スクラムなどの最前線で体を張る男たちがいる。ラストイヤーに熱い思いを持って臨むプロップ鶴川達彦(文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)とフッカー宮里侑樹(スポ4=沖縄・名護商工)、昨年から活躍を続けるプロップ久保優(スポ2=福岡・筑紫)、そして…
スクラムなどの最前線で体を張る男たちがいる。ラストイヤーに熱い思いを持って臨むプロップ鶴川達彦(文構4=神奈川・桐蔭学園中教校)とフッカー宮里侑樹(スポ4=沖縄・名護商工)、昨年から活躍を続けるプロップ久保優(スポ2=福岡・筑紫)、そして夏から3番に定着し始めたプロップ小林賢太(スポ1=東福岡)だ。フロントローとして身をていし戦う4人に、関東大学対抗戦(対抗戦)への意気込みを伺った。
※この取材は9月3日に行われたものです。
「自分たちが理想とするスクラムのかたちに少しずつ近づいてきている」(小林)
フロントローの屋台骨として活躍する鶴川
――初めに他己紹介をお願いできますか。まず鶴川選手はどんな方ですか
宮里 お酒が好きです。
久保 いつも話しかけて、気にかけてくれて優しい先輩です。
鶴川 (笑)。
小林 ポジション練習のときとかは、プロップを取り仕切ってくださっています。
――宮里選手については
鶴川 お酒が好きです。
一同 (笑)。
久保 宮里さんは、鶴川さんと同じで優しくしてくださいます。あとは・・・いつも元気でいらっしゃるなって・・・。
一同 (笑)。
小林 面白いです。
――久保選手については
一同 (しばし悩む)
鶴川 先輩の前では下手に出るんですけど、同級生には高圧的な態度を取ってます。
久保 そんなことないです(笑)。高圧的ではないですよ、同期なので・・・。
宮里 優しいは優しいですね。
小林 優しくて面白いです。
宮里 面白いよね。リアクションが面白い。
久保 そんな芸人みたいな・・・(笑)。
――では小林選手に関してどうですか
久保 ラグビー中も私生活もいつも真面目に、ちゃんとラグビーにつながるようにしている感じですね。
鶴川 謙虚ですね。
夏合宿ではゲームキャプテンも務めた宮里
――夏合宿を終えられて最近はどんな練習をされていますか
鶴川 暑さに慣れるという意味で、実際に試合をする時間に合わせて練習しています。練習自体は夏合宿とそんなに変わらないですね。
――ここから今までを春シーズンを振り返って印象的な試合はありますか
鶴川 僕は出ていなかったんですけど、天理大戦が印象に残っていますね。天理大戦で結構相手の方が基本スキルができていたので、自分たちのスタンダードを見直すという意味で印象的でした。
久保 明大戦が印象に残っています。特にフォワード、プロップでセットプレーでやられてしまう場面があって、試合が終わった後にもう一度セットプレーを強化しなくてはいけないなという気持ちを持ったので、そこですね。
宮里 自分も一緒で、明大戦です。
小林 僕は春は試合に出ていないので…。個人的には新人早明で明大さんの同学年のレベルの違いというか、スキルの違いを体感できたので、そこは印象に残る試合でした。
――先ほどお話にもありましたが、天理大や明大といった強豪に敗北を喫する試合もありました、その敗因は何だと思いますか
宮里 明大戦で言えば結構スクラムでプレッシャーを受けてペナルティーを重ねてしまったので、セットプレーは大事だなと改めて思いました。
――一方で、夏には帝京大に勝ちましたが、春との差は何だと思われますか
鶴川 天理大や明大に負けてから、ディフェンスで前に出たりだとかそういう改善してきたところがちゃんと出せた試合だったので。夏合宿でテーマにしていた、ペナルティーを減らすというところで、まあまだまだ多かったんですけど、いらないペナルティーを減らせたのでそこはよかったと思います。
宮里 セットプレーも結構安定していたので、スクラムのターンオーバーもなかったですし、そこは良かったなと思います。
――夏合宿を終えて成長したと思う点を教えてください
小林 フォワードととしてなんですけど、結構春シーズンからスクラムの細かいスキルであったりそういったところをしっかりやっていこうということだったのでそこを全員がスクラムで修正していくことができたのかなと思います。自分たちが理想とするスクラムのかたちに少しずつ近づいてきているのではないかなと思います。
――個人的にはありますか
小林 大東大や東海大というスクラムが強い大学に押すことはできなかったんですけどしっかりキープできていたので、そこはスクラムも少しずつ進められるようになってきたのかなと思います。
――久保選手はいかがですか
久保 春の時と比べてチームのディフェンスで前に出るという意識がすごく強くなってきたので、春は相手のアタックに対して受け身になってしまったと思うんですけど、菅平での試合は全体的に前に前に出ようという意識があったので、その意識があったから帝京大にも勝てたと思うし、それを続けていけば色んなチームに勝てるようになるのではないかなと思いました。
――鶴川選手はいかがですか
鶴川 個人というよりフォワードとしてなんですけど、東海大戦あたりから結構モールでトライが取れて、そこは春からずっとやってきたところが徐々に形になってきたのかなと思います。
――宮里選手はいかがですか
宮里 ラインアウトなんですけど、夏合宿にサインが増えて色んなバリエーションができたので、精度という面では完璧ではないですけど、少しずつバリエーションを増やして相手をしっかりずらして取るというところができていると思います。
――シーズンを通してスクラムがやや押されているような印象を受けたのですが、原因と言えるものはありますか
