全日本大学対抗選手権(インカレ)から約1ヶ月半。早大は内本隆文主将(スポ3=大阪・上宮)、小山舞女子主将(スポ3=和歌山信愛)が率いる新体制で関東大学秋季リーグ戦(秋リーグ)に臨んだ。日体大にインカレ7連覇を阻止された男子部は借りを返す…

  全日本大学対抗選手権(インカレ)から約1ヶ月半。早大は内本隆文主将(スポ3=大阪・上宮)、小山舞女子主将(スポ3=和歌山信愛)が率いる新体制で関東大学秋季リーグ戦(秋リーグ)に臨んだ。日体大にインカレ7連覇を阻止された男子部は借りを返すべく、女子部はさらなる飛躍を目指し戦い、1日目を好成績で折り返した。2日目は台風により中止になり、続きは10月13日に男子部は早大所沢キャンパス、女子部は國學院大で行われることとなった。


シングルスで活躍した吉田

 女子部初戦の東経大戦は1番の小山・川村真帆(スポ1=東京・文化学園大杉並)組、吉田優奈(社1=北海道・札幌龍谷)が2勝を挙げて勢いに乗るも、続く日体大戦は壁の厚さになす術なく全敗となる。優勝の可能性を残すために、勝っておきたい明大戦では1番に山本沙奈(社3=和歌山信愛)・花園優帆(スポ3=東京・国本女)組が登場。山本の威力のあるストロークで相手を崩すと、花園が好機に飛び出し緩急をつけたプレーで得点を重ねる。コートを広く使い、5−2と先勝をあげた。「よし、やってやるぞ、という向かっていく気持ちで楽しくできた」と振り返るシングルスの吉田は序盤から主導権を握って試合を展開していく。ラリーの応酬になる場面が多くなったが、執念を見せ得点につなげた。今年の関東学生春季学生リーグ戦(春リーグ)で負けた相手に見事勝利し、春から一回りも二回りも成長した姿を見せつけた。続く小山・川村の試合は日没により中断になり、後日続きが行われる。


ボレーを決める岩本

 男子は3試合行われ、4年生が引退後の初団体戦ということで多くの新ペアが見られた。1試合目の中大戦、2試合目の法大戦では快調に白星を挙げ、新チームとして先行き良い展開となった。3戦目はインカレで敗北を喫した日体大。1番には山根稔平(社1=奈良・高田商)・岩本修汰(社3=大阪・上宮)ペアが登場し、素晴らしい戦いぶりで会場を沸かせた。岩本がコートを広く使ったプレーで、ボレーを立て続けに決める。山根が力強いストロークで相手を圧倒すると2人で1点を取る試合展開を見せる。山根が幾度となくピンチを救う安定した戦いぶりを見せ、1年生ながらも頼もしい姿で実力を見せつけた。結果としてゲームカウント5-1で勝ち、良い流れを形成した。2番には主将ペアである内本隆文(スポ3=大阪・上宮)・上松俊貴(スポ2=岡山理大付)組が圧倒的な実力で相手に1ゲームもとらさず勝利を決める。3番の高倉和毅(社1=東京・早実)は大粒の雨が降る中、苦しい試合となり黒星を喫した。次に登場した因(京将 スポ3=石川・能登)・内田理久(社2=三重)ペアもなかなか流れを掴むことが出来ずに敗北。勝負は最後の長尾景陽(社3=岡山理大付)・松本倫旺(スポ3=熊本・済々黌)組に託された。インカレ個人戦2位の実力のあるペアのため応援も盛り上がりを見せる。相手である村田・小田島ペアの1年生らしい思いっきりの良いテニスにやや苦戦するも、長尾の安定したレシーブで流れを掴む。松本が隙を見逃さず冷静にボレーやスマッシュを決め、点を重ねると、最後はゲームカウント5-2で勝利する。インカレでは悔しい想いをしたため無念を晴らす結果となった。次戦の國學院大に勝利すると早大の優勝が決まるのでより一層気合が入る。宿敵明大との対決もまだ残っているため、この調子でチーム一丸となり全勝を目指す。

 悪天候の中、滑りやすいコートで環境はよくなかったが、選手たちは奮闘した戦いぶりを見せた。応援席には4年生の姿があり、成長した後輩たちを見守る様子が見られた。男女ともにインカレの課題に挑んだ今大会。各々新しい気持ちで挑んだことであろう。残り2試合も期待したい。

(記事・写真 山浦菜緒、栗林桜子)

