関東大学リーグ戦(リーグ戦)開幕から3連勝と波に乗っている早大は、今季ディビジョンⅠグループAに昇格したばかりの東海大との対戦。上位校との対戦を前に、「絶対に勝ち点3を取らなければならない」(ハリデー慈英副将、スポ4=埼玉栄)と必勝を期し…
関東大学リーグ戦(リーグ戦)開幕から3連勝と波に乗っている早大は、今季ディビジョンⅠグループAに昇格したばかりの東海大との対戦。上位校との対戦を前に、「絶対に勝ち点3を取らなければならない」(ハリデー慈英副将、スポ4=埼玉栄)と必勝を期して臨んだ。FW澤出仁(スポ2=北海道・武修館)が負傷退場のアクシデントに見舞われたものの、第1ピリオド(P)で一挙に6点を挙げて一度もリードを許さず完勝した。開幕から4連勝で大学アイスホッケー界の盟主・明大とのファーストラウンドに挑む。
この日の試合は荒れ模様の立ち上がりを見せた。早大は第1ピリオド(P)開始3分43秒に、吉野泰平(社2=東京・早実)のシュートのこぼれ球を小澤田匠(スポ3=東京・早実)が押し込むと、すぐさま坂本之麿(社4=青森・八戸工大一)がネットを揺らす。2点を先制し幸先のいいスタートを切った早大だが、ここで重大なアクシデントが起こってしまう。相手FWの激しいチェックを受けて澤出が負傷退場、東海大選手はゲーム・ミスコンダクト・ペナルティでこの試合出場停止となった。さらに東海大はこの後もペナルティが続き、不穏な空気が漂った。チームの得点源である澤出を欠いた早大だったが、この数的有利の機を逃さずにFW青木孝史朗(スポ3=埼玉栄)の連続得点を含む3点を追加して序盤で試合を決定づけた。
今季のリーグ戦初出場で2得点の活躍を見せた小澤田
第2Pは、普段出場機会の少ない下級生たちの出場を増やしたが、それでも東海大ゴールに襲い掛かり続け、飛田の今リーグ戦初ゴールをはじめとする3点を挙げて9-1として終える。最終第3Pは開始早々、FW鈴木ロイ主将(教4=北海道・苫小牧東)のクロスにFW高橋寛伎(国教4=東京インターハイスクール)が反応し、鋭いシュートを叩きこむ。これで再び流れに乗った早大オフェンス陣は、FW杉本華唯(スポ1=北海道・駒大苫小牧)の技ありシュートや青木のこの日4点目が飛び出すなど再び攻勢を強めこのピリオドで5得点。79本のシュートを放ち、今季最多の14得点を挙げるなど終始東海大を圧倒しての快勝となった。
華麗なコンビネーションで得点を挙げた高橋(左)と鈴木
「ワセダのホッケーをして完膚なきまでに叩きのめす」(鈴木)と言う先日の言葉通り、最後まで攻撃の手を緩めなかった早大。開幕4連勝と隙のない戦いを見せ、今年のチームは一味違うところを見せている。次戦の明大戦は今リーグ戦最初の関門であり、苦戦が予想される。しかし、「早大らしく体を使って、もっとガツガツ仕掛けていきたい」と杉本が話すように、第1Pから相手を上回る運動量をキープし、5人で守って5人で攻める自分たちのホッケーを貫くことで勝機を見出すことができるだろう。
※1 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が多く、数的有利な状態をパワープレーと呼ぶ。
※2 ペナルティーによる退場で相手チームより人数が少なく、数的不利な状態をキルプレーと呼ぶ。
(記事 佐々木一款、写真 糸賀日向子、小田真史)
※( )内はシュート数結果 | ||
---|---|---|
早大 | ピリオド | 東海大 |
6(31) | 1st | 0(6) |
3(28) | 2st | 1(7) |
5(20) | 3st | 0(6) |
14(79) | 計 | 1(19) |
得点経過 | |||||
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チーム | 時間 | ゴール | アシスト1 | アシスト2 | PK/PP |
早大 | 03:43 | 14小澤田 | 13吉野 | 9生江 | - |
早大 | 04:21 | 33坂本 | 17高橋 | 16鈴木 | - |
早大 | 06:01 | 8青木 | 16鈴木 | 29ハリデー | PP |
早大 | 06:55 | 8青木 | 12飛田 | 16鈴木 | PP |
早大 | 09:31 | 16鈴木 | 25篠田 | 33坂本 | PP |
早大 | 18:22 | 8青木 | 18羽場 | 19杉本 | - |
早大 | 28:03 | 12飛田 | 31大崎 | 9生江 | - |
東海大 | 28:22 | 18谷 | 34片岡 | 26保田 | - |
早大 | 30:59 | 29ハリデー | 19杉本 | - | - |
早大 | 32:31 | 14小澤田 | 29ハリデー | - | - |
早大 | 40:14 | 17高橋 | 16鈴木 | 21矢島 | - |
早大 | 44:33 | 25篠田 | 33坂本 | - | PP |
早大 | 47:00 | 33坂本 | 16鈴木 | 21矢島 | - |
