3年ぶりの関東大学リーグ戦(リーグ戦)3連勝だ。ここ2年、リーグ戦にて3戦目に勝ち星を挙げることができていなかった早大。だが、今年の早大は去年までとは違う。大学交流戦苫小牧大会(サマーカップ)にてゲームウィニングショットまで持ち込まれた日…
3年ぶりの関東大学リーグ戦(リーグ戦)3連勝だ。ここ2年、リーグ戦にて3戦目に勝ち星を挙げることができていなかった早大。だが、今年の早大は去年までとは違う。大学交流戦苫小牧大会(サマーカップ)にてゲームウィニングショットまで持ち込まれた日体大を相手に、5−1で勝利。来週から始まる上位校との対戦に向けて、さらに弾みを付ける結果となった。
第1ピリオド(P)はなかなか試合が動かなかった。早大は果敢に敵陣へと攻め込んでいきシュートを打ち続けるが、なかなかゴールを陥れることができない。18分41秒に数的有利なPP(※1)の好機が訪れるが、ものにすることができず。お互い無得点のまま第1Pを終えることとなった。
早大オフェンスの原動力・澤出
しかし第2Pから早大の快進撃が始まった。開始早々、DFハリデー慈英副将(スポ4=埼玉栄)が試合を動かす1点目を獲得。それから3分38秒後、ハリデー副将が続けてもう1点を追加し、「流れに乗るプレーができた」(ハリデー副将)と、早大が流れを引き寄せていく。その後もエンジの得点劇は終わらない。相手のペナルティーでPPのチャンスを得ると、FW澤出仁(スポ2=北海道・武修館)のシュートにより3点目が入る。それから日体大に1失点を許したものの、FW高橋寛伎(国教4=東京・インターハイスクール)が4点目を決め、3点リードした状態で第2Pが終了した。続く第3Pでは、3分50秒に好調のFW生江太樹(スポ2=北海道・釧路江南)が軽快なスケーティングから鋭いシュートを放ち、相手ネットを揺らす。結果として、サマーカップでは一度もリードできなかった日体大に対し、今回は終始リードする展開で勝利することに成功した。
先制点を含む2得点を挙げたハリデー
この試合での早大の合計シュート数は47。「第一にシュートの選択をしなさいと言っていますが、それができるようになった」(内藤正樹監督、平3二文卒=北海道・釧路湖陵)と、1人1人が積極的に攻撃する姿勢が、今回の勝利につながったと考えられる。またフォアチェック、バックチェックの形が共により向上し、相手チームからの失点が減ったのも勝因の1つと言えるだろう。次戦は東海大との対戦になり、強豪・明大との戦いを2日後に控える中での試合となる。「東海大に合わせたプレーをしているようだったら、明大には勝てない」と、FW鈴木ロイ主将(教4=北海道・苫小牧東)は強く言い切る。次週、開幕4連勝で強敵を迎える姿が見られることを期待したい。
※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。
※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。
(記事 藤岡小雪、写真 糸賀日向子)
※( )内はシュート数結果 | ||
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早大 | ピリオド | 日体大 |
0(18) | 1st | 0(5) |
4(16) | 2st | 1(9) |
1(13) | 3st | 0(7) |
5(47) | 計 | 1(21) |
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
早大 | 20:50 | 29ハリデー | 8青木 | - | - |
早大 | 24:28 | 29ハリデー | 16鈴木 | 8青木 | - |
早大 | 28:03 | 1澤出 | 19杉本 | - | - |
日体大 | 30:00 | 75相澤 | 19宮澤 | 27松田 | KP |
早大 | 38:30 | 17高橋 | - | - | - |
早大 | 43:52 | 9生江 | 1澤出 | - | - | ※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 21矢島 | 17高橋 | 16鈴木 | 33坂本 | 25篠田 |
2 | 19杉本 | 8青木 | 1澤出 | 29ハリデー | 18羽場 |
3 | 12飛田 | 9生江 | 24河田 | 31大崎 | 13吉野 |
4 | 15伊東 | 2北村 | 11加賀美 | 10住友 | 23草島 | GK34谷口 B-GK39村上 |
コメント
内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)
――開幕3連勝となりました。チームの状態も上向いているように感じます
徐々に運動量も増えて来ましたし、シュートに対する意識も良くなっていますね。まず第一にシュートの選択をしなさいと言っていますが、それが出来るようになったというところでしょうか
――復帰したFW青木孝史朗選手(スポ3=埼玉栄)が存在感を発揮していますね
そうですね。もともとそういう選手なので、やっと帰って来てくれたかという感じです。昨年の12月にケガをしてから約10ヶ月間、本人が腐らないでリハビリして来た成果が出ているのかなと思います。彼にはもっともっと活躍してほしいですね。
――ディフェンスも失点が減り、安定してきていますね
ディフェンスだけじゃなくて、フォワードのバックチェックも良くなってきたのかなと思います。5人で攻めて5人で守ることができてきて、簡単に中に入られないようになってきましたね。その辺りが失点が少なくなって来た原因だと思います。ゴールキーパーも簡単にリバウンドを出さないようにしていると思います。今日は村上(隼人、スポ1=北海道・駒大苫小牧)も出られてよかったと思います。
――上位校との対戦に向け、次の東海大戦は重要になりますね
とても重要な一戦だと思います。優勝を狙うためには、二部から上がって来たチームに負けるわけにはいかないですね。ここで、勝ち点3を取ってはじめて、明大、中大、東洋大への挑戦権を得られると思うので、まずは来週しっかり東海大に勝って、その上で明大戦に臨みたいと思います。
FW鈴木ロイ主将(教4=北海道・苫小牧東)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
きょうの試合は出だしから良いチェッキングができて、全体的に優位に試合を進めることができたと思います。
――日体大とはサマーカップで接戦を繰り広げていましたが、そこからきょうに向けて考えてきたことは
日体大がというよりかは、僕たちがどういうホッケーをやるかというのを確認しました。僕たちのホッケーができれば問題ない相手だと思っていたので、相手に合わせることなく僕たちのホッケーをしようという話をして試合に挑みました。
――リーグ戦開幕から三連勝ですがその要因はどのようなところでしょうか
リーグ戦始まる前にも選手たちに、本当に下位のチームとの試合でも上位のチームとの試合でも同じ勝ち点3なので下位のチームこそ気合いを入れて、下位の4チームとの試合で勝ち点12を取らなければ上にチャレンジする権利もないという話をしました。それを皆が分かってたかは分からないですけど、良い準備をして試合ができたので、それが要因だと思います。
――シュート数が先週までより増えたのはどのようなことが鍵になったのでしょうか
先週の二連戦の時にはコーチからももっとアタッキングゾーンに入ったらシュートを打てという話をされていました。そこを一週間の練習でいい具合に改善できて、一人一人シュートを打つ意識ができてきたので、きょうの試合はそれが良い方向で顕著に現れたと思います。
――パスが通るようになった要因は
普段からパス、レシーブ丁寧にやろうということに加えて、今まで早稲田は一人で持っていってエントリーする場面が多かったので、しっかり顔を上げて周りを見てパックを持っていない選手が声をかけてパスをさばいてから自分で足を動かしてアタッキングゾーンにエントリーしようという話をしていました。それが徐々にできてきていると思います。
――鈴木選手はゴールに近づきすぎずシュートを打っていらっしゃいますが、その点で意識していることはありますか
自分くらいのシュート力があれば、全然ゴールに近づいてプレーするより近づく前に打った方が得点チャンスも増えるということをコーチに仰っていただいたのでそれを実践しています。
――来週の東海大戦は上位のチームとの試合に向けて大事な一戦となってきます。どのように挑んでいこうと考えていますか
仰ったように、本当に来週東海大と明大の二連戦で東海大に合わせたプレーをしているようだったら明大には勝てないと思います。まずは最初の東海大戦で相手に合わせることなく早稲田のホッケーをして完膚なきまでに叩いて良い状態で明大戦を迎えられればいいと思います。
DFハリデー慈英副将(スポ4=埼玉栄)
――関東大学リーグ戦(リーグ戦)3連勝を飾りましたが、今のお気持ちは
毎年最初の2戦あたりでこけていたので、3連勝できたのは素直に良かったです。優勝争いにしっかり食い込んでいきたいので、幸先のいいスタートを切れました。
――3連勝できた理由については、どのように考えていますか
いい準備をしてきたというのと、夏合宿で基礎的なことを1からやり直したのが挙げられると思います。パスレシーブやスケーティングをしっかりやって、チームの土台を作ったのがいい準備になって、この結果につながったのだと思います。
――初戦よりパスがかみ合っていたように感じたのですが、ご自身としてはどう考えていますか
だんだんセットが固定されてきて、セットでの練習やミーティングの機会を置く設けられているので、そのおかげでいいケミストリーが生まれているのかなと思います。
――今年はDF羽場健太(政経4=東京・早実)選手と4年生同士で組んでいますが、同期と組むことでのやりやすさを感じることはありますか
健太も4年目で経験ある選手ですし、臨機応変にしっかり応えてくれるので組みやすいと思っています。
――2得点を決められましたが、そのシーンを振り返っていかがですか
チームとしては大事な1、2点目になったと思うので、流れに乗るプレーができたことは良かったと思っています。
――失点が減ってきていますが、ディフェンスに関して改善した点などはあるのでしょうか
ディエンスもそうなんですけど、今フォアチェックの形を変えていて。アグレッシブにどんどん動いてくれているので、DFとしては出てくるパックがすごく読みやすいというか。そう言った部分があるので、今は結構FWに助けられていると思ってます。あとはDゾーンでの守りでは、パックキャリアに対して1人いて、DF1人がボール前に残ってというような感じで、最悪の状態を考えながら守ることができたので、そこが良くなったと思います。
――来週は東海大戦、明大戦があり、4連勝して明大戦に臨みたいところだと思います。東海大戦に向けて意気込みをお願いします
東海大戦は絶対に勝ち点3を取らなければいけないと思うので、一番いい状態で明大戦に臨めるようにしっかり準備した上で、東海大に勝ちたいと思います。