秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)も順位決定戦を除けば、きょうの試合で折り返しを迎える。早大は各選手が最も警戒する大学として名前を上げる敬愛大と相見えた。試合は序盤、チームとして高い集中力を見せ、立て続けに2セットを連取する。しかし、第…

 秋季関東大学リーグ戦(秋季リーグ戦)も順位決定戦を除けば、きょうの試合で折り返しを迎える。早大は各選手が最も警戒する大学として名前を上げる敬愛大と相見えた。試合は序盤、チームとして高い集中力を見せ、立て続けに2セットを連取する。しかし、第3セット、敬愛大に粘られ終盤には完全に流れを失い、ストレート勝ちとはならない。第4セットも中盤まで盤石の試合運びを見せたものの、徐々に敬愛大に流れを奪われ、終盤に追いつかれる。しかし、この試合でも森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)が面目躍如の働き。抗戦する敬愛大に競り勝ち、セットカウント3ー1(25ー20、25ー21、18ー25、27ー25)で連勝を「4」に伸ばした。

 「最初の2セット集中して臨むことができました」と森が振り返るように第1セットから早大の立ち上がりに抜かりはなかった。前の試合から復帰した富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)と森の両エースを橋本美久(社1=福島・郡山女大附)が巧みに操り、リードを広げていく。中盤、敬愛大のサーブに苦しめられ、リードを許す場面もあったが、主将森がそうはさせない。流れを断ち切りたいところでしっかりスパイクを決めきり流れを早大へ引き戻す。最後は斎藤友里(社1=千葉・敬愛学園)がセンターからの攻撃をシャットアウトし、危なげなく第1セットを取る。第2セットでもその流れを失うことはない。この日はサーブの調子が良く、井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)らのサーブで相手を崩し、敬愛大に攻撃の形を作らせない。中盤に5連続得点を奪うなど相手に主導権を渡すことなくこのセットも奪い、4連勝に手をかける。


斎藤のブロックで相手のスパイクをシャットアウト

 このままストレートで勝ち切りたい早大だったが、敬愛大も簡単にはそうはさせてくれない。敬愛大はオオイウ里奈主将(4年)がサービスエースを決めるなどチームを鼓舞し、下馬評通りの持ち味を発揮する。早大も河治えみり(社2=北海道・旭川実業)を中心にディグを上げるもなかなか得点につながらず、失点を重ねてしまう。結局、終盤も粘りきれずこのセットを落とし、試合は第4セットへ突入。第4セットでも第3セットの勢いそのままに先制したのは敬愛大。課題に挙げられるフェイントについていくことができず、一抹の不安が早大によぎる。しかし、ここでも森がその不安を一掃する。コートを縦横無尽に駆け巡り、スパイクを相手コートへ叩き込む。主将に引っ張られるかのように下級生も躍動。橋本がベンチにぶつかりながらもレシーブを上げ気迫を見せると、守備での貢献も目立つ井上がサービスエースを奪うなど攻守で活躍。さらに斎藤のブロックが決まるなど試合は決まったかに思えた。だが、中盤から敬愛大の猛威にさらされ失点を重ねる。気づけば7点差あったリードは23ー23となり0に。きのうに引き続き劣勢に立たされた第4セット終盤、「守るな、攻めろ」と馬場監督(平8人卒=京都・洛南)の声が響くコートの中でチームを救ったのはまたも森だった。橋本の上げるトスは引き寄せられるかのように森に上がる。敬愛大も森を徹底マークするがその壁を森のスパイクが貫く。「なんかもう意地ですね」(森)。ジュースになってからの得点を全て森が叩き出し、この日もチームを勝利へ導いた。


森の勝負強さ光るスパイク

 これまでの課題だった立ち上がりにきょうの試合では成果が見られた一方で、第3セットを取りきれない課題も上がった。しかし、1部で勝ち切れない要因であった20点目以降の戦いでは、しっかりと勝ち切ることができているなど、課題だったものを今のチームの強みへと変えることができている。特にきのうの都留文科大、きょうの敬愛大ではその強みが存分に出た試合となった。課題を強みへ変えられている早大が、今後の試合も勝つために必要なのは、「全員が自分が決めきるんだという気持ちを持って、気迫を出していかないといけない」と森が語るように気持ちの面だろう。気持ちがプレーに乗り、コートに笑顔があふれた時、早大はさらなる輝きを放ち続けるに違いない。

(記事、写真 遠藤伶)

セットカウント
早大25-20
25-21
18-25
27-25
敬愛大
スタメン
レフト 富澤結花(スポ3=東京・文京学院大女)
レフト 植松知里(文構2=香川・高松第一)
センター 森佳央理(スポ4=群馬・高崎女)
センター 斎藤友里(スポ1=千葉・敬愛学園)
ライト 井上裕利恵(スポ2=岡山・就実)
セッター 橋本美久(社1=福島・郡山女大附)
リベロ 河治えみり(社2=北海道・旭川実業)
コメント

森佳央理主将(スポ4=群馬・高崎女)

――きょうの試合を振り返っていただけますか

一番警戒していた相手でしっかり対策を練って臨みました。だからこそ、前の試合は最初で緩んでいたけど、この試合は最初の2セット集中して臨むことができました。でも、2セット取ってからの次の1セットが課題で、頭では分かってて緩むなよっていう声は出るんですけど、緩んでしまっているんで、ストレートで取り切るっていうことを課題として次の一週間やっていかないといけないなと思いました。でも、ここしっかり4つ取れたのは今後に向けて大きいと思います。

――勝負どころでの活躍が目立っています

なんかもう意地ですね。

――ブロックが第1セットから決まるなどチームとしての力が確実に上がってきていると思います

1部でやっていた時って20点までは競るんですけど、そこからなかなか取りきれなくて自信が持てていなかった中で、2部では取りきれているので、20点取ってからいい戦い方ができているんじゃないかと思います。単発のプレーは良くなっているとは思うんですけど、まだチームとして3、4セット目のように弱さが出ることもあるので、全員が自分が決めきるんだという気持ちを持って、気迫を出していかないといけないと感じました。

――来週に向けての抱負をお願いします

総当たり戦を考えればもう後半になるので、ここを全部勝ちきって、順位決定戦にいい形でつなげていけたらとおもいます。