次々と歴史を塗り替えていくイチローの存在は、マーリンズのチーム内でますます大きなものとなっているようだ。■悪名高いオーナーのローリア氏だが…イチローは「チームにとってとても大事な存在」 メジャー史上30人目の3000安打へ向け、着々と歩みを…

次々と歴史を塗り替えていくイチローの存在は、マーリンズのチーム内でますます大きなものとなっているようだ。

■悪名高いオーナーのローリア氏だが…イチローは「チームにとってとても大事な存在」

 メジャー史上30人目の3000安打へ向け、着々と歩みを進めているイチロー外野手。マーリンズ在籍2年目となった今季は開幕から好調を維持し、2日(日本時間3日)時点で打率.338、出塁率.412をマーク。通算2989安打で、3000安打の金字塔まで残り11本と迫っている。次々と歴史を塗り替えていくイチローの存在は、マーリンズのチーム内でますます大きなものとなっているようだ。

 メジャーリーグ評論家の第一人者で、過去に米国野球殿堂からも表彰されたピーター・ギャモンズ氏は、自身の米野球専門メディア「ギャモンズ・デイリー」で、マーリンズの名物オーナーであるジェフリー・ローリア氏が背番号51に最大級の賛辞を送っていることを伝えた。ローリア氏は主力を大量放出する「ファイヤーセール」をこれまで度々行い、監督を次々と交代させてきたことでも有名な人物。米国内での評判は決して良くない。ただ、イチローに対して抱く敬意は特別なようで、記事の中で「このチームにとってイチローはとても大事な存在なんです」と語っている。

 イチローは加入1年目の昨季、キャリアワーストの打率.229と苦しんだ。ただ、試合前の入念な準備や練習への姿勢、そしてクラブハウスでの振る舞いなどで、チームメートから尊敬を集めた。そして、今年はプレーで圧倒的な存在感を見せている。

■主砲スタントンも敬意「イチローはいつだってやるべきことをやる準備が出来てる」

 ギャモンズ氏は「イチローはマーリンズにインパクトを与えてきた。プレーだけではなく、準備と信頼の面においても」と指摘。主砲のジャンカルロ・スタントンが「先発出場しようと(延長)14回からの途中出場であろうと関係ない。イチローはいつだって、いつだって、やるべきことをやる準備が出来ている」と語ったことも紹介している。

 今季からチームに加わった2人の元名選手も、背番号51に一目を置いているという。ドン・マッティングリー監督とバリー・ボンズ打撃コーチだ。ギャモンズ氏は記事で「ボンズとマッティングリーはイチローに魅了されている」と言及。走攻守の全てで衰えを見せないプレーに加え、グラウンド外の振る舞いでも、現役時代にメジャーで圧倒的な実績を残した2人に驚きを与えている。

 一方で、イチローも若手の多い選手たちを「最高のチームメート」と呼び、絶大な信頼関係を築いている。日米通算4257安打目を放ち、メジャー歴代最多安打(4256安打)のピート・ローズを超えた6月15日(日本時間16日)のパドレス戦後の記者会見でも、「去年このチームに来て、1年一緒にやって、今年メンバーが少し変わったんですけど、チームメートとしては最高のチームメートとハッキリ言える、まぁ“子”たちですよね、もう、年齢差から言えば。本当に感謝してます。彼らには」と心の内を明かしていた。

 最高の環境で、求められる役割を淡々とこなしているイチロー。3000本の金字塔も通過点として、このまま安打を積み重ねていくはずだ。