MF日野(商2)のゴールに喜びを爆発させる選手たちAブロック最終戦。一足早くFINAL4進出を決めた慶大は、雨注ぐ日吉陸上競技場でライバル早大を迎えた。試合は立ち上がりに苦戦するも、MF伊藤(経4)、AT西村(商4)の得点から慶大の1点リー…


MF日野(商2)のゴールに喜びを爆発させる選手たち

Aブロック最終戦。一足早くFINAL4進出を決めた慶大は、雨注ぐ日吉陸上競技場でライバル早大を迎えた。試合は立ち上がりに苦戦するも、MF伊藤(経4)、AT西村(商4)の得点から慶大の1点リードで前半を折り返す。互いに一歩も譲らず迎えた終盤。僅か1点差と油断ならない展開のなか、MF日野(商2)が華麗な弾丸シュートを決めると、続けて西村が相手守備陣の隙を突いてゴール。ラスト1分で一挙に早大を突き放し、最終戦を勝利で飾った。

第31回関東学生リーグ女子 第5戦 vs早大

9/29(土) 13:50ドロー @日吉陸上競技場

 前半後半合計
慶大
早大

スタメン

ポジション背番号名前学部・学年出身高得点
28大沢かおり経4学芸大附属国際
DF62櫨本美咲経4慶應女子
DF75平井淑恵商3慶應女子
MF17脇坂遥香経3慶應女子
MF51石田百伽経4慶應女子
MF58清水珠理商2慶應女子
MF66石川のどか政4品川女子学院
MF73伊藤香奈経4慶應女子
MF81野々垣眞希商2慶應女子
AT32友岡阿美政4慶應女子
AT33西村沙和子商4慶應女子
AT72吉岡美波理4大妻多摩

ベンチ入り選手

ポジション背番号名前学部・学年出身高得点
西村佳子政3東京女学館
MF26井上ゆり子経2慶應湘南藤沢
MF45宮川真理菜経3慶應女子
MF59日野美咲商2慶應女子
MF77橋本ひかる政4慶應女子
MF91竹内梨紗政3慶應女子
AT18荒井理沙経3慶應女子
AT38石井有花子政3雙葉

Aブロック最終戦の相手は早大。すでにFINAL4進出を決めた慶大とは反対に、引退の懸かる早大は背水の陣で乗り込んでくる。「ライバルとして絶対にきれいに引退はさせてやれない」(友岡阿美・政4)。それぞれが特別な思いを胸に、両校の火花散る戦いが繰り広げられた。


熾烈なボール争いが繰り広げられた

試合は冷たい雨の下で始まった。果敢に攻め込む早大に押され、序盤は慶大の劣勢が続く。G大沢かおり(経4)の好セーブで何とか持ちこたえるも前半9分、正面から勢いよく放たれたシュートを止められず。早大の先制ゴールを許した。しかし、この局面を冷静に打開したのは今季7得点を挙げるMF伊藤香奈(経4)だ。前半12分、相手のファウルから得たフリーシュートを手堅く決め、待望の1点目を入れた。すると17分、今度はAT西村沙和子(商4)が持ち前のスピードで相手のDFを避け、逆転の一発を放った。その後は両者シュートチャンスを生かせず。スコア2-1のまま、前半戦を終えた。


守備の要、DF石川(政4)

その差1点と油断のならない後半戦。まずは2分、伊藤が華麗なターンで1on1を切り抜け、後半の1点目を奪い取る。続けて5分、相手守備陣が取りこぼしたグラウンドボールをまたしても伊藤がかっさらい、無人のゴールへ放り込んだ。4-1と流れをつかむ慶大だが、これには早大も黙っていない。素早いパス回しから立て続けに2点を返し、再び1点差まで詰め寄る。その後も早慶で熾烈なシーソーゲームを続け、残る時間は1分。この緊張を打ち破ったのはルーキー・MF日野美咲(商2)だ。ゴール前でパスを受けると、勢いそのままに力強いショットを放ちネットを揺らす。すると、これに続いて西村がディフェンスの隙を突き、ロングシュートから追加点を挙げた。早大に逆転の隙を許さず試合は終了し、見事最終戦を白星で飾った。


最後は西村の得点で試合を締めた

「どんなコンディションでも勝ちきれるチーム」(伊藤)。まさにこの言葉にふさわしいものが感じられた一戦だった。特筆すべきはラストの1分。生き残りをかけて食らいつく早大の勢いに飲まれることなく、さらなる追加点で突き放した場面からは、チームの勝負強さが窺えた。慶大はブロック5戦を全勝で終え、いよいよFINAL4を迎える。この先の勝負を前に、「まだまだ得点力に欠ける」と友岡主将は口にする。次戦までの1カ月弱、さらなる得点の飛躍を目指し、チームは挑戦を続ける。