早大 | 47:56 | 19杉本 | 29ハリデー | - | - |
早大 | 58:46 | 9生江 | 31大崎 | - | - | ※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする |
早大メンバー | |||||
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セット | FW | FW | FW | DF | DF |
1 | 21矢島 | 17高橋 | 16鈴木 | 33坂本 | 25篠田 |
2 | 19杉本 | 8青木 | 1澤出 | 29ハリデー | 18羽場 |
3 | 12飛田 | 9生江 | 14小澤田 | 31大崎 | 13吉野 |
4 | 15伊東 | 2北村 | 11加賀美 | 10住友 | 23草島 | GK34谷口 B-GK39村上 |
コメント
内藤正樹監督(平3二文卒=北海道・釧路湖陵)
――今日の試合の振り返りをお願いします
この二試合続けてきた第1ピリオド(P)の運動量をこの試合も継続できたので良かったです。あとは相手のメジャーペナルティがあったので、そこでしっかり点を取り切れたことは良かったですね。
――落ち着かない試合展開でも冷静にプレーできていましたね
相手の挑発に乗らないで自分たちのプレーをしっかりしなさい、といつも言っていますけれど、それがかたちとして実践で出来たのが一番の収穫だったと思います。
――負傷退場した澤出選手の状態はいかがですか
本人も病院に行かなくても大丈夫と言っていますし、今のところは大丈夫だと思います。
――東海大学に合わせない戦い方が出来ていたように感じましたがいかがですか
最初に6点取ったので、そのあと中だるみするかなと思ったんですけども、最後まで点数を取ってくれたので、そこに関しては評価しています。
――次戦はいよいよ明大戦ですが、どのようなホッケーをしていきたいですか
一生懸命体を使ってパックを守らなければいけませんね。そして、相手よりも運動量を多くして明大に前を向かせなければ、それなりの結果はついてくると思っています。
FW小澤田匠(スポ3=東京・早実)
――久しぶりの公式戦でしたが、プレーしてみていかがでしたか
サマーカップから突然外されて、自分としてはきょうの試合でアピールしようという気持ちでプレーしていました。そういう強い気持ちを、得点という分かりやすいかたちでコーチ陣に示せたと思います。チームの勝利に貢献できたという点でも、そこはよかったかなと思います。
――外からチームをどのように見ていましたか
チームとして調子が良かったので、そこにうまく合流していい雰囲気のまま貢献できればと思い、臨みました。いいかたちで入れたかなと思います。
――きょうの試合の結果について思うことはありますか
きょうの結果は内容としては抜群によかったというわけではないですが、14得点というのは自分たちの収穫にもなりましたし、得点力という部分で自分たちの自信にもなりました。いい試合だったのかなと思います。
――ご自身の得点シーンを振り返っていただけますか
自分がうまいプレーをしたというわけではなくて。1本目は吉野(泰平、社2=東京・早実)のいいシュートからリバウンドを叩いただけですし、2本目もハリデーさん(慈英、スポ4=埼玉栄)からいい縦パスをもらえたので打つだけの簡単なシュートでした。
――次戦はどんなプレーをしたいですか
明大は今日のようにはうまくいかないと思いますが、相手に合わせてプレーを変えてはいけないと思います。明大戦では守りの部分が重要視されてくると思うので、そこにも重きをおきながら、絶対勝ちたいと思います。
FW杉本華唯(スポ1=北海道・駒大苫小牧)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
点数は入っていたんですけど、早大らしいホッケーが最初からできた訳ではなかったです。結果的には良かったんですけど、もっと最初からできる部分があったのかなと思います。
――ゴールの瞬間を振り返っていかがでしたか
最近ああいうシュートを練習していて、練習の成果が出て良かったなと思います。
――今季も着々とゴールを決めているのはその練習の成果でしょうか
そうですね。
――早大らしいプレーが最初からできなかったというお話でしたが、その原因は
最初は相手も反則が多かったですし、5対5でプレーできる場面が少なくて流れをつかみにくかったですね。5対4とか5対3の戦い方はなかなか難しいので、そういうところでも流れを持ってこれるようにならないとだめなのかなと思います。
――次戦の明大戦に向けてどのような試合をしていきたいか、また意気込みをお願いします
第一にチームとしては早大らしく体を使って、早いプレッシャーでもっとガツガツ仕掛けて挑戦していければと思います。自分自身はフォワードなので、得点を取ってチームを勝利に導くようなプレーをして頑張っていきたいと思います。