結果

女子

第1戦

○早大 2-1 東経大

〇小山・川村 5-1 清水・渋谷

〇吉田優奈 4-1 前田彩香

●山本・花園 0−5 大滝・内潟

第2戦

●早大 0-3 日体大

●山本・花園 1-5 笠井・久保

●吉田優奈 1-4 尾上胡桃

●小山・川村 0-5 黒田・桑名

第3戦

早大 2-0 明大

〇山本・花園 5−2 宮下・鈴木

〇吉田優奈 4−1 上田理央

小山・川村 2−1 安西・宮下

男子

第1戦

○早大 4-1 中大

〇山根・岩本 5-2 丸山・藤井

〇内本・上松 5-1 河相・佐藤

●高倉和毅 3−4 宮崎悠登

〇因・内田 5-4 掛川・中島

〇長尾・松本 5-0 林・阿部

第2戦

○早大 4-1 法大

●山根・岩本 1-5 近藤・洞谷

〇内本・上松 5-2 稲葉・田中

○高倉和毅 4−0 下平健三郎

〇因・内田 5-2 前川・川嶋

〇長尾・松本 5-2 土佐・道下

第3戦

早大 3-2 日体大

〇山根・岩本 5-1 溝端・山本

〇内本・上松 5-0 川﨑・境

●高倉和毅 2−4 永井宏典

●因・内田 1-5 橋本・星野

〇長尾・松本 5-2 村田・小田島

コメント

女子

吉田優奈(社1=北海道・札幌龍谷)

――今大会の目標と意気込みを教えてください

 チームの目標は優勝でした。自分自身は春(関東学生春季リーグ戦)も出さしてもらっていたのですが、不甲斐ない試合をしてしまいました。相手と戦っているよりも自分に負けていた部分が多かったので、今回は一本一本ラケットにボールを当てる瞬間まで、自分の執念でしっかり集中力を高めていくようにしていきました。それが、一個一個勝ちにつながったのかなと思います。

――試合を見てて、常に強気で明るかった印象があります

1部リーグの人はみんな強いので、自分はまだまだ実力が足りなくて技術的に負けている部分があります。けど、今回は挑戦できる気持ちが他の人よりも強かったから、他の人よりも明るく、楽しく一点一点取れたのかなと思います。

――明大戦での勝利は大きかったと思います。振り返っていかがですか

 春でやった相手で春の時は全然ダメでした。春の時のリベンジという気持ちでやったら、雨の影響もあったんですけど、一本一本コートに入れることを心がけてたので、「よし、やってやるぞ」という向かっていく気持ちで楽しくでき、勝ちにつながりました。

――残りの試合へ意気込みをお願いします

 三年生さんが「自分たちがついてるから大丈夫」って言ってくれたんですけど、まず出させてもらえるなら、一試合一試合自分も責任を持ってチームを勝利に導けるように頑張りたいです。

男子

内本隆文(スポ3=大阪・上宮)主将

――主将になられて初団体戦でしたが今大会へ意気込みなどありましたか

 去年の代がインカレ以外全部優勝していて、今年は全部とるともりでやってきてるんで、秋リーグは新チームでいいスタートが切れるように優勝を目指して頑張ります。

――新体制になったチームの印象はいかがでしょうか

 元気のあるやつが多いのでそれが長所になったり短所になったりするんですけど、オンとオフの切り替えが難しいところです。最後の試合みたいに5番勝負になったときは盛り上がってくれるのでそこはいいんですけど、最初のあんまり競っていないときにチームとして隙が出てくるんじゃないかと思うんでそこをなんとか修正していけたらなと思います。

――今回のオーダーで意識したことはありますか

 長尾・松本がずっと勝ってきてくれてるんで最後に置いたら絶対勝ってくれるっていう安心感があったのでこの順番にしました。とにかく僕が2番で絶対1本とるつもりで組んでます。他のペアも上手くて層が厚いので切磋琢磨してやっていけたらなと思います。

――主将ペアとして組んだ上松選手の印象はどうですか

 本当に日本一の前衛だと思うんで、僕がしっかりやれば勝てると思ってるんで、自分の仕事をしっかりして勝利をチームに貢献出来たらなと思います。

――3試合の中で課題が残る試合はありましたか

 2試合目が少しやりづらくて自分の中で少し迷ったりした部分があったんで、しっかり割り切ってメリハリをつけた戦いが出来ればなと思いました。

――残り2試合への意気込みをお願いします。

 あと國學院に勝てば優勝は決まるんですが、ここまできたら全勝したいのでチーム一丸で頑張りたいと思います。

山根稔平(社1=奈良・高田商)・岩本修汰(社3=大阪・上宮)組

――法大戦ではゲームカウント1-5で敗北してしまいました

山根 相手が強かったです。

岩本 作戦ミスもありましたね。

――どのような作戦だったんでしょうか

山根 前衛の岩本さんがあんまり動かずにっていう作戦だったんですけどそれがダメでしたね。

――日体大戦では素晴らしい戦いぶりでした

山根 岩本さんがほんと強かったです。

岩本 ありがとうございます(笑)

――何か切り替えるポイントとかあったんでしょうか

岩本 相手の後衛が知り合いでわかってる部分が多かったのでやりやすかったです。

――山根選手はピンチを救う場面が多かったなと思いました

山根 今日はサーブがよかったです。ほとんど入ったので。

――互いのペアの印象はどうでしょうか

岩本 小学校から知ってる仲なので(笑)

山根 岩本さんはストロークうまいなという印象です。

――残り2戦のへの意気込みをお願いします

岩本 1番なんで勢いにのれるように頑張りたいと思います。

山根 いつも通り頑張ります。