じめじめとした蒸し暑さは多少残るものの秋らしい気候が漂う中、関東学生選手権秋季大会が4日間にわたって行われた。千葉朔海(スポ4=埼玉・栄北)は10mAR(エアライフル)立射60発、50m三姿勢120発ともに2年連続で個人優勝を遂げ、前田留…

 じめじめとした蒸し暑さは多少残るものの秋らしい気候が漂う中、関東学生選手権秋季大会が4日間にわたって行われた。千葉朔海(スポ4=埼玉・栄北)は10mAR(エアライフル)立射60発、50m三姿勢120発ともに2年連続で個人優勝を遂げ、前田留那(スポ1=埼玉・栄北)は10m立射60発で個人3位、田中美沙(スポ3=埼玉・栄北)は50m三姿勢120発で個人6位に入賞した。女子部は計5枚の賞状を受賞し、来月に行われる全日本学生選手権に向けて弾みをつける大会となった。

 10m立射60m本戦の千葉と前田の順位は7位と4位で、ファイナルの1発目は9点台で下位からのスタートに。しかし3シリーズ(11発)目以降はどんどん追い上げ両者共に上位に立つ。千葉は14発目で首位に立ってから10点台をほとんど出し、徐々に2位の選手と1点以上の差をつけていく。前田は後半、シリーズ内の最高得点を撃つこともあったが、21発目点から22発目で、2位の一ノ渡桜(法大)と点差を縮めることができず、3位でフィニッシュ。それでも、8名の中で唯一の1年生ながら大激闘の試合だったといっても過言ではない。千葉は本種目のファイナルに久しく出場しておらず、今回は「緊張した」と述べたように、最後まで冷静な表情で挑んだが、試合終了後は優勝が決まったからか、安堵したような笑顔だった。


背後から部員の応援を受け試合に臨む前田

 50m三姿勢120発でファイナルに出場した千葉と田中。田中は良い滑り出しで、序盤で2位についた。しかし、伏射になると下り坂。しきりに画面に映し出される順位を気にする仕草を見せていたが、9点台が続き、最後は6位でフィニッシュ。納得がいかない表情を浮かべた。ARとの二冠を目指す千葉は、終盤に向けて驚異の集中力を見せた。序盤、激しく順位が入れ替わる展開に、苦手とする伏射で順位を落とす。それでも「(苦手だが)きょうは絶好調だと思った」と3位以内をキープ。得意の立射では、みるみるうちに上位の選手との差を埋めていった。サドンデス方式となる終盤は、全て10点台を撃ち抜いてみせた。見事な逆転で、この大会、2年連続の2冠を達成。圧倒的な実力を見せつけた。


立射を得意とする千葉

 本大会の3日目は、朝から夕方まで本戦とファイナルが詰まったハードスケジュールで選手たちは疲れが溜まっていただろうが、それでも女子部の強さは圧巻だった。中でもダントツの千葉はいま、「オリンピック」の出場に向けて練習に励んでいる一方、来月行われる全日本選手権での「ARで3連勝」という目標も掲げている。出場者たちは万全に準備をし、学生最高峰の舞台で力を尽くしてほしい。

(記事 成澤理帆、吉岡篤史 写真 成澤理帆、吉岡篤史)


10m立射60発ファイナルで個人3位の前田(左)と個人優勝の千葉(右)

全出場選手結果

【男子10m立射60発競技】

▽団体 1742.1点(4位)

橋本龍太朗 592.2点

北嶋 亮太 575.2点

梅津  怜 574.7点

▽個人

加藤  東 578.7点

波多 秀馬 577.0点

濱本 和樹 572.7点

井手 悠太 571.0点

亀山 祥吾 563.9点

後藤  樹 561.9点

保坂 剛志 558.7点

熊田 圭祐 558.0点

清水 拓海 554.2.0点

【女子10m立射60発競技】

▽団体 1835.1点(4位)

