの強さだと思うので、大東大も終盤に強さを見せてくるはずなのでそれに立ち向かっていけるかということを意識して勝ちにいきたいと思います。

G長谷川暢副将(スポ4=秋田・能代工)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

前回負けてしまった青学にリベンジをしようという風にチームで話をしていました。フィジカルの強い相手だったので自分たちが向かっていこうという話もしていたんですけど、どうしても当たり負けしてしまう部分があったのでそれが今後の自分たちの課題かなと思います。

―前回負けている青学との試合でしたが試合前の意気込みなどありましたか

1巡目に負けてしまった5チーム、5連敗してしまった時のチームに1つでも多く勝とうとチームで話していました。その中でも青学は初戦も結構惜しい負け方をしていて、前半勝てていて後半に負けてしまうというケースできょうも同じようなケースだったんですけど、勝ちきれないのはインサイドの強さだったり、リバウンドショットを最後にやられて相手に勢いがいっちゃたからなのかなと思います。

――出だしはリードをしていた良い試合展開でしたが前半を振り返ってどうでしたか

自分たちのシュートが入ったので自分たちもいいリズムだなと思っていたんですけど、その中でも後半もこのまま続くわけが無いし、自分たちでしっかり気持ちを引き締めて悪い流れが来てもリバウンドを取りきって勝とうという話をしていました。

――第3Qで流れが相手チームに行ってしまいましたが、なにか具体的な理由などはありましたか

自分たちのファウルが込んでしまったのもありますし、一人一人がもっと積極的にシュートを狙っていければというところで、やっぱりインにアタックする選手がなかなかいなくてファウルも自分たちがもらえない状況の中で、相手が全てゴール下でシュートを完結させようとしていた体の強さだったり勝負所を向こうの方がわかっていたりというところだったと思います。

――きょうの試合の勝敗を分けた部分は何でしたか

そうですね、終盤は相手の方が集中力が高かったと思いますし僕も含めてターンオーバーが最後の方増えてしまって相手の方に勢いがいってしまったところですね。桑田(裕平、商3=京都・洛南)とか濱田(健太主将、社4=福岡第一)もそうなんですけどスリーポイントで繋いでくれてたのは非常に良かったし、ああいいうところの気持ちの強さはキャプテンであるし桑田も思い切りのいいシュートを打っていたのでそこは収穫かなと思います。

――あすの試合に向けて意気込みをお願いします

あすは大東文化大だと思うんですけど、ずっと首位を走っているチームで自分たちは前回惜しくも負けてしまった形で、勝てない相手ではないと思うのでもう一回早稲田らしくやって連敗しないように意識しながら、自分がもうちょっとリーダーシップを発揮してチームを引っ張って、チームが落ちてしまった時とかにもっと声を掛ける方法とかたくさんあったと思うのでしっかり自分が立て直してチーム全体で勝てたらいいなと思います。

F桑田裕平(商3=京都・洛南)

――一度負けている青学大に対して、意気込みはどのようなものでしたか

きょうはとにかく、一度負けた相手ということもあり、また相手は体格も強いプレーヤーが多いので、そこに当たり負けずに全員でディフェンスリバウンドを必ず取ろうという話で、自分たちのバスケットをできるように、試合に入りました。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

前半はすごく戦えたと思うんですけど、後半に入って10点リードがあったんですけど、そこで受け身に回ってしまって、相手の勢いが止めきれなかったので、前半の入りは良かったんですが後半は課題の残る試合だったと思います。

――後半の課題は具体的には

やっぱり40分で一試合で、前半どれだけ良くても、後半それを継続できなければ意味がないと思うので、そこを一試合通してやりきれなかったというのが、課題だと思います。

――最終Qにはスリーポイントも決められましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

負けていたので、とにかくリングにアタックする気持ちでボールがフリーで回ってきたら、打とうという気持ちでいました。

――次戦の大東大戦への意気込みをお願いします。

大東大も1周目は負けていて、でも1周目は自分たちのバスケットができたけど勝ちきれなかったと思うので、あすも自分たちのバスケットを40分間貫いて、勝てるように頑張っていきたいと思います。