9月23日(日)東京六大学秋季リーグ戦 明大2回戦序盤の大量失点が重くのしかかった本塁打で先制されるも9回に勝ち越して接戦を制した明大一回戦。このまま2連勝して着実に勝ち点を積み重ねたい慶大だったが、序盤四死球やミスから大量失点。さらに明大…

9月23日(日)東京六大学秋季リーグ戦 明大2回戦


序盤の大量失点が重くのしかかった

本塁打で先制されるも9回に勝ち越して接戦を制した明大一回戦。このまま2連勝して着実に勝ち点を積み重ねたい慶大だったが、序盤四死球やミスから大量失点。さらに明大エース森下暢の前に打線は奮わず、厳しい展開になった。5回裏、内田蓮(総4・三重)の適時二塁打、中村健人(環3・中京大中京)の3ランで一挙4得点をあげ追い上げるも、やはり7失点は大きく、試合は三回戦にもつれこんだ。

 
明大
慶大

慶大バッテリー:●菊地、石井、木澤、森田晃、津留﨑―郡司

明大バッテリー:○森下暢―西野

慶大本塁打:中村3号3ラン(5回)

◆慶大出場選手

 ポジション選手名(学部学年・出身高校)
[4]小原和樹(環3・盛岡三)
 森田晃介(商1・慶應)
 長谷川晴哉(政4・八代)
 津留﨑大成(商3・慶應)
[8]渡部遼人(環1・桐光学園)
[7]柳町達(商3・慶應)
[2]郡司裕也(環3・仙台育英)
[5]内田蓮(総4・三重)
[3]嶋田翔(環2・樹徳)
[9]中村健人(環3・中京大中京)
[6]瀬戸西純(政2・慶應)
[1]菊地恭志郎(政4・慶應志木)
 石井雄也(商3・慶應志木)
 木澤尚文(商2・慶應)
 H4田中凌馬(商3・長崎東)

春季の明大戦3試合と同じく先制され苦しい展開となるも、嶋田翔(環2・樹徳)の決勝弾で辛くも勝利した1回戦。明大2回戦は、雨で少し寒い昨日とは変わって晴天の中行われた。初回マウンドに登ったのは、今季初先発となる菊地恭志郎(政4・慶應志木)。しかし1番添田にフルカウントの末四球を選ばれると、続く打者2人にも四球を与え、無死満塁。4番平塚に2点適時打を浴び、続く打者の途中でマウンドを降りることになった。無死一、三塁2ボール1ストライクという危機的状況で代わった石井雄也(商3・慶應志木)は、内野ゴロの間に1点を失うも後続を三振で封じ、失点を最小限に留めた。すぐにでも点を取り返したい慶大だが、その裏の攻撃は相手先発森下暢にわずか9球で抑えられてしまう。

そして、その後も明大打線を止められない。2回1死一、三塁から暴投と適時打で点差を5点に広げられると、続く3回にも1死満塁のピンチを招く。しかしここは石井が後続を断ち、無失点で切り抜けた。さらに4回、ヒットと死球でランナー2人を背負うと、逢澤にライト前にタイムリーを許す。その上中村の返球は大きく逸れ、明大ベンチの中へ。2人が帰ってくる。四球と盗塁でなおも1死二、三塁だったが、小原和樹(環3・盛岡三)の好返球もあり、何とか2失点で凌いだ。


今季初登板の木澤

一方の慶大打線は沈黙。4回まで1人もランナーを出せない。明大の攻撃ばかりが続き、慶大が押される嫌な空気を変えたのは、5回から登板した木澤尚文(商2・慶應)だ。先頭打者に死球を与えて不穏な空気が漂うが、その後は春に151キロも記録した自慢の速球と夏に鍛えたという丁寧なコントロールで3つのアウトを取った。裏の慶大の攻撃ではようやく慶大打線が奮起する。4番郡司裕也(環3・仙台育英)が相手のエラーで二塁まで進むと、内田が左中間へ適時二塁打を放つ。それまで重い空気が漂い静まっていた慶大応援席に歓声が響き渡り、盛り上がりをみせる。嶋田翔(環2・樹徳)も良い流れに乗り、レフト前ヒットで繋ぐ。そして無死一、三塁というチャンスの場面で打席に立つのは、昨日も試合を振り出しにもどす貴重な適時打を放った中村。1ボール1ストライクで迎えた3球目、「思い切って行った」という中村の打球はレフトスタンドに飛び込んだ。今季3本目となる本塁打は、終盤に期待をもたせる大きな3点をもたらした。