(記事:堀口綾乃 写真:萬代理人・五十右瑛士)

次戦 10月27日(土) FINAL4

@駒沢オリンピック公園総合運動場 第一球技場

◇選手コメント◇

友岡阿美(政4・慶應女子)

――今日の試合を振り返って

今日の試合は私たちのリーグ戦最終戦で、早大も同期の引退がかかった試合だったので、気持ちでは相手に負けていると思いましたが、ライバルとして絶対にきれいに引退はさせてやれないという気持ちで挑んだので、最終的に勝ち切れて良かったと思います。

――雨の中でのプレーでした

コンディションは悪かったですが、それはお互いそうでした。あまり言い訳にしたくないですが、寒いとか雨で滑るとかはなしにしても、もっと走り切れたと思ったので、次の試合に向けて頑張りたいと思いました。

――ブロック戦を振り返って

ブロック戦5戦を振り返って、全戦全勝を掲げている中、きちんと5勝してFINAL4に上がれるというのは大きいと思いましたが、まだまだ得点力に欠ける部分が多かったと思うのでそこは次のFINAL4に向けて今後一カ月で詰めていけると思います。ブロック戦で満足しているという感じではないです。

――FINAL4に向けての意気込み

FINAL4での対戦相手は分かりませんが、ブロック戦よりは得点力が高いチームとやると思うので、私たちもできるだけ多くの点を取って、二桁得点で勝てるようにしたいです。

伊藤香奈(経4・慶應女子)

――今日の試合を振り返って

早大は今日で引退が決まっていて、私たちは逆に1位でFINAL4進出が決まっているなかで、条件の違う試合だったとは思うんですけど、早大が「慶大をぶっ潰すぞ」みたいに来ていたのに対して、最後慶大が気持ちを上げて戦えていたところは良かったと思います。でも、入りや中盤では反省点が多かったので、満足のいかない試合ではありました。

――3得点と本日も大活躍でした

1本目はフリーシュートだったので、絶対に決めなきゃいけないとの思いで落ち着いて決めることができました。個人的にはゴーリーとのグラボでフリーのところで打てたのは、自分の持ち味である運動量や予測を生かせたと思うので、結構嬉しかったです。

――雨の中での試合だったが

5戦中3戦が雨だったので、雨だからどうこうという話ではなかったんですけど、パスが乱れたり、ボールが転がらなかったり、いつもと違う状況のなかでミスへの予測とか反応が遅かったと思うので、そこら辺は改善できるなと思いました。

――ブロック5戦を振り返って

あまり大勝できる試合がなくて、得点も足りないという部分ではいけないんですけど、どんなコンディションでも勝ちきれるチームという点では自信がついたと思います。あとは精度や技術を上げていくだけだと思うので、またチームとしてFIAL4へ向けて上げていきたいです。

――FINAL4へ向けて意気込みを

まだここから海外遠征があって、チームとして成長できる点がたくさんあると思います。ここからは絶対に負けられない戦いが続くと思うので、自信を持ってFINAL4へ臨めるようにしっかりと準備をしていきたいと思います。

清水珠理(商2・慶應女子)

――今日の試合を振り返って

今日は自分のテーマとして、ボールを持ったときに目の前の相手と勝負をする、絶対に弱気にならない、ということと、クリアの時に積極的にボールを受けに行くということを持っていました。そのうち、クリアのときにボールを受けに行くという方は消極的になってしまったので、そこは反省しています。

――今日の試合でよかったと思うプレーは何か

先ほど話した、ボールを持った時に強気で前を向くというプレーはこれまでの試合に比べてできていたのでよかったと思います。ただ、気づかないうちに消極的になってしまっていたのか、試合途中で大久保(HC)さんに「絶対に相手に背中を向けるな」という指導をされました。それからは絶対に相手に背中を向けない、自分がボールの一番近くにいく、などを徹底してやりました。

――雨の中のプレーでしたが、その影響はありましたか

自分の中では特に変わった部分はありませんでした。しかし、パスが浮いたり、パスが長くなってしまうなど、いつもはないパスキャッチでのミスが目立ちました。ただ、そのミスの予測が慶大はできていて、ボールダウンしたときにみんなで寄ることができたので、この雨でもいつもと同じように攻撃できたのかなと思います。

――FIAL4に向けて修正していきたい点は

個人個人が、ボールを持ったときに相手と勝負できるか、というのがこれからの試合の勝敗を分けると思います。また、FINAL4の相手は2校とも得点力のあるチームなので、大量得点が必要になると思います。そのため、個人でどんどん得点を取れるようにしたいと思います。