鶴川 毎回良くなったり悪くなったり、できていたことができなくなったりということはあるんですが、すべてはセットアップの組む前の姿勢だったりだとか、8人のまとまりだったりだとかで結構決まってしまっていたので、セットアップの部分を修正すればよくなると思います。
久保 まとまりの部分は鶴川さんが言ったので、あとは相手よりどれだけ低い姿勢でいけるかだと思うので、自分たちは今ちょっと押される傾向があるので、しっかり低い姿勢で組むということを今意識していて、そこをやっていけば今シーズンもいけるのではないかなと思います。
昨季に引き続き春は3番としてチームをけん引した久保
――小林選手は夏から3番に定着された印象がありますが、ここまで戦ってきていかがですか
小林 結構スクラムがあることで体力面で消耗してしまうところがあって、そこでフィールドの質が落ちてしまうというか、そこが課題かなとは思っています。その中でいいスクラムを組んでセットプレーの安定がこれからのシーズンで大事になってくると思うので、そこの精度は落とさずにやっていけたらなと思います。
――他の3選手の方は昨年からご自身に変化を感じた点はありますか
鶴川 今年になって自分たちで話し合ったりする時間が増えて、去年よりも選手同士のコミュニケーションが増えたので、自分たちが話し合ったことと、コーチの考え方などを共有して、それで改善することとかを自分で考えられているというのは去年より成長かなと思います。
宮里 自分は安藤さん(安藤敬介スキルコーチ、平13人卒=秋田・男鹿工)というフォワードコーチが来て今年からしっかりフッカーとしての訓練をしています。今年から専門的なスローイングの指導を受けて去年より確率は上がっているので、その部分に関しては良くなった点かなと思います。
久保 去年は1年生で(試合に)出させてもらって、先輩に言われたことをやろうやろうと思っていて自分で意見を言うことがあまりなかったんですけど、今回安藤さんに色々コミュニケーションを取るように言われて、春は去年よりずっと話すようになったんですけど喋らないと相手にも伝わらないので、コミュニケーションは大事だと改めて実感しているところです。
「スクラムでチームを支えられるような存在になりたい」(鶴川)
ルーキーながら夏以降3番に定着した小林。久保などとの激しいポジション争いを制せるか注目だ
――ここから秋に向けての質問になるのですが、秋はこういったプレーをしたいと意識するポイントを挙げるとすれば
久保 ずっとスクラムとセットプレーでいい思いをしていないので、秋は出場することができればしっかりセットプレーで春の分を挽回できればと思います。
宮里 自分もセットプレーなんですけど、去年はボールをもらう機会が少なかったので、今年はしっかりボールをもらってアタックで見せられたらなと思います。
鶴川 まずはチームの課題のスクラムでチームを支えられるような存在になりたいというのと、フィールドプレーに関しては、試合通して動き続けて、プレーにたくさん絡めるようにしていきたいですね。
小林 僕もみなさんと一緒でセットプレーをしっかり安定させて、バックスにいいボールを渡したいというところと、フィールドプレーではしっかり最前線でブレイクダウンであったり裏方の仕事をしっかりやっていきたいなと思います。
――プレー内容としては目標とすることなどはあるか
宮里 筑波大戦があるんですけど、全体的にはまだ話し合っていないので・・・。
鶴川 フォワードとしてはやはりセットプレーの安定ですね。
――改めて対抗戦に向けて最後に意気込みをお願いします
小林 1年生だからといって萎縮してしまうのではなくて、自分のできるプレーをしっかりやっていきたいなと思います。
久保 自分のできるプレーを全力でやって、しっかり4年生やチームのために自分がしっかりと働けるようにやっていきたいです。
宮里 ラインアウト、スクラムが大事になってくると思うので、自分から発信できるように頑張ります。
鶴川 僕も最前線で体を張るということと、チームの中でコミュニケーションをたくさん取っていけるように心がけたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 石塚ひなの)
最後は全員で『L』の文字を作り記念撮影をしました!
◆鶴川達彦(つるかわ・たつひこ)(※写真左)
1995(平7)年5月21日生まれ。180センチ、110キロ。神奈川・桐蔭学園中教校高出身。文化構想学部4年。ポジションはプロップ。口数はさほど多くありませんが、培った経験でフロントローをまとめ、最前線でチームをけん引してくれるはずです!
◆宮里侑樹(みやざと・ゆうき)(※写真右)
1997(平9)年1月6日生まれ。178センチ、120キロ。沖縄・名護商工高出身。スポーツ科学部4年。ポジションはフッカー。夏合宿ではゲームキャプテンを任された宮里選手。プレーでチームをけん引する姿勢に注目です!
◆久保優(くぼ・すぐる)(※写真真ん中右)
1998(平10)年4月28日生まれ。178センチ、115キロ。福岡・筑紫高出身。スポーツ科学部2年。ポジションはプロップ。昨季1年生ながらプロップとして試合にで出場し続けた久保選手。今季小林選手が加入しさらに激しい3番のポジション争いでどのようなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか。
◆小林賢太(こばやし・けんた)(※写真真ん中左)
1999(平11)年6月2日生まれ。180センチ、113キロ。東福岡高出身。スポーツ科学部1年。ポジションはプロップ。今年春の日大戦Aチームデビューを果たすと、そのまま夏の練習試合では3試合すべてにスタメン出場。先日の筑波大戦でも対抗戦デビューを果たしました。さらなる伸びしろに期待感を感じざるを得ません!