森田晃のロングリリーフで流れは渡さなかった

流れは慶應に傾いた状態で試合は後半戦に入る。慶大は4番手、森田晃介(商1・慶應)が安定した投球を見せる。6回1死三塁から後続を二者連続三振に仕留めると、7回にはこの試合で初めて明治打線を三者凡退に抑えた。さらなる追加点で流れに乗りたい慶大は、2死からランナーを出すも、相手の好守に阻まれる。8回、内田の好プレーで1アウトを取った後、明大の中軸に二者連続ヒットを打たれてしまうが、後続をフライに打ち取り、何とか0点で攻撃に移る。しかし調子を立て直した森下暢の前に3人で攻撃を終わらされてしまう。両チームとも投手と野手が奮闘し、堅い守りで得点を許さない。スコアボードに0が刻まれていき、徐々に焦燥感が募る。そして最終回慶大は津留﨑大成(商3・慶應)をマウンドに送る。先頭打者にヒットを許し、犠打と内野ゴロで三塁まで進まれるも追加点は与えず、逆転の望みを持って最終回の攻撃にのぞんだ。4番からの好打順だったが、郡司、内田は左飛に倒れる。そして嶋田の鋭いライナーも三塁手のグラブに吸い込まれ、スリーアウト。最後はあっけなく試合終了となった。


4戦で3発10打点の中村

やはり強敵明治。簡単には勝ち点をくれない。序盤の失点や5回以外は沈黙した打撃陣と課題は多く見つかった。しかし、すでに4試合で10打点と波に乗る中村や、後半を0点で抑えた投手陣など、良かった点もある。お互い優勝を狙う以上、明日は負けられない試合になる。今日の反省点を生かし、「チーム一丸となって」最後まで諦めないKEIOらしい野球で、意地のぶつかり合いを制し、勝ち点をもたらしてくれるだろう。

(記事・小嶋華、写真・小林歩)

◆打撃成績

  
[4]小原右邪飛  遊ゴロ中飛    
森田晃         
長谷川晴       空三振 
津留﨑         
[8]渡部一ゴロ  二ゴロ 左飛 空三振 
[7]柳町一ゴロ  遊ゴロ 空三振 二ゴロ 
[2]郡司 中飛  三失四球  左飛
[5]内田 逃三振  左2①一ゴロ  左飛
[3]嶋田 遊ゴロ  左安 捕邪飛 三直
[9]中村  三ゴロ 左本③ 遊ゴロ  
[6]瀬戸西  一ゴロ 空三振 中安  
[1]菊地         
石井  二ゴロ      
木澤         
H4田中凌    二飛 投直  

◆投手成績

 投球回数打者数球数安打三振四死球失点自責
●菊地0/322
石井2276
木澤13
森田晃1245
津留﨑10

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――木澤投手、森田投手、津留﨑投手について

塾高のピッチャー3人は何とか粘って、そこはよかったかなと思います。

――5回の攻撃、中村選手の本塁打などはいかがでしたか

あの回しか点数入っていないのでまだまだです。フォアボールと守りのエラーとその3点、4点というのがやはり追いつかない点差になりますね。

――明日の試合に向けて

向こうも相当気合入って来ると思うし、それに私たちも当然負けられないと思ってやりますので、良い試合をすると思います。

内田蓮副将(総4・三重)

――今日の試合を振り返って

まずピッチャーが序盤に失点してしまったところが痛かったですけど、そこよりも野手陣ですね。4点は取れたんですけど、森下投手からもうちょっと粘っていければ、違う試合展開になったかなって思います。今はちょっと悔しいという気持ちです。

――大事な場面での適時二塁打でしたが

やっぱり森下投手はスピードがあるので、とにかくそれに振り負けないようにセンター方向にしっかり打ち返すというイメージで打席に立ったら、結果は出たので、その打席については良い内容だったかなと思います。

――改めて今日の敗因は

やっぱり7点取られてしまったということですね。かなり序盤に失点をしてしまうと、なかなかリズムが攻撃の方も作っていけなくて、そういう面ではすごく苦しい展開になってしまったというのはあります。5回に中村の3ランで4点取ったのは良いんですけど、打線の繋がりという面で点数をあまり生み出せなかったというのが敗因かなと思います。

――その打線の繋がりに関して、次に向けて改善したいことは

(森下暢投手は)全員が全員そんなに簡単に打てるピッチャーではなく、1試合に1本出るか出ないかというところだと思います。その1本をいかにどの状況で出していけるかというのと、もう一つは打てないながらもランナーを進めたりとか、1本ヒットが出なくても点が取れるくらいの打撃、繋がりっていうところです。もう一回今日の夜、ミーティングとかを行なって、明日にしっかり繋げていきたいなと思います。

