9月22日(土)東京六大学秋季リーグ戦 明大1回戦決勝の本塁打を放った嶋田第1週で勝ち点1を獲得し、このまま勢いに乗りたい慶大が迎えた第2カードは強敵・明大との対戦。2回裏に先制ホームランを許すも、先発・髙橋佑樹(環3・川越東)の好投と、開…

9月22日(土)東京六大学秋季リーグ戦 明大1回戦


決勝の本塁打を放った嶋田

第1週で勝ち点1を獲得し、このまま勢いに乗りたい慶大が迎えた第2カードは強敵・明大との対戦。2回裏に先制ホームランを許すも、先発・髙橋佑樹(環3・川越東)の好投と、開幕から好調の中村健人(環3・中京大中京)の適時打で何とか試合を振り出しに戻した。9回には嶋田翔(環2・樹徳)の今季初アーチが飛び出し、勝ち越しに成功。なんとか慶大が粘り勝ち、勝ち点獲得に向けて白星スタートを切った。

 
慶大
明大

慶大バッテリー:○髙橋佑、髙橋亮―郡司

明大バッテリー:竹田、●入江、石毛、髙橋裕―西野

慶大本塁打:嶋田1号ソロ(9回)

明大本塁打:北本1号ソロ(2回)

◆慶大出場選手

 ポジション選手名(学部学年・出身高校)
[4]小原和樹(環3・盛岡三)
[8]渡部遼人(環1・桐光学園)
[7]柳町達(商3・慶應)
[2]郡司裕也(環3・仙台育英)
[5]内田蓮(総4・三重)
[3]嶋田翔(環2・樹徳)
[9]中村健人(環3・中京大中京)
[6]瀬戸西純(政2・慶應)
[1]髙橋佑樹(環3・川越東)
 植田将太(商3・慶應)
 髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)


今日も1安打、好リードを見せた郡司

まだ暑さが残っていた神宮も、やっと少し肌寒くなった。昨季は激しい優勝争いを繰り広げた強敵・明治との戦いは、秋雨の降る中で慶大の攻撃から始まった。しかし初回は先発・竹田の前に三者凡退に倒れる。対する明大も先発・髙橋佑の前に4番越智は空振り三振。両者ともに一歩も譲らない。

試合が動いたのは2回裏。先頭打者は5番北本一樹(文3・二松学舎大付)。その初球、甘い変化球を打ち返した打球は左中間を抜けてスタンドに飛び込み、明大に先制を許す。しかし髙橋佑はその後落ち着いたピッチングを見せ、なんとかこの回を1失点に抑える。

3回表、ピッチャー髙橋佑がセンターヒットを放ち、自らチャンスを作るも後に続かず、両校とも見せ場のないまま試合は後半戦へ突入。


3試合連続打点を挙げた中村

何とか1点を返したい慶大は6回表、郡司裕也(環3・仙台育英)が内野安打で出塁すると、続く内田蓮(総4・三重)の犠打で進塁。そして開幕から打撃の好調が続く中村がセンターに適時打を放ち、郡司がホームイン。中村のここぞの一本で、試合は振り出しに戻った。

その後も髙橋佑は安定したコントロールで明大打線を三者凡退に封じ込めるが、慶大も同じく三者凡退が続き、試合は動かない。

8回裏、エラーでランナーを許すとヒットを放たれ、1死一、三塁というこの試合最大のピンチを迎える。しかし髙橋佑は続く二人の打者を見事にフライで打ち取り、明大に勝ち越しを許さないまま、良い流れで最終回を迎える。

迎えた9回表、8回までの髙橋佑の好投に応えたのは嶋田だった。真ん中に入った失投のスライダーを捉えると、高く舞い上がった打球はレフトスタンドへ。嶋田の今季初アーチで勝ち越しに成功した。後続は絶たれたものの、ついに明治を追い込んだ。


抑えとして登板した髙橋亮

最後にリリーフとしてマウンドに上がったのは髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)。7番代打・内山にライト前ヒットを打たれると、続く代打・佐野に四球を許しサヨナラのランナーを背負い1死一、二塁のピンチを迎える。慶大の粘り勝ちか、明大のサヨナラか。しかしさすがは慶大のエース、ピンチに動じることなく落ち着いた投球で二者連続空振り三振で見事に抑え勝利。大事な初戦を逆転でものにした。

中盤まで苦しい展開ではあったものの、投手の見事な粘りで、慶大は勝ち点2の獲得に向けた大きな一手を掴んだ。しかし先週法大に勝ち点を許し、絶対に負けられない状況の明大がこのまま終わるはずがない。次の試合も気の抜けない激戦になることは間違いないだろう。

(記事・澤田夏美 写真・染谷優真)

