前週、6季ぶりに立大から勝ち点を奪い、優勝戦線に踏みとどまった早大。この日の東大戦では打順を大幅に入れ替えて臨んだ。3回に2点を先制すると、9回にも2点を加点。投げてはエース小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)が2戦連続となる完封勝利を挙…
前週、6季ぶりに立大から勝ち点を奪い、優勝戦線に踏みとどまった早大。この日の東大戦では打順を大幅に入れ替えて臨んだ。3回に2点を先制すると、9回にも2点を加点。投げてはエース小島和哉主将(スポ4=埼玉・浦和学院)が2戦連続となる完封勝利を挙げ、勝ち点奪取に向けて大きく前進した。
打線は2回、5番・瀧澤虎太朗(スポ2=山梨学院)が右中間を破る三塁打で好機を演出。しかし次打者が二ゴロに倒れると、その間に本塁を狙った瀧澤が封殺され、無得点に終わる。それでも続く3回、2死から西岡寿祥(教4=東京・早実)と福岡高輝(スポ3=埼玉・川越東)の連打で一、二塁の好機をつくると、打席には好調さを買われ、この日3番に座った檜村篤史(スポ3=千葉・木更津総合)が入った。檜村が0−2からの3球目を捉えた打球は右中間を抜ける2点適時二塁打となり、先制に成功する。その後も毎回安打を放つも、東大のエース小林大雅(3年)を前に、追加点を奪うことができない。好機を逸し続けたまま迎えた9回。先頭の小太刀緒飛(スポ4=新潟・日本文理)が四球を選び出塁すると、犠打と連続四球で2死満塁とする。この好機で打席に立ったのは4番・岸本朋也副将(スポ4=大阪・関大北陽)。2−0と追い込まれた中、外角のボール球の変化球にしぶとく食らい付くと、打球は中前へ。この日3安打目となる岸本の2点適時打で東大を突き放す。立大3回戦から4番を任されている男が勝負強さを見せつけ、試合を決定づけた。
先発の小島は立ち上がりから危なげない投球を見せていたが4回、先頭打者に二塁打を許すと、連続四死球で1死満塁のピンチを招く。しかし次打者・青山海(3年)の打球は小島のグローブの中へ。そのまま本塁併殺に切って取り、この日最大のピンチを無失点で切り抜けた。立大戦で2試合完投を成し遂げた疲労もあってか、本人が「内容はあまりよくなかった」と振り返るように、突如制球が乱れて不用意な四死球を出す場面も見受けられた。しかし波に乗らせると怖い東大打線を散発4安打に抑え完封。調子が上がらない中でもエースの役割を全うし、早大に勝利をもたらした。
「内容的には消化不良の状態」(髙橋広監督、昭52教卒=愛媛・西条)。序盤で先制し、終盤に追加点を挙げて逃げ切る。理想的な勝ち方に見えるが、盤石の勝利とは言い難い。もっと早くに試合を決定づけられたのが、みすみす終盤まで接戦を演じてしまったとも言える。特に立大戦に続いて得点圏での残塁が目立ち、決定打を欠いたのは依然として喫緊の課題である。2回戦では文句なしの快勝を収め、今後に控える優勝争いの正念場へ向けて弾みをつけたいところだ。
(記事 森迫雄介、写真 中澤紅里、岡田静穂)