――明日に向けて

今日は明治が、優勝消えるくらい懸かった試合で、一丸となっている意気を感じました。とにかく僕たちも挑戦者の気持ちをもう一度忘れずに、明治大学にチャレンジしていって、全員で束になってかかれるようにしていきたいと思います。

津留崎大成(商3・慶應)

――今日の試合を振り返って

あの状況で先発した菊地さんだけの責任ではなくて、投手全体として責任を感じています。

――1イニングの登板でした。調子はどうでしたか

ここまで来たら調子も何もないという形ですけれどもなんとか上がってこれたなという感じで気持ちを込めて投げることができたかなと思います。

――明日に向けて意気込みをお願いします

チーム一丸となって何とか投手陣に粘って3点以内になって勝ちたいと思います。

中村健人(環3・中京大中京)

――今日の試合を振り返って

僕の送球ミスなどもあって無駄な失点が多くなってしまい、それを取り返したい思いで5回に点を取ることはできたのですが、その後また同じ形で打ち取られるのを繰り返してしまったことが良くなかったです。

――5回裏では3ランホームランを放ちました

ランナーが三塁ということもあって、弱いスイングにならないように思い切って行った結果、打つことができました。

――ここまで4試合10打点というご自身の活躍を振り返って

その分ミスが多いので、プラマイゼロだと思います。

――明日への意気込みを

これを落としたら慶大はこれから厳しい戦いになり、明治も落としたら自力優勝の可能性が無くなるので、明日は意地のぶつかる戦いになると思いますが、跳ね返してまた勝ちたいと思います。

木澤尚文(商2・慶應義塾)

――今日の試合を振り返って

初回から菊地さんの状態が良くなかったので、投げるとは思っていました。自分は1イニングしか投げてないのですが、次の回で4点入ったので流れを変えられたのかなと思うのでそこは良かったです。

――今季初登板でした

東大戦ではベンチには入れかったので、なんとか明大戦には間に合わせられてよかったです。

――夏の期間は何を意識して練習しましたか

自分の課題がコントロールだというのは春のリーグ戦で分かっていたので、夏のオープン戦含めコントロールを気にしながら練習しました。

――今日の制球は自身でどう振り返りますか

先頭はデッドボールを当ててしまったのですが、他は変化球でカウントを整えられたので良かったです。

――三振の少ない渡辺佳明選手から三振を奪いました

プロも注目している選手から三振を奪えたのは今後に繋がるかなと思います。

――今日の速球は145キロほど出ていました

もうすこし出ると思うのでここからもっとあげていければ抑えられると思うので頑張ります。

――今季の意気込みを

三連覇がかかっているというのは中々ないので、とりあえず明日勝って次に繋げたいと思います。

嶋田 翔(環2・樹徳)

――今日の試合を振り返って

序盤にああいう点の取られ方をすると、後々自分達で取り返すのは強い相手だと難しいな、と感じました。

――今日の試合の敗因は

入りに少し緩んだところがあったのかな、と少し感じています。

――ご自身の打撃面での活躍はいかがでしたか

いいピッチャー相手でしたが、やはり初球から打っていかないと後々苦しい展開になってしまうので、そこは初球に強いスイングをいれる、というつもりでバッターボックスに入っています。

――明日の試合に向けて

3連覇するにあたって、明治や法政、これから戦っていく相手は本当に強いので、まずしっかり明日の試合を勝って勝ち点を1個取って法政戦に繋げられならなと思います。

森田晃介(商1・慶應)

――今日の試合を振り返って

序盤に先制されて、これ以上離されたらチャンスないなと思っていたので、このまま0で踏ん張ろうと投げました。僕が投げたのが、味方が4点を取った後だったので、 この流れを打ち切らないようにと投げました。

――マウンドに登ったときの心境は

やるしかないと思っていたので、明治打線は強力ですけど、自分の投球をして、流れを持ってきて、追いつけるように投げました。

――今日の自身の投球をどう評価しますか

持ち味のコントロールがダメで勢いで投げたところがあり、しっかり準備できていなかったところは反省点です。

――今後の投球に対しての意気込みを

苦しい場面で回ってくることが多いと思うんですけど、そこでしっかり粘れるように自分の全力を出し切って、チームの勝利に貢献できるように頑張りたいです。