◆打撃成績

  
[4]小原中飛 遊併 三ゴロ 空三振 空三振
[8]渡部二飛 四球 四球 中飛  
[7]柳町空三振 空三振 右飛  一ゴロ 
[2]郡司 遊失 四球 遊安 三ゴロ 
[5]内田 投犠 投犠 二ゴロ 右飛 
[3]嶋田 遊安 中飛 空三振  左本①
[9]中村 中飛 中飛 中安①  三ゴロ
[6]瀬戸西 左飛  中飛一ゴロ  四球
[1]髙橋佑  中安 投失 投ゴロ  
植田将        空三振
髙橋亮         

◆投手成績

 投球回数打者数球数安打三振四死球失点自責
○髙橋佑31100
髙橋亮21

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――今日の試合を振り返って

苦しい戦いの中で粘ることができ、最後勝ち切ったという面では力がついていると感じました。

――中盤まで苦しい展開でしたが

こちらの都合で野球が進んで行くわけではないので、簡単な試合にならないことは初めから分かっていました。エラーがあったのは残念でしたけど、攻め合い凌ぎ合いの中でピンチの場面を抑えきれたことが良かったですね。

――明日も厳しい試合が続くと思いますが

打ち合いになっても打ち負けず、守り合いになっても守り負けないことができるチームなので、どんな展開になっても勝てるようにしたいですね。

――明日への意気込みを

連勝して勝ち点を取れたらそれが一番良いですが、あくまでも9月に6勝を挙げるという目標を強く持っているので、それに向けて頑張りたいです。

郡司裕也(環3・仙台育英)

――今日の試合を振り返って

先発の髙橋佑樹とその後に投げた髙橋亮吾がピンチでも踏ん張ってくれたというのが、今日1番かなと思います。

――5回の後ミーティングなさっていましたが

打撃陣のテーマについて再確認するミーティングをしました。

――その後6回のご自身のヒットは

ラッキーヒットだったので、ヒットなら何でもいいですが、とりあえず1本得点につながったのでよかったと思います。

――東大戦を振り返って

チームとしては、東大戦打つ方でも守る方でも投げる方でも調子があまり良くなくて大丈夫かなという感じだったのですが、2週間練習して調子を戻してきたので、今日の試合にもそれが出たのではないかと思います。打つ方ではもう少し打てたらいいなと思います。もっと調子を上げられるようにしたいと思います。

――4失点した投手陣はどう立て直しましたか

ミーティングをたくさん重ねて、特にこうしようというのはないですが、集中して練習するというような当たり前のことをやりました。

――先発の髙橋佑選手については

今のピッチャー陣の中で1番安定しています。8回まで投げてくれるとは思わなかったのですが、本当にナイスピッチングでした。

――2回ホームランの後はどのように声をかけましたか

今日は3失点以内というのをテーマにしていたので、1点くらい全然構わないということを話しました。

中村健人(環3・中京大中京)

――今日の試合を振り返って

本塁打という形で先制されましたが、野手陣も焦らなかったことと、投手が頑張ってくれたことが良かったです。野手がもう少し振っていかなきゃいけませんでしたけど、こういう試合になることが分かっていながら、勝利できたのは大きかったです。

――同点となる適時打を放った率直な感想は

前の2打席はチャンスで凡退してしまいました。2死だったのでなんとかしたいなと思ってバットを出した感じです。

――先発の髙橋佑投手の好投に応えたいという気持ちがありましたか

粘りに粘ってくれていたので、次チャンスで回ってきたらものにしなきゃなと思っていました。

――開幕から好調を維持できている要因はありますか

自らの役割を全うしようと思っています。役割を頭の中で整理して、その役割にいかに全力を尽くせるかと意識することで、シンプルになって、思い切ったスイングができているんだと思います。

――明日の試合に向けての意気込みを

ここで2連勝でいければ次の法政戦に向けて勢いがつくと思うので、絶対勝ちたいと思います。

嶋田翔(環2・樹徳)

――今日の試合を振り返って

最初から接戦になるとは予想していたのでそこを粘り勝てたのは良かったです。

――勝ち越しのホームランを打ちました

その前の回にエラーをしてしまったのでなんとか塁に出ようという気持ちでした。意識した通りのバッティングができたので、上手くいって良かったです。

――東大2回戦ではスタメン落ちすることもありましたが

スタメンから外されたというのは本当悔しかったです。自分に何ができるかを考えながら空き週も練習していたので、今日の結果に繋がったと思うと嬉しいです。

――バッティングの調子はいかがですか

調子はいいですが、これをどうやってキープするのかが大事だと思っています。帰ってまた練習を頑張りたいです。

――明日に向けて意気込みを

今日勝っただけで、明日しっかり勝たないと勝ち点は貰えないので、3連覇に向けてまずは明日しっかり頑張りたいと思います。