前田 留那 613.2点 ※ファイナル223.9点 個人3位

千葉 朔海 613.1点 ※ファイナル246.2点 個人優勝

田中 美沙 608.8点

▽個人

加藤 モナ 601.2点

平田  華 599.0点

満井 菜月 577.1点

大芝 嶺花 569.0点

【男子50m伏射60発競技】

▽個人

北嶋 亮太 604.4点

橋本龍太朗 591.4点

【女子50m伏射60発競技】

▽個人

千葉 朔海 616.7点(個人5位)

加藤 モナ 606.6点

平田  華 580.7点

【男子50m三姿勢120発競技】

▽団体 3285点(7位)

橋本龍太朗 1105点

北嶋 亮太 1104点

波多 秀馬 1076点

【女子50m三姿勢120発競技】

▽団体 3380点(3位)

千葉 朔海 1149点 ※ファイナル450.0点 個人優勝

田中 美沙 1129点 ※ファイナル395.5点 個人6位

加藤 モナ 1102点

▽個人

平田  華 1087点

【女子エアピストル10m立射60発競技】

▽個人

高木  薫 498点(6位)

2部男子総合団体 5027.1点(1位)
1部女子総合団体 5215.1点(3位)

千葉朔海(スポ4=埼玉・栄北)

――10m立射60発のファイナルを振り返って

ARのファイナルは久々だったのでちょっと緊張したんですけど、勝ててよかったです。

――はじめは9点台で、後から10点台を撃ち、追い上げました

最初の9点は自分で撃っちゃったので特に気にせず、ちゃんと撃てるようにやりました。あまり気にしなかったです。

――50m三姿勢60発のファイナルでは、P(伏射)の途中から順位が落ちてきましたが

わたしPは苦手なのできょうは絶好調だと思ってやっていました。周りが強すぎて。

――気になる選手は

劉ちゃん(炫慈、明大)が、やっぱりSB(スモールボアライフル)強い。4年生みんな強いです。

――1発撃ち終わってから千葉選手だけ(他の選手に比べると)ずっと動きませんがそれは意識しているのでしょうか

そうなのかな。動くと疲れちゃうじゃないですか。4日間やって疲れちゃったので(笑)。

――1発1発に集中するというよりも試合のひとつの時間で集中力をずっと保つということですか

いや、1発1発ですね。ずっと集中していたら疲れちゃうので、1発撃ち終わったら、周りの人を待っているという感じです。別に、自分のフォームが悪いとは思っていなかったので。やばいなと思ったら、撃ち終わったときに構え直したりとかしますけどきょうは別にやばいなとかは思わなかったのでそのまま待っていました。

――最後の方の追い上げのとき、頑張らないとという意識を持つことありますか

あまりないですね。ARの2シリーズ目から思った通りにいかなかったので、それで「んー?」と思ったんですけど、そこでフォームが間違っているとは思わなかったので順調にやっていけば獲るだろうなという自信はありました。

――(これまでの競技人生で獲った)メダル全て合わせて、いま何個持っていますか

え〜何個あるんだろう・・・数えたことないです。30個くらいですかね。

――競技人生での目標数は

メダルの数はそんなに気にしていないんですけど、やっぱりちゃんとメダルを獲らなきゃいけない試合で獲れればいいなと思います。学連試合とかは言ってしまえばただの学生の試合なのでそこで獲れるのは当たり前だなと思います。

――一番欲しいのはオリンピックのメダルですか

オリンピックでメダルを獲るよりも、そこに出場する方が難しいので。オリンピックに出場できるように頑張ります。

――射撃で、勝つのに一番大切なことは何ですか

何も考えないことですかね。「いけるぞ!」と思ったりとか、逆に「やばいこれ、当てなきゃ」と思うとそれが雑念なので、やばいなと思っても、ちゃんと自分のフォームに集中して何も考えずにやるのが一番大事だと思っています。

――来月の全日本選手権(インカレ)に向けて

最後のインカレなので。きょねんARで2連勝しているので、3連勝できるように